精力的なライヴ活動を重ねつつ、特異点『BEYOND APPEARANCES』を練り上げていった1984年のSANTANA。アルバム完成前夜の生演奏を脳みそに流し込んでくれるサウンドボード・アルバムが登場です。そんな本作に封じられているのは「1984年10月31日ニューヨーク公演」。伝統の名会場“ザ・リッツ”で記録されたステレオ・サウンドボード録音です。『BEYOND APPEARANCES』時代のサウンドボードというと『KANSAS CITY 1985 SOUNDBOARD』『MILLER MUSIC FESTIVAL 1985 SOUNDBOARD』『CHICAGO 1985 SOUNDBOARD』といった1985年物がお馴染みですが、本作はそれとは似て非なる1984年編。その辺の状況を把握するためにも、まずは当時の活動概要から俯瞰してみましょう。1984年《3月28日『BEYOND APPEARANCES』制作開始》・5月19日:サンフランシスコ公演・5月28日~7月8日:欧州(27公演)・10月6日~31日:北米#1a(8公演)←★ココ★《11月1日『BEYOND APPEARANCES』完成》・11月2日~12月1日:北米#1b(15公演)1985年《2月25日『BEYOND APPEARANCES』発売》・4月27日~5月10日:北米#2(11公演)・5月30日~8月22日:北米#3(42公演)←※CHICAGO 1985他・11月15日:オールバニ公演 灼熱ギターにフォーカスされたギター・アルバム これが1984/1985年のSANTANA。1985年は『BEYOND APPEARANCES』発売後のアルバム・ツアーですが、本作のリッツ公演は制作の最終盤。アルバム完成の前日というタイミングでした。この日はハロウィン当日ということもあって1日2公演が行われましたが、本作がアーリー・ショウなのかレイト・ショウなのかは確定されていないようです。そんなステージを伝えるサウンドボードは以前から知られてきたのですが、本作はベスト・マスターからダイレクトにデジタル化された最高峰盤。2026年5月に他界したアレックス・リガートウッドの追悼として公開された音源でもあります。そして、そのサウンドが生々しくも個性的。ムキ出しの芯が丸出しの超ダイレクト感は卓直結系のようにラフ&リアルなのですが、音色やミックス・バランスはFMラジオやテレビの生中継を思わせる。何より際立つのが、明らかにギターに焦点が絞られたミックス。カルロスの1音1音が異様なまでにくっきりと浮き立ち、チョーキングの上げ幅や細かなピッキング・ニュアンスまで克明に描き出される。数あるSANTANAのサウンドボードの中でもカルロスの妙技が濃厚な「ギター・アルバム」です。アレックス・リガートウッドの遺産を刻む充実のセットリスト そんなギター・アルバムが描き出すのは、約118分に及ぶクラブ・ギグ。完成目前だった『BEYOND APPEARANCES』ナンバーも披露しつつ、ツアー本編だった「北米#3」とも異なるセット。ここで比較しながら整理しておきましょう。ビヨンド・アピアランス・Spirit/Breaking Out/Written In Sand(★★)/Touchdown Raiders/Right Now その他・サンタナ:Savor/Soul Sacrifice (Aranjuez)・天の守護神:Samba Pa Ti(★★)/Incident at Neshabur/Black Magic Woman-Gypsy Queen・サンタナIII:Batuka/No One To Depend On・ムーン・フラワー:She's Not There/I’ll Be Waiting(★★)・その他:Primera Invasion/Open Invitation/By The Pool(★)/Body Surfing/Marbles/Waited All My Life/Super Boogie/Hong Kong Blues/Europa (Earth's Cry, Heaven's Smile) ※注:「★」印は「北米#3」のサウンドボード群では聴けなかった曲。特に「★★」印は名作プロショット『MOUNTAIN VIEW 1986』にもなかった曲。……と、このようになっています。『BEYOND APPEARANCES』から5曲。レコーディングと並行してステージでも練り上げていた楽曲群で、完成直前のほやほやの状態が味わえます。特に「Written In Sand」は1985年のサウンドボード群にも『MOUNTAIN VIEW 1986』のプロショットにもなかった美味しい1曲です。また、リガートウッドとグレッグ・ウォーカーが互いを引き立て合うツイン・ヴォーカルの妙味も、本作の聴きどころ。前述のようにギターに焦点の当てられたミックスではありますが、それはあくまで他のサウンドボードと比べての話。2人のヴォーカリゼーションもギターと並ぶほどばっちり/くっきりと主役級であり、その息づかいや熱量もダイレクトに脳みそに流し込んでくれるのです。カルロスのギターが鮮やかに燃え上がり、アレックス・リガートウッド&グレッグ・ウォーカーのツイン・ヴォーカルも絡み合う。貴重な時期の生演奏と全身が完全一致するような超ダイレクト・サウンドボード。「1984年10月31日ザ・リッツ公演」のステレオ・サウンドボード録音。アレックス・リガートウッド追悼のために公開されたベスト・マスターからダイレクトにデジタル化された最高峰盤。ギターに焦点が絞られた独特のミックスはカルロスのピッキング・ニュアンスまで克明に描く極上のギター・アルバムで、『BEYOND APPEARANCES』完成前日のフルショウを楽しめます。The Ritz, New York, NY, USA 31st October 1984 1.Spirit (5:24) 2.Primera Invasion (2:15) 3.Open Invitation (5:50) 4.By The Pool/Samba Pa Ti (6:33) 5.Breaking Out (4:35) 6.Written In Sand (3:53) 7.Body Surfing (6:17) 8.She’s Not There > Marbles (5:25) 9.Incident At Neshabur (5:35) 10.Waited All My Life (4:04) 11.I’ll Be Waiting (4:49) 12.Savor…percussion solos (6:00) 13.Super Boogie (5:51) 14.Hong Kong Blues (3:36) 15.Touchdown Raiders (3:18) 16.Soul Sacrifice > Aranjuez (13:45) 17.Batuka (3:15) 18.No One To Depend On (4:23) 19.Black Magic Woman > Gypsy Queen (6:25) 20.Europa (7:50) 21.Right Now…Band Intro (8:38) STEREO SOUNDBOARD RECORDING Carlos Santana – Guitar/Vocals/Percussion Greg Walker – Vocals Alphonso Johnson – Bass Alex Ligertwood – Guitar/Vocals Armando Peraza – Bongos/Congas/Percussion Raul Rekow – Congas/Percussion Orestes Vilato – Timbales/Percussion Chester Thompson – Keyboards Graham Lear – Drums



























