20世紀最大の……いえ、人類音楽史上最大級となる超巨大イベント“LIVE AID”。1985年の夏を彩った、あの1日が鮮やかに甦る極上プロショットがリリース決定です。本作は、ゴールデンタイムの開演シーンから、日付の変わる頃に出演したブライアン・フェリーまでを再体験できる第1弾です。これまでも“LIVE AID”のプロショットは数々ご紹介して参りましたが、本作はワケが違う。このイベントは世界各国で生放送されたわけですが、本作は日本放送版。本作は、その第1弾にあたります。ただし、放送の完全形ではありません。本放送は約16時間に及ぶ長大なものでしたが、本作はそこから「洋楽」だけを選りすぐったもの。ショウをぶった切って差し込まれたCMや局スタジオでのタレントのおしゃべり、日本ミュージシャンのステージ等は極力排除(平成教育委員会のあの方の姿も少しは観られますが)。当時「いいから外タレのライヴを見せろ!」と思ったシーンが取り除かれ、美味しいシーンだけであの熱い1日を振り返るものなのです。 【開演シーンから進行していくリアルタイム感が素晴らしい第1弾】 本作最大のポイントは「1985年7月13日」のリアリティにあるわけですが、それを描くクオリティも絶大。当店では、国内の記録マニアから提供された超極上マスターで数々の音楽番組をアーカイヴしてきましたが、本作はその最新弾でもある。このマニアは当時から機材にも環境にもハイエンドを追究し、マスターの保存状態にも細心の注意を計る本物。そのクオリティは幾多の傑作番組で証明されてきましたが、本作はその中でも特級になるもの。現在では世界各国から“LIVE AID”の録画マスターが報告されているわけですが、本作のクオリティはズバ抜けている。デジタル放送など影も形もない時代にも関わらず、それこそ公式DVDにさえ肉薄する映像美なのです。さて、基本の話は以上にして本題。これがもう素晴らしすぎる。本作は全4作の1本目にあたり、収録されているのは11組。個別ではお気に入りのバンド/ミュージシャンで選ばれる方も多いと思います。ここで、本作の内容をカンタンに整理してみましょう。○20:01/STATUS QUO ○20:19/THE STYLE COUNCIL ○20:44/THE BOOMTOWN RATS ○21:17/ULTRAVOX ★22:01/ジョーン・バエズ ★22:45/ビリー・オーシャン ★22:55/BLACK SABBATH ○22:07/エルヴィス・コステロ○23:18/スティング&フィル・コリンズ ★22:32/FOUR TOPS ○0:08/ブライアン・フェリー(withデイヴ・ギルモア)※注:「○」印は英国ウェンブリー・スタジアム、「★」は米国JFKスタジアム。数字は開演時刻で日本時間。●その他:衛星放送で参加 MEN AT WORK(オーストラリア公演)B.B.キング(オランダ公演) ……と、このようになっています。ご存じの通り“LIVE AID”は「英国:ウェンブリー・スタジアム」と「米国:JFKスタジアム」の2カ所で同時開催され、その模様は雑多に混ぜられながら生放送。最初は英国で昼12:00に始まったわけですが、そのとき日本では夜20:00。上記の一覧では、それぞれの開演時刻(の日本時間)。これをご覧の通り、本作は開演シーンから日付の変わった深夜に出演したブライアン・フェリーまでを収録しているわけです。ただし、ずべてが英米の生放送というわけではなく、MEN AT WORKやB.B.キングは他国からの衛星中継ですし、エルヴィス・コステロやFOUR TOPSは収録放送らしく、順番が入れ替わっています。ゴールデンタイムにSTATUS QUOやBLACK SABBATHが放送されるリアルタイム感だけで34年前の夏の記憶が甦りますが、中身も日本放送ならでは。ビリー・オーシャンやFOUR TOPSだけでなく、各バンド/アーティストでも公式DVDで観られない名曲群がたっぷり収録されているわけですが、さらに当時の生放送感がたまらない。THE BOOMTOWN RATSの「Drag Me Down」が「ラット・トラップ」と間違えられ、ULTRAVOXのステージが「One Small Day」の途中でぶった切られる残念感も今は懐かしい。そして、ジャック・ニコルソンによって紹介されるジョーン・バエズ。「世界の皆さん、おはようございます」と語り出すのですが、現場のJFKスタジアムは朝9時ではあるものの、日本は夜22時。この衛星放送感、世紀のイベントを同時体験していた感激が甦る。さらに言えば、ここで聞かれる同時通訳も素晴らしい。番組では男性と女性それぞれで通訳を変えているのですが、女性通訳の力量が圧倒的。ジョーン・バエズがイベントの意義を長々とスピーチしていても、まるで事前に原稿があるかのように淀みなく日本語にしていく。その間もジョーンは早口でしゃべり続けているのに。それに対し、男性通訳は「こんにちは、みなさん」など、訳さなくてもいい事を言いながら追いつけなくなっている。そんな女性通訳のプロの技に圧倒されるのも、日本放送ならではの、生放送ならではの醍醐味です。QUEENの映画『ボヘミアン・ラプソディ』によって再び注目を集めている“LIVE AID”。しかし、たとえ映画がなかったとしても、20世紀最大のイベントだった事には違いない。いや、80年代は人類史上もっとも大衆音楽が隆盛を極めた時代。つまり、“LIVE AID”こそが人類史最大級の音楽祭だったのです。そんな世紀のイベントをリアルタイム感いっぱいに体験できる大傑作。 Wembley Stadium, London, UK / JFK Stadium, Philadelphia, USA 13th July 1985 1. Coldstream Guards "Royal Salute" Status Quo 2. Rockin' All Over The World 3. Caroline The Style Council 4. You're The Best Thing 5. Big Boss Groove The Boomtown Rats 6. I Don't Like Mondays 7. Drag Me Down 間違って ラット・トラップと出る Men At Work オーストラリア衛星放送 8. Overkill Ultravox 9. Reap The Wild Wind 10. Dancing With Tears In My Eyes 11. One Small Day途中ズバッと切れてスタジオ映る Joan Baez 通訳 女性上手い 最高 12. Jack Nicolson Introduction 13. Amazing Grace B.B. King オランダより衛星放送 14. Why I Sing The Blues / Don't Answer The Door Billy Ocean 15. Caribbean Queen 16. Loverboy Black Sabbath 17. Children Of The Grave 18. Iron Man 19. Paranoid Elvis Costello 20. All You Need Is Love Sting & Phil Collins 21. Roxanne 22. Against All Odds (Take a Look at Me Now) 23. Message In A Bottle 24. In The Air Tonight 25. Long Long Way To Go Four Tops 26. It's The Same Old Song 27. Reach Out I'll Be There 28. I Can't Help Myself (Sugar Pie, Honey Bunch) Bryan Ferry (with David Gilmour) 29. Sensation 30. Boys And Girls 31. Slave To Love 32. Jealous Guy PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.125min.