W.A.S.P.の初来日は、全5公演。本作が記録されたのは、その中の4回目となる「1984年10月22日・中野サンプラザ」公演です。かつてHSDレーベルから「L.O.V.E. REVOLUTION」というタイトルでリリースされたこともある録音で、今回はオリジナル・マスターを提供していただき、最新リマスターを施しました。W.A.S.P.の初来日公演から31年にもなりますが、その録音は、未だにこの1本しか発掘されていない超レア音源なのです。それほどのレア音源ながら、音質は抜群。もともと美しいサウンドを聴かせるバンドではありませんから、ちょっと聴くとかなりワイルドに轟くのですが、これこそがまさに現場に忠実なサウンド。実際、爆音のようでいて各楽器の輪郭は決して濁りも割れもせず、ワイルドに叫ぶブラッキー・ローレスのザラっとした声も、その粒子までも超リアルに聞こえるようです。MORTORHEADの埃っぽさを思い出していただければ、イメージしやすいのではないでしょうか。そんな中、観客は熱狂というより、バンドの熱演に圧倒されているかのよう。1曲終わるごとに聞こえる歓声は、「沸き上がる」というより「やっと聞こえた」という感じ。もちろん、演奏中も叫び声を上げているのは分かるのですが、まるでスラッシュ・メタルのようなエネルギーで叩きつける演奏にかき消されてしまうのです。本編プレスDVD「LIVE AT THE LYCEUM, LONDON」は、決定的な名作映像ではありますが、あえて苦言を呈するなら、妙に大きな歓声が被せられていました。「なぜ、そんなことをするんだろう」と不思議でしたが、本作を聴いて納得。バンドの音が凄まじすぎて、被せでもしない限り歓声が聞こえないのです。日本では数々の規制によって演出も抑え気味でしたが、それでも日活女優を惨殺する「Tormentor」や、血糊を盛大に浴びる「School Daze」など、観客が大いに盛り上がるシーンが記録されています。特に、この日は女性客をステージに上げ、手錠でドラムキットに縛り付けてしまうパフォーマンスまで披露しました。にも関わらず、バンド・サウンドが豪快に鳴り響いて観客の大騒ぎが聞こえてこない。繰り返しますが、本作には過剰入力の割れや歪みは一切ありません。現場が、こういう音だった。客席録音でさえ、歓声をかき消してしまうバンド・サウンド……なんという凄まじいライヴだったのでしょうか。THE DOORSのオープニングSEから、終演後のグッズ販売アナウンスまで、徹底的に現場の音を拾い抜いた完全実況アルバムです。ショックロックの新たなヒーローが日本を蹂躙していく様を超クリア/超リアルに捉えきったワン&オンリーの超傑作録音。たとえ、W.A.S.P.にまったく興味がない方でも、これほどのド迫力サウンド、一度は全身に浴びてみる価値がありますよ! Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 22nd October 1984 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND (73:37) 1. Opening SE: The End (The Doors) 2. Oh Your Knees 3. The Flame 4. Hellion 5. L.O.V.E. Machine 6. Sleeping (In The Fire) 7. Tormentor 8. School Daze 9. Guitar Solo 10. The Torture Never Stops 11. I Wanna Be Somebody 12. Animal (Fuck Like A Beast) Blackie Lawless - Lead Vocals, Bass Chris Holmes - Guitars Randy Piper - Guitars, VocalsSteve Riley – Drums