大人気“黄金の洋楽ライブ”復刻シリーズの最新弾。今回はロック界の大物が大挙して登場するチャリティ・イベント“THE SECRET POLICEMAN'S BALL”の特集回です。“THE SECRET POLICEMAN'S BALL”とは、人権団体アムネスティ・インターナショナルの資金調達のために開かれたイベントで、1976年から2012年まで不定期に開催されました。その模様はオフィシャルの映像作品にもなっていますが、本作は某放送局の人気番組“黄金の洋楽ライブ”による放送版。番組独自の解説コーナーや日本語テロップも付いた番組独自バージョンです。当店では、これまでもさまざまなアーティスト/バンドを特集した“黄金の洋楽ライブ”をお届けしてきましたが、本作はその最新弾。これまでと同じマニアによる極上マスターを使用しており、完全オフィシャル級クオリティで貴重なパフォーマンスの数々をお楽しみ頂けます。今回の“THE SECRET POLICEMAN'S BALL特集”は、大きく2部構成。前半には1987年の“The SECRET POLICEMAN'S THIRD BALL”から7曲を集中的に放送し、後半には1979年/1981年/1991年の3回分からハイライト映像を数曲ずつ収録しています。ここで出演バンド/アーティストを整理しておきましょう。 ●番組前半:1987年(6組)・ERASURE、DURAN DURAN、デヴィッド・ギルモア&ケイト・ブッシュ、ルー・リード、チェット・アトキンス&マーク・ノップラー、ピーター・ガブリエル ●番組後半・1979年(2組・3曲):フィル・コリンズ、ピート・タウンゼンド ・1981年(3組・4曲):スティング、ボブ・ゲルドフ、エリック・クラプトン&ジェフ・ベック ・1991(6組):トム・ジョーンズ、リサ・スタンスフィールド、SPINAL TAP、シール、ダリル・ホール、モリッシー ……と、このようになっています。メインの1987年編は始動間もないERASUREで華やかにスタートし、『NOTORIOUS』時代のDURAN DURANやライヴ自体が貴重なケイト・ブッシュ、アコギ2本だけで「Imagine」を奏でるアトキンス&ノップラー、『SO』で一世を風靡していたピーター・ガブリエル等々。豪華なメンバーが次々と登場し、特別パフォーマンスを繰り広げるのです。後半は時系列ではなく1曲ずつの映像をランダムに構成。そのため、約10年幅を行き来するのですが、その豪華ぶりはかの“LIVE AID”を思い起こさせる。トム・ジョーンズのバックにはデイヴ・ギルモアがギターを弾いていますし、えらくテンションの高いジェフ・ベックとエリック・クラプトンのツイン・ギターも極上プロショットで楽しめます。正直、10年幅で時代を行き交う構成は見づらいかと思いきや、ここで嬉しいのが日本語テロップ。1曲1曲で番組独自のアーティスト紹介や曲説明が入り、非常に分かりやすくなっています。番組独自と言えば、ライヴ・シーンの合間に挟まる解説シーンも見どころ。この番組は内容に沿った著名人を迎えて解説するのですが、この回で案内人を務めるのは土屋○巳氏。同時代のミュージシャンというだけではなく、80年代中期にはのサイモン・ル・ボン、ニック・ローズ、ロジャー・テイラーとARCADIAを組み、90年代には英国へも移住するほど英国ロックに入れ込んでいる人物。それだけに、現地エピソードがとにかく面白いのです。例えば、ARCADIAのレコーディング裏話。「ここに“ひゅーひゅー”したギターが欲しいね」という話が出たところで「“ひゅーひゅー”と言ったらPINK FLOYDだよな」となり、ギルモアに電話。翌日には当人がスタジオに来てギターを入れたそう。擬音「ひゅーひゅー」も分かるような分からないような感じではありますが、いくらFLOYDっぽいからって、いきなり本人登場とは……。さらには「ここのコーラス高すぎるよ。誰か高く歌える人いない?」となったら、スティングがやって来て歌って行ったという……。土屋氏も「夢のようだった」と語っていますが、まさに英国ロックの現場体験を垣間見せてくれるのです。また、ジェフ・ベックのエピソードも驚き。土屋氏とジェフのリハーサル・スタジオが同じになったらしく、「彼は友達がいないのか、いつもコージー・パウエルと2人だけでセッションしていた」と証言している。具体的に何年の話か分かりませんが、ARCADIA時代の80年代半ばにしろ、ロンドン移住後の90年代にしろ、ジェフとコージーが再び組んでいたとは……。その意外さだけでなく、英国シーンの現場感がリアルに語られるのです。名作映像の数々を特集する“黄金の洋楽ライブ”シリーズ。その中でもチャリティ・イベントならではの豪華なステージをたっぷり楽しめる傑作プロショットです。英国シーンのリアリティも滲む解説も必見の1枚。 Broadcast Date: 2nd August 2008 (88:54) The Secret Policeman's Third Ball 1987 Live at the Palladium, London, UK 9th September 1987 1. Intro 2. Erasure / Victim Of Love 3. Duran Duran / Save A Prayer 4. David Gilmour & Kate Bush / Running Up That Hill 5. Lou Reed / Tell It To Your Heart 6. Chet Atkins & Mark Knopfler / Imagine 7. Peter Gabriel / Biko 8. MC The Secret Policeman's Ball Highlights 1979-1991 9. Tom Jones / I Can't Turn You Loose (Central Independent Television Studios, Nottingham, 1991) 10. Sting / Roxanne (Theatre Royal, Drury Lane, London 1981) 11. Phil Collins / In The Air Tonight (Her Majesty's Theatre, London 1979) 12. Pete Townshend / Pinball Wizard (Her Majesty's Theatre, London 1979) 13. Bob Geldof / I Don't Like Mondays (Theatre Royal, Drury Lane, London 1981) 14. Eric Clapton & Jeff Beck / Further On Up The Road (Theatre Royal, Drury Lane, London 1981) 15. Sting / Message In A Bottle ((Theatre Royal, Drury Lane, London 1981) 16. Lisa Stansfield / All Woman (Central Independent Television Studios, Nottingham, 1991) 17. Pete Townshend / Won't Get Fooled Again (Her Majesty's Theatre, London 1979) 18. Spinal Tap / Big Bottom (Central Independent Television Studios, Nottingham, 1991) 19. Seal / Hey Joe (Central Independent Television Studios, Nottingham, 1991) 20. Daryl Hall / What's Going On (Central Independent Television Studios, Nottingham, 1991) 21. Morrissey / We Hate It When Our Friends Become Successful (Central Independent Television Studios, Nottingham, 1991) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.89min.