バンドとしての活動がスタートしたフェイセズ1970年の最定番ライブ音源である10月30日のサンタモニカ。かのTMOQが『ROD STEWART & FACES: PLYNTH』というスタンプカバーLPでリリースして彼らのライブの躍動を世界中に知らしめてくれた名盤かつ定番としての座を揺るぎないものとし、何度も再発されるほどベストセラーと化した名盤でもあります。TMOQという事で同レーベルのダブ・テイラーが録音したオーディエンス録音のクオリティが非常に良かったことも同盤が名盤とされた要因でした。それもそのはず、あの名盤ストーンズ『LIVE’R THAN YOU’LL EVER BE』やZEP『LIVE ON BLUEBERRY HILL』と同じくウーヘルのデッキにゼンハイザーのマイクというダブ必殺のセッティングにて録音されたことが大きかった。しかも一か月前に後者の名録音を生み出したばかりという最高のタイミングでもあった。どうりで高音質な訳だ。この名録音の1st Gen Reelが近年になって突如発見され、それをリリースした名盤が『SANTA MONICA 1970』。CD黎明期にはLP落とし、なおかつスペルを間違えてしまった『PLYNHT』なんていうアイテムがリリースされていたというのに、ここでは1st Gen Reelという異次元のクオリティでのCD化が2015年になって遂に実現。TMOQ稀代の名録音の決定版に相応しいセールスを記録して売り切れと相成りました。フェイセズの初期ステージを素晴らしい音質で捉えた音源ともなれば再発は必須とも思われましたが、ビンテージ・オーディエンスの修復と言えばこの人「GRAF ZEPPELIN」が今回の再リリースに際して名乗りを上げてくれたのです。1st Gen ReelはLPで聞かれたライブ序盤が未収録であったことから1CDでのリリースとなり、未収録パートに関しては別途TMOQ盤を復刻したCD-Rを付属させる形となっていました。しかし今回「GRAF ZEPPELIN」はLPパートも含めた全長版かつ2CDでのリリースへとバージョンアップ。何と言ってもライブ序盤のLPに関してはオリジナルTMOQ盤からの完璧なトランスファーを敢行。実を申しますと『ROD STEWART & FACES: PLYNTH』は好評を重ねて何度もプレスされており、スタンプカバー&カラービニールのバージョンにすらマト違いが存在する。実は先のCDも後期プレスからの収録でした。そこを「GRAF ZEPPELIN」はオリジナルの「SF 506 A/B」マトのスタンプカバーから超クリーンなトランファーを実現。おまけにスクラッチノイズも皆無ときて1st Gen Reelと何ら遜色のない状態でライブ全体の収録をも実現。あまりにも音が良いので、例えば1st Gen Reelにおいて「Gasoline Alley」後半の欠損部にもLPで補填しているのですが、違和感がなさすぎてびっくり。もちろん本体1st Gen Reelに関しても「GRAF ZEPPELIN」は徹底的なレストアを敢行。特にフィナーレ「Blues Deluxe」で顕著だった、位相ずれによる左側に寄り気味な不自然さも堂々たるモノラルへとしっかり修復。ダブ渾身のオーディエンス録音1st Gen Reelのポテンシャルを余すところなく出し切ってみせました。本当にこの録音はウーヘル&ゼンハイザーによるダブ録音らしさが全開で、音の雰囲気などは実際『LIVE’R THAN YOU’LL EVER BE』にそっくり。そして初期フェイセズならではの粗削りだが躍動する演奏の魅力も見事に捉えてくれている。ロニーのギターの音圧などはそれこそサウンドボードに迫る勢い(これ1970年の録音ですよ?)が素晴らしい。またオープニングではロッドが自分たちのことを「Small Faces」と紹介している所なども活動初期ならではの光景。1970年フェイセズを代表する名作TMOQ録音が「GRAF ZEPPELIN」の手によって生まれ変わりました。もはや「再発」ではなく「別物」!リマスター・メモ 近年出回ったTMOQの1st Gen Reelと当時のオリジナル・アナログ盤の良いとこ取りをし、過去最長盤を再現! Reelパートは既発同様の素材からの最新リマスター。アナログ盤は今回改めて原盤から最新デジタル化のうえリマスター。Reelをベースに、足りないパートをアナログ盤で補う構成。収録構成は下記曲目を参照。Reelパートは既発をお持ちの方であれば非常に高音質なモノラルAudであることはご存じのことでしょう。今回は終盤で生じていた位相ズレも初めて解消。Reelパートで欠落のあったGasoline Alley演奏終盤やAround The Plynth前の曲間カットなども可能な範囲でアナログ盤により初めて補填!アナログ盤で収録されたパートは主にDisc1となりますが、この部分の音質もすこぶる良好で、Reelパートとの音質差も殆どなく、普通に聴く分にはアナログ盤からとは思えない驚きの極上サウンドを実現!ブーンというハムノイズもなく、既発で聴けたものとは雲泥の差であることを保証します。正しい曲順については判明してませんが、アナログ盤のCountry Comforts演奏後の曲間とReelのAround ThPlynthLive at Civic Center, Santa Monica, California, USA 30th October 1970 ULTIMATE SOUND UPGRADE Taken from the original LP "PLYNTH" (Trade Mark Of Quality SF 506 A/B) & TMOQ 1st Gen Reel Tapes 演奏前の曲間は一部重複が確認されるため、下記のような曲順で収録されています。アナログ盤で序盤に収録されていたLove In Vainは、Reelの収録内容が尊重され終盤の収録となっております。Live at Civic Center, Santa Monica, California, USA 30th October 1970 ULTIMATE SOUND UPGRADE Taken from the original LP "PLYNTH" (Trade Mark Of Quality SF 506 A/B) & TMOQ 1st Gen Reel Tapes 01. Introduction "The Small Faces" ★アナログ盤 02. Wicked Messenger ★アナログ盤 03. Flying ★アナログ盤 04. Too Much Woman For A Henpecked Man ★アナログ盤 05. You're My Girl ★アナログ盤 06. Cut Across Shorty ★Reel 07. Maybe I'M Amazed ★Reel 08. Country Comforts ★アナログ盤 ★4:59からReelへチェンジ ★5:34-5:35アナログ盤で差替え補填 Disc 2 (54:38) 01. MC 02. Around The Plynth ★Reel 03. Honky Tonk Women ★Reel 04. Gasoline Alley ★Reel ★1:32-1:52 アナログ盤で差替え補填 05. Around The Plynth (reprise) ★Reel 06. It's All Over Now ★Reel 07. Love In Vain ★Reel 08. I Feel So Good ★Reel 09. Had Me A Real Good Time ★Reel 10. Blues Deluxe ★Reel