1972年初の日本ツアーより初日、8月15日の大阪フェスティバル・ホール公演を高音質テープマスターより完全収録。本公演には既発「終戦記念日」 (MM)「LIVE IN JAPAN COMPLETE」(DTB)がありますが、本盤も既発2種と同一のマスターを使用しています。ライブCD初期時代の製作された「終戦記念日」は原音にコ ンプレッサー及びイコライズを施した結果、ヒスノイズが大きめの音像になってしまっています。DTB盤はそれよりはヒスノイズが小さめで、全体期に、篭り が少なく抜けの良いサウンドで収録されていますが、その分、現代的な質感ながら、「終戦記念日」に比べると、ややスケール感に乏しいサウンドになってし まっています(これはこれで素晴らしいのですが。)今回の「VICTORY OVER JAPAN」はその2種の既発の大元のマスターをダイレクトに収録しています。勿論、イコライズや加工は施していないので、既発とは質感の違う音像で収録 されており、聴き進むにおいて、自然なベースやドラムサウンドを始め、全体の鳴りのナチュラルな響き・感触から、この音が一番良いのではないかという印象 を受けるのではないかと思います。実際、既発2種と違って、「無理やり何かをした」ような質的変化の痕跡が殆ど感じられないので、全編に渡って、マスター のもつ自然な音の魅力をストレートに楽しむことができます。カットポイントや収録時間に関しても本盤は最も優れています。イントロでオルガンがスタートす るタイミングは本盤と終戦記念日が7秒目に対し、DTB盤は5秒目。最初のテープチェンジの欠落はThe Mule終演後にありますが、その部分をそのまま収録しているのが本盤とDTB盤で、「終戦記念日」は無理やりカット部分をクロスフェードさせているの で、その分4秒程短くなってしまっています。DTB盤の欠点は、本来繋がっているStrange Kind Of Woman~Lazyをディスクの切れ目として分断していることです(本盤と「終戦記念日」はノンカット収録)。更にDTB盤はSpace Truckin'終演後22分目でカットが入りそこで1分間の歓声(アンコールの手拍子)の欠落が確認できます。本盤は22分5秒目でカットがあります が、「終戦記念日」はそこもクロスフェードさせてノンカットのように繕ってありますが、その分、収録時間が短くなってしまっています。結論から言うと、本 盤はクロスフェード処理の無い、イコライズを施す前の「終戦記念日」テイクということになります。全体収録時間を比較すると、本盤:98分39秒、終戦記 念日:97分49秒、DTB:97分35秒で、本盤が最長収録盤ということになり、「終戦記念日」は全体的にピッチがやや速いので、それが収録時間の違い に現れてしまっています。(DTB盤はピッチは正確ですが、前述の通り、Space Truckin'~Black Night間の歓声が大きく欠落しているので、全体の収録時間が短くなってしまっています。)3種とも音の質感は違いますが、マスター本来のサウンドが楽 しめるのは本盤であることは間違いありません。本公演にはライン録音が存在しますが、サウンドチェック音を含めた曲間を含め、最長でドキュメントしている 音源はこのオーディエンス録音テイクしか存在しませんので、記録的には非常に貴重なテイクと言えます。極上音質、というわけではないですが、安定した鮮度 の高い聴きやすいサウンドで収録されており、38年前の8月に行われた初の日本ツアーからの記念すべき初日公演をマスター・クオリティのオーディエンス録 音テイクで楽しむことができます。Live at Festival Hall, Osaka, Japan 15th August 1972 GREAT/AMAZING SOUND Disc 1 1. Highway Star 2. Smoke On The Water 3. Child In Time 4. The Mule 5. Strange Kind Of Woman 6. Lazy Disc 2 1. Space Truckin' 2. Black Night 3. Speed King Ian Gillan - Vocal Ritchie Blackmore - Guitar Roger Glover - Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums