【歴史的な和解ライヴ!】本作に収録されているのは英国の「1993年6月5日ミルトン・キーンズ公演」。当時、“MEGADETHがMETALLICAのオープニングを務める!?”と大いに話題になったライヴで、ディスク1にMEGADETH、ディスク2・3にMETALLICAのステージを収録しています。スラッシュメタルを創始したMETALLICAとデイヴ・ムステインが袂を分かった1983年から10年、互いに影響し合いながらHEAVY METALを進化させつつ、メディア上で舌戦を繰り広げていた両者が和解をアピールしたライヴなのです。もちろん、その事実は演奏の気合いにも現れているわけですが、一番象徴的なのがムステインのMC。「Liar」の前に「今日は歴史的な日になるぜ。MEGADETHとMETALLICAの間にあった10年間のくだらねぇイザコザも終わりなんだからな!(10 years of bullshit is over between Megadeth & Metallica!!)」と高らかに宣言するシーンもサウンドボードでばっちり収録。もちろん、本作のタイトルは、このMCにちなんでいます。※注:厳密に言うと1985年の年末イベントで両バンドはすでに競演しています。ただし、その時点でデビュー直後だったMEGADETHは、他出演者のMETAL CHURCHやEXODUSよりも格下扱い。METALLICAに次ぐ二枚看板としてライヴを行ったのは、この「ミルトン・キーンズ1993」が初めてでした。 【絶頂期の凄絶ライヴ!】ライヴの内容も素晴らしい。それもそのはず、このライヴが行われた1993年は、両者とも大代表作「BLACK ALBUM」「COUNTDOWN TO EXTINCTION」を創り上げた時代。バンド・ポテンシャルがキャリア・ハイなら、それを待ち受ける観客の人気・熱狂もキャリア・ハイであり、歴史の長い両バンドといえども、これ以上に充実した時代はない絶頂期中の絶頂期ライヴなのです。その上、歴史的イベントの気合いがたっぷり注入されているのですから、悪かろうはずがない。スラッシュメタルを創始しながら、まるで示し合わせたかのように“脱スラッシュ”“オーセンティック・メタル化”を歩んだ両バンドですが、この日のスラッシュ・ナンバーはかつてを思い起こさせる暴虐バージョン! しかも、10年間の鍛錬を積んだリフの切れ味はかつてを超えて五臓をえぐり、ヘヴィ・ナンバーはどこまでも重く六腑に響く。特にMETALLICAはジェイソン・ニューステッドの咆哮や、後述する凄まじい音質も相まって、とんでもないことになってる……本当に、異星人にも聴かせてやりたいド迫力ライヴです!! 【最長・最高のクオリティ!】そんな歴史的な1日を記録したサウンドがまた、輪をかけて素晴らしい。両バンドとも放送音源がベースになっており、よくある“歓声なしの白々しさ”や“卓録りの不自然なミックス”とは完全に無縁。まさに「ライバルはオフィシャルだけ」なのです。その上に、オフィシャルをねじ伏せるかのような生々しさが、また凄い。楽音の暴虐ぶりも強烈なのですが、放送局によって被せられたと思しき生々しい歓声さえも素晴らしいのです。普通、歓声は申し訳程度に混ぜるくらいですし、酷い物になると疑似SEのリピートだったりしますが、本作の場合は(結構、冒険なくらいに)たっぷりとミックスされている。しかも、その歓声はバンドと完全に一体化しており、邪魔になるどころか、演奏を何倍も輝かせている。切っ先鋭いサウンドボードが切り込みつつ、まるで歴史的な1日に居合わせているようなリアルな臨場感まで存分に味わえる……。音質はおろか、楽音や完成に至るまで、ライヴの魅力・起伏を最大限に引き出したライヴ・アルバム。両バンドとも絶頂期だけに(公式を含め)サウンドボードはいくつもありますが、本作が1・2を競うトップ・クオリティなのは間違いありません!実のところ「ミルトン・キーンズ公演」は、ズバ抜けた高品質だけに有名な定番音源でもあるのですが、数あるタイトルの中でも本作が最長・最良バージョンです。例えば、MEGADETH分の既発は、他公演やシングルのコピー等と混ぜてかさ増しした盤がほとんど。それに対して、本作ではそうした余分な音源は一切なく「ミルトン・キーンズ公演」の別放送から「Peace Sells」「Anarchy In The U.K.」を追加収録しています。この2曲のみ音質が異なるのでボーナス扱いですが、これで現存する全ライン音源を網羅しているわけです(この日の残り4曲「Countdown To Extinction」「Lucretia」「Sweating Bullets」「Holy Wars」は発見されていません)。METALLICA分も発見されていない2ndアンコールの2曲「Enter Sandman」「So What」こそ未収録なものの、それ以外は完全収録。既発タイトルは1枚物だったり、曲間のカットやフェイドアウトがあったり、中には「Battery」で無関係の音楽が被っていたり(!)といったタイトルもありましたが、本作にはそうした欠点が一切存在しません。このように、本作は歴史的な意義、演奏、熱狂、サウンド……そのすべてがそろったライヴ・アルバムなのです。大ヒットとなった「NO LIFE 'TIL MEGAFORCE」「LEGENDARY QUARTET」に続き、これもまた「HEAVY METALという音楽の最高傑作」に数えられる名盤なのは間違いない。名盤誕生に相応しい3CDの決定盤仕様で、この記念すべきライヴ・アルバムをお届けまします。Live at Milton Keynes National Bowl, UK 5th June 1993 STEREO SBD(UPGRADE) Disc 1 / MEGADETH (43:24) 1. Symphony Of Destruction 2. Skin On My Teeth 3. Wake Up Dead 4. "10 years of bullshit is over between Megadeth & Metallica" 5. Liar 6. In My Darkest Hour 7. The Conjuring 8. Hook In Mouth 9. Angry Again BONUS TRACKS 10. Peace Sells 11. Anarchy In The U.K. Disc 2 / METALLICA (79:28) 1. The Ecstasy Of Gold 2. Creeping Death 3. Harvester Of Sorrow 4. Welcome Home (Sanitarium) 5. Of Wolf And Man 6. Wherever I May Roam 7. The Thing That Should Not Be 8. The Unforgiven 9. Disposable Heroes 10. Bass Solo 11. Orion/To Live To Die/The Call Of Ktulu 12. The Four Horsemen Disc 3 / METALLICA (64:55) 1. For Whom The Bell Tolls 2. Fade To Black 3. Master Of Puppets 4. Seek & Destroy 5. Battery 6. Nothing Else Matters 7. Sad But True 8. Last Caress 9. One STEREO SOUNDBOARD RECORDING MEGADETH Dave Mustaine - Vocals, Guitar David Ellefson ? Bass Marty Friedman - Guitar Nick Menza - Drums METALLICA James Hetfield - Vocals, Guitar Lars Ulrich ? Drums Kirk Hammett - Guitar Jason Newsted - Bass, Vocals