ノーメイクで再起を懸けた1983年の転機作にして、ヴィニー・ヴィンセントを擁した最初の完全アルバム『LICK IT UP』。そのデモ/アウトテイクをまるごと封じ込めた決定盤が登場です。そんな本作に永久保存されているのは、全28トラック・約77分に及ぶスタジオ録音。当店では『CREATURES OF THE NIGHT』『HOT IN THE SHADE』『REVENGE』など、歴代名盤を補完するデモ・アルバムをご紹介してきましたが、本作はその「LICK IT UP版」。ヴィニー・ヴィンセント在籍時の記念すべき最初のフル・セッションであり、アルバムに結実した曲の初期バージョンから最終的に陽の目を見なかった幻の楽曲まで、その全貌をたっぷりと辿れます。このセッションの一部は、1980年代半ばから音質の悪いカセット・コピーでコレクター間に出回ってはいました。しかし本作は、独自の関係者ルートによって発掘された音源。これまで流通していたものとは音質・内容ともにまるで別次元のクオリティで、セッションの真の姿が甦ったのです。本作は元テープの順番通りに収録されていますが、ここでは「アルバム収録曲」と「アルバム未収録曲」に分けてご紹介していきましょう。アルバム収録曲の別テイク・別ミックス(7曲・21テイク)「Lick It Up(2テイク)」生々しいエンジニアによる肉声メモ「Engineer Notes)に導かれて始まる1テイク目は、アルバムのリード・シングルにしてタイトル・トラックである「Lick It Up」。ウォームアップ・テイクとデモ・テイクの2種を収録しており、あの不滅のアンセムが、まだ温まりきらない素の状態から立ち上がっていく瞬間が楽しめます。「Fits Like A Glove」/「So Many Girls, So Little Time」ここは興味深い2曲。実は「So Many Girls」こそが「Fits Like A Glove」の原題でした。本作にはそのオリジナル版「So Many Girls, So Little Time」と、ジーンがその場で歌詞をでっち上げながら歌うインストゥルメンタル・テイク(ガイド・ヴォーカル入り)の両方が収録されています。名曲がタイトルすら変える前の、生々しい産みの苦しみが刻まれた貴重なペアです。「A Million To One(7テイク)」本作屈指の聴きどころ。アルバムに収録された名バラードの別テイクが収録されており、それぞれがかなり違う。インストゥルメンタル/Take 9/11/12/17という複数の段階、そしてヴィニー・ヴィンセントのガイド・ヴォーカルが入った2テイクも収録。1曲のバラードがこれだけの試行錯誤を経て磨き上げられていく様をステップ・バイ・ステップで追体験できる美味しいセクションです。「Gimme More(4テイク)」アルバム収録曲であり、1983/84年のコンサートでも定番となった「Gimme More」。本作ではTake 1/Take 9とInsert 2、それにTake 13という複数の異なる4テイクで楽しめます。「Young And Wasted」名曲「Young And Wasted」の初期デモ。元テープでは「Gimme More」の合間に記録されており、ライヴ・アンセムが固まっていく過程と、もう一つの名曲が同じセッションで生まれたことが肌感覚で伝わってきます。「Exciter(5テイク)」アルバムの楽曲「Exciter」を構成する5つのラフでヘヴィなテイク。インストゥルメンタル、ブリッジ・リハーサル、ソロのアウトテイク、エンディングをしくじったリハーサル、そしてエンディング……バラバラのパーツを通して聴くことで、1曲のロック・ナンバーが組み上がっていく「設計図」的な面白さを味わえるセクションです。アルバム未収録に終わった曲(6曲)「We Won't Take It Anymore(1983 Version)」アルバム候補曲のひとつながら、最終的には不採用に終わったジーンのナンバー。ジーンはこの曲を後年『ASYLUM』用に再びレコーディングしますが、そちらでも採用には至りませんでした。もしかすると三度目の正直を狙っていたのかも……と想像が膨らむ、不思議とジーンに愛され続けた一曲です。「Take It Like A Man(1983 Version)」これまたいかにもジーンらしい楽曲で、同じく後に『ASYLUM』セッションで再録音された曲。とはいえ両バージョンの仕上がりはかなり異なっており、ここで聴ける1983年版は別物として楽しめます。「My Babe」他のどの曲とも似ていない、ジーンの異色のナンバー。彼はまさに「千の顔を持つ男」。引き出しの多さに改めて唸らされる一曲です。「Lonely Is The Hunter(1983 Version)」後に『ANIMALIZE』で発表されたバージョンとは大きく異なる初期テイク。完成版を知るファンほど、そのアプローチの違いに耳を奪われるはずです。「Untitled Instrumental」タイトル未定のインストゥルメンタル。実はこれ、『MUSIC FROM "THE ELDER"』のセッションで初めて持ち込まれた曲の続きにあたるという、マニア心をくすぐる一曲。アルバムをまたいで生き続けたアイデアの足跡です。「You, It Was You Who Left Me」本作の感情的なハイライト。これは『LICK IT UP』のメイン・バラードとなるはずだった曲でした。ポール・スタンレーが、去っていった最愛の人ドナ・ディクソンへの想いを綴った楽曲で、「I Still Love You」に続く、ポールから彼女への2度目の切ない捧げ物とも言える一曲。失恋の痛手をそのまま音に刻んだ、胸を打つ秘宝です。以上、全28テイク。ヴィニー・ヴィンセントを迎えた記念すべき最初のフル・アルバム『LICK IT UP』の制作現場を最高峰クオリティでまるごと捉えた一枚です。7テイクに及ぶ「A Million To One」の徹底解剖やタイトルすら変わる前の「Fits Like A Glove」、ポールがドナ・ディクソンへの想いを綴った幻のバラード「You, It Was You Who Left Me」などなど。音質の悪いカセットでしか知られてこなかったセッションが、独自ルート発掘の音源で完全に生まれ変わりました。素顔のターニング・ポイント作『LICK IT UP』。そのデモ/アウトテイクを最高峰更新サウンドで完全網羅した決定盤です。1983年夏の全28テイクを、独自の関係者ルートから発掘した新マスターで集成。7テイクの「A Million To One」、原題時代の「Fits Like A Glove」、ポールがドナ・ディクソンへの想いを綴った幻のバラード「You, It Was You Who Left Me」など秘宝満載。ヴィニー・ヴィンセント時代KISSの裏側に潜入する一枚です。(77:25) 1. Engineer Notes 2. Lick It Up (warm up) 3. Lick It Up (Demo) 4. We Won't Take It Anymore (1983 Version) 5. Take It Like A Man (1983 Version) 6. My Babe 7. Lonely Is The Hunter (1983 Version) 8. Fits Like A Glove (Instrumental with Gene guiding vocals) 9. So Many Girls, So Little Time 10. A Million To One (Instrumental) 11. A Million To One (Take 9) 12. A Million To One (Take 11) 13. A Million To One (Take 12) 14. A Million To One (Take 17) 15. A Million To One (Vinnie guiding vocals 1) 16. A Million To One (Vinnie guiding vocals 2) 17. Gimme More Take 1 18. Gimme More Take 9 19. Young And Wasted 20. Gimme More (Insert 2) 21. Gimme More (Take 13) 22. Untitled Instrumental 23. You, It Was You Who Left Me 24. Exciter (instrumental) 25. Exciter (Bridge Rehearsal) 26. Exciter (Solo outtake) 27. Exciter (Rehearsal with botched ending) 28. Exciter (Ending)





























