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Pink Floyd ピンク・フロイド/La Carrera Panamericana Japanese Video Ver.

レコード化されていない書き下ろしの新曲も盛り込まれた幻のオフィシャル映像『LA CARRERA PANAMERICANA』。その日本盤がタイトルとして復刻です。ポップカルチャーの中心としてさまざまな地平を切り拓いてきたロック。しかし、本作ほど個性的な映像はそうはありません。この作品はPINK FLOYDの公式コレクションの1つではありますが、主役はFLOYDではない。1991年1月に行われたメキシコのカー・レース、“カレラ・パナメリカーナ・メヒコ”のドキュメンタリー・フィルムなのです。そもそも、“カレラ・パナメリカーナ・メヒコ”は1950年に始まり、「世界で最も過酷」と呼ばれたカー・レース。多数の事故や死亡者を出した事で4年で終了してしまった伝説のレースでした。しかし、その後、1988年からリバイバル開催されるようになり、その1991年版にはニック・メイスンとデヴィッド・ギルモアも出場しました。特にメインだったのはニック。彼の車道楽は有名ですが、その本気度はハンパではない。フェラーリ250GTOやジャガーD-TYPEを筆頭に数百万から数千万ドルするスポーツカーやレースカーを何台も所有し、パナールなどのクラシックカーにも造詣が深い。単にコレクションするだけではなく、70年代からル・マンやシルバーストーン等にも数多く出場しているレーサーでもある。そんなニックがギルモアを誘って“カレラ・パナメリカーナ・メヒコ”に参加し、そのドキュメンタリー・フィルムの音楽も担当することになったのです。当初は1991年クリスマス・イヴのテレビ特番として放送されたものの、翌1992年6月に再編集されてソフト化。日本でもリリースされました。本作は、その日本盤『道:カレラ・パンアメリカーナ』をデジタル化したもの。冒頭でわずかに音落ちする瞬間が数カ所あるために100%パーフェクトではありませんが、99.99……%は完全に公式級。日本語字幕もクッキリとした映像美でDVD化されています。そんな本作は、超個性派映像。作りは完全にレース・ドキュメンタリーで、“カレラ・パナメリカーナ・メヒコ”の全貌が描かれる。このレースは6日間かけて錚々たる50年代のヴィンテージ・カーが競う公道レースで、その走行距離は4000kmに及び、高低差は最大3000m。出場者も「このレースに比べれば、ル・マンもピクニック」と語るほどで、道中の故障やトラブルと闘いながら雄大な草原や街中、山道を駆け抜ける。行く先々では地元フェスティバルと出会い、チェックポイントでは互いに協力しながら車を直し……と、広大な旅路が描かれていく。音楽に興味のないカーマニア達からも「傑作ドキュメンタリー」と呼ばれる映像なのです。とは言え、逆に車に興味のないFLOYDファンの視点からも面白い。レースと車を愛する参加者たちのコメントも差し込まれているのですが、その中にはもちろんギルモアやニックの姿もある。そして、それ以上なのがバックに流れるPINK FLOYDの名曲群。『鬱』のナンバーに加え、書き下ろしの新曲も使用されました。これらの新曲は1991年11月にオリンピック・スタジオで録音されたもので、リチャード・ライトが再合流した最初のセッションしかも、未だにレコード化されていない貴重なもの。中には『狂気』以来となる3人の共作ナンバーもあります。ここで、そのセレクションをまとめておきましょう。 ●既発ナンバー(5曲)・鬱トラック:Signs of Life、Yet Another Movie、Sorrow、One Slip・ライヴトラック:Run Like Hell ●書き下ろし新曲(6曲)・ギルモア作:Country Theme、Small Theme、Big Theme、Mexico '78・3人の共作:Carrera Slow Blues、Pan Am Shuffle 貴重な新曲を聴けるだけでも嬉しいのですが、これがまた映像を見事に高めている。緊張感のあるリフがレースのスリルを描き、流れるメロディがグロリアスな高揚感を醸し、雄大なハーモニーが自然の光景に高揚感を添える。そして、悲痛な事故の哀しさ、出会いの喜び、ゴールへたどり着いたレーサー達の万感の想い……。古くからロックと映像の可能性を追い求めてきたPINK FLOYDだからこその表現力が素晴らしく、心からレースを愛するニックやギルモアだからこそレーサー達の心象も描かれるのです。音楽映像というよりはドキュメンタリー作品、PINK FLOYDというよりはカー・レース。しかし、そこにはPINK FLOYDにしか描けないダイナミズムがあり、LPやCDでは聴けない貴重な新曲群も盛り込まれている。こうした映像が一般リリースされていた事実自体に当時のロック業界の多彩さ、PINK FLOYDの巨大な存在感を感じずにはいられません。音楽にしか興味のない方にもFLOYDらしい音楽と映像の表現力が面白く、同時にカーマニアでもある方には錚々たるヴィンテージ・カーの勇姿に心躍らずにはいられない幻の公式ドキュメンタリー作品。 Taken from the original Japanese video 1. Intro 2. Run Like Hell 3. Pan Am Shuffle 4. Yet Another Movie 5. Sorrow 6. Parade 7. Interviews 8. Signs Of Life 9. Signs Of Life 10. Country Theme 11. Mexico 78 12. Big Theme 13. Run Like Hell 14. One Slip 15. Small Theme 16. Pan Am Shuffle David Gilmour Nick Mason Richard Wright Tim Renwick - Guitar Guy Pratt - Bass Jon Carin - Keyboards Gary Wallis - Percussion PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.64min.

Pink Floyd ピンク・フロイド/La Carrera Panamericana Japanese Video Ver.

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