今から(何と!)19年前、ジョンの命日に合わせてBSで放送されたスペシャル・プログラム内において、当時彼の最新映像ソフトだった「GIMME SOME TRUTH」を放送したバージョンを収録したDVDです。もちろん当時のソフトをそのまま放送しているので、字幕などは元のまま。また当時はハードディスクでの録画はもとより、DVDレコーダーすら存在しなかった時代ですので、番組はビデオテープで録画されています。しかし元の「GIMME SOME TRUTH」自体がDVDソフトとしては黎明期のアイテムに属するもので、ブルーレイだの4KだのといったHD画像がポピュラーになった今では、思いのほか粗い画質に映るもの。それをビデオで録画したものなので、画質に関しては劣化感が否めません。ここで注目すべきは、放送に際して改めてオノ・ヨーコにインタビューしているという点でしょう。ここで聞かれる彼女の証言は重要なものが多い。例えば元々ジョンの提案でレコーディングを撮影しようと始まったものの、いざ撮り終えてみたら彼が「レコーディング作業なんて誰も見たがらないよ」と心変わりして丸々フィルムがお蔵入りしていていたというのです。その代わりにミュージック・フィルム・アルバムの先駆けともいえる「IMAGINE」が作られたのも合点がいく証言でしょう。とはいえビートルズ時代に映画「LET IT BE」でレコーディングが撮影されることを快く思っていなかったジョンが、そのような提案をした挙句にお蔵入りしたというのが何とも彼らしい。さらに88年の映画「IMAGINE: JOHN LENNON」でも使われていた、今で言うところのストーカーを家に招いて食事させる場面に関しても、ヨーコは当時の自分たちが「ナイーブ」であったことを認め、実はそれ以前にも女性が押し掛けてきて接待してあげた挙句、恩を仇で返すような目に遭ってしまったという証言まで聞かれます。よって映像本体よりも、ここで見られる2000年当時のヨーコのインタビューこそが非常に価値の高い放送だと言えるでしょう。もっとも、このドキュメントを見たことのないマニアに申し上げておきますと、イエス加入前で1969年のトロントでのフェス出演の時からジョンとの付き合いのあった、若きアラン・ホワイトがセッション・ドラマーとして参加しています。「Imagine」のレコーディング・シーンにおける、その驚くほどの美青年ぶりは見どころの一つです。 The Making of John Lennon's Imagine Album Broadcast Date: 8th December 2000 1. Interview with Yoko Ono Pt.1 ★ Gimme Some Truth 2. Introduction 3. Imagine 4. Crippled Inside 5. Oh Yoko! 6. Jealous Guy 7. It's So Hard 8. I Don't Wanna Be A Soldier Mama I Don't Wanna Die 9. Gimme Some Truth 10. Oh My Love 11. How Do You Sleep? 12. How? 13. Imagine 14. Ending Credit (Look At Me) 15. Interview with Yoko Ono Pt.2★ 16. Imagine PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.78min.