大幅にヴィジュアルを変えてまで全米制覇の野心を燃やしたゲフィン時代のカヴァデール。その極北となる「SLIP OF THE TONGUE」ツアーは、やはり映像で観てこそ、イメージが完成するというもの。同ツアーではオフィシャルDVD「LIVE AT DONIGTON 1990」もありますが、あれは時期も場所も遠い英国フェスティバル。本作こそが相応しいというものでしょう。再生すると、いかにもビデオからDVD化した画質ですが、その発色は非常に自然。DAVE LEE ROTH BANDで“黄緑とピンク”に目覚めたスティーヴ・ヴァイの衣装もハッキリと見え、見どころへの素早く寄っていくズームも多用されている。この鮮やかな見応えが特に嬉しいのは、ヴァイのソロタイム。オフィシャルでさえ彩度の低い映像で地味な印象でしたが、本作では、証明に輝くミラーコーティングのギターも眩しく、「あ、この衣装は紫だったんだ」「ストラップまで緑だよ」と改めて気付くほどです。曲間さえも見どころ。映像だからジェスチャーまで分かり、オーディエンス撮影だから客の反応もよく分かるのです。客ノセの天才カヴァデールが、彼の人生の中でもっとも熱狂的なオーディエンスと対峙している……。そしてライターの灯火が海原のように広がり、大合唱に包まれる「Here I Go Again」の感動。あぁ、このシーンがドニントンでも撮影されていたら、どれほど素晴らしかっただろうか……。北欧の魔術師が本場アメリカで目にした光景とは、彼がテープを回しながら呼吸していた空気とは、どんなものだったのか。それが画面一杯に広がるリアル・ドキュメンタリーです。「SLIP IN LAGUNA HILLS」「SLIP IN SAN DIEGO」をイメージ豊かに楽しむにも、全米を支配したカヴァデールがいかに凄かったのかを知るにも、最適のオーディエス映像。 Live at Myriad Arena, Oklahoma City, Oklahoma, USA 1st May 1990 1. Slip Of The Tongue 2. Slide It In 3. Judgment Day 4. Slow An' Easy 5. Is This Love 6. Kitten's Got Claws 7. Adrian Vandenberg Solo 8. The Deeper The Love 9. Cheap An' Nasty 10. Crying In The Rain 11. Tommy Aldridge Solo 12. Crying In The Rain(reprise) 13. Fool For Your Loving 14. Steve Vai Solo 15. Here I Go Again 16. Bad Boys incl. Children Of The Night 17. Give Me All Your Love 18. Still Of The Night 19. We Wish You Well David Coverdale - Vocals Steve Vai - Guitar Adrian Vandenberg - Guitar Rudy Sarzo - Bass Tommy Aldridge - Drums COLOUR NTSC Approx.113min.