最新アルバム『HACKNEY DIAMONDS』と共に敢行され、スティーブ・ジョーダン加入後のベスト・ツアーでは?との呼び声が早くも飛び交っている今年のツアー。その中でCD化が立ち遅れ、なおかつ世界中の間にから待ち望まれていたのが7月17日のサンタ・クララ公演ではないでしょうか。『SANTA CLARA 2024』の元になったオーディエンス録音は周囲の盛り上がりが楽しい状態だったのに対し、今回の新たなオーディエンス録音は文句なしのクオリティ。これまで今回のツアーからCDされてきた日の録音はどれも素晴らしいものばかりでしたが、今回もまたその例に漏れず。非常にクリアーかつマイルドな音質、音像も実に近い。一聴しリリース一択と呼べるクオリティだったのですが、テーパーのアプリを介しての録音は不運にもiPhoneがバッテリー切れを起こしてしまい「Midnight Rambler」の途中で終了。ところがテーパー自身が以降に別音源をパッチして完全版に仕立てた状態で公開してくれたのでした。使用された別音源はYouTube上にあった映像の音声を流用したとのことですが、これが驚くほどの高音質。メイン音源と比べて低音がふくよかで少しだけ音像も劣るのですが、それでも聞いていて大きな違和感を覚えることは皆無。しいて言えば「Paint It Black」で周囲の盛り上がりが気になる程度か。そこで今回のリリースに際してこの別音源パートにイコライズを加えた結果、いよいよ違和感なくツアー終盤の熱演をじっくりと聞き込める状態へとバージョンアップ。ただでさえリリースの待ち望まれていた日ですので、なおさら音源の格差を整えられたことがマニアにとって嬉しいはず。それにツアー終盤のストーンズらしく、オープニングから快調に飛ばす様子もクリアーな音質故にしっかり伝わってくる。改めて今回の録音の音質の良さを痛感させられる思いがしてなりません この日のレア・レパートリーと言えば投票ソング「Far Away Eyes」だった訳ですが、ゆったりしたカントリーソングゆえ今のストーンズでも無理なく演奏出来てる感が実に魅力的。何ならもっと演奏してもらいたかったくらいですが、この日だけの披露に終わったからこそ、ここサンタ・クララでの場面が光る。これもまた高音質だからこそであり、その素晴らしさもひとしお。ところがレア演奏のインパクトをも薄れさせてしまいそうな勢いで世界中のマニアをアッと言わせたのが新曲「Bite My Head Off」のツアーデビューという大きなトピック。昨年の『HACKNEY DIAMONDS』リリース記念ニューヨーク・ライブの段階で既に演奏されていた訳ですが、今年のツアー本編における披露を世界中のマニアがどれほど待ち望んだことでしょうか。それにツアー終盤での披露というタイミングがものをいい、昨年のイベント以来のライブ演奏だとは思えないほどに仕上がっている。あの素晴らしかった昨年のニューヨークでの初披露と比べても俄然スピード感あってカッコよく、この演奏を聞いていると「やっぱりツアー本番の演奏は気合が違うよな…」と思わされることしきり。惜しむらくは、あれだけ素晴らしい成果を残した今回たった一回の演奏で終わってしまったことですが、そんな新曲の披露にワクワクさせられたのも新作にして早くも名作と化した『HACKNEY DIAMONDS』を引っさげた今回のツアーならでは。Levi's Stadium, Santa Clara, CA, USA 17th July 2024 TRULY PERFEXT/ULTIMATE SOUND 1. Intro 2. Start Me Up 3. Get Off Of My Cloud 4. Tumbling Dice 5. Angry 6. Far Away Eyes 7. Like A Rolling Stone 8. Bite My Head Off 9. Mess It Up 10. You Can't Always Get What You Want 11. Band Introductions 12. You Got The Silver 13. Little T&A 14. Before They Make Me Run Disc:2 (56:42) 1. Sympathy For The Devil 2. Honky Tonk Women 3. Midnight Rambler 4. Gimme Shelter 5. Paint It Black 6. Jumping Jack Flash 7. Sweet Sounds Of Heaven 8. Satisfaction