『RATTLE AND HUM』の大ヒットを受けて行われた“LOVETOWN TOUR”。その光景を伝える貴重なプロショットがリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「1989年9月27日シドニー公演」。そのマルチカメラ・プロショットです。“LOVETOWN TOUR”は来日公演も含むワールド・ツアーではありましたが、通常とは異なっていました。そのメインとなったのはオセアニア。特にオーストラリアはU2史上最大のツアーが組まれました。まずは、その全景からショウのポジションを確かめてみましょう。 ●1989年・9月21日-10月28日:豪州#1(20公演)←★ココ★・11月4日-11日:ニュージーランド(4公演)・11月17日-19日:豪州#2(3公演)・11月23日-12月1日:日本(6公演)・12月11日-31日:欧州(10公演)●1990年・1月5日-10日:オランダ(4公演) これが“LOVETOWN TOUR 1989-1990”の全47公演。このツアーは1つ前の“THE JOSHUA TREE TOUR 1987”で訪れなかった国や都市を重点的に巡っており、その結果オセアニアや日本公演がメイン。特にオーストラリアはツアーの約半分となる23公演に及び、U2に限らず、彼の地でも類を見ない巨大なツアーとなりました。シドニーだけでも8公演が行われ、本作はその初日。上の日程で言うなら「豪州#1」の4公演目にあたるコンサートでした。そんなショウから生まれた本作は、ズームが多用された密着プロショット。通常のコンサート映像とは異なり、現地のテレビ局“Channel 10”のニュース番組用に撮影されたもの。その3rdジェネ・マスターからDVD化されています。このツアーからはドキュメンタリー映像(通称:LOVETOWN DOCUMENTARY)も有名ですが、それに使用されているのは“11月18日”のショウ。本作はそれとは別公演であり、ドキュメンタリーのない純粋なライヴ映像です。ニュース番組用のせいか7曲・約24分と短めではあるものの、そのクオリティは堂々たるもの。3rdジェネだけに「オフィシャル級」とは呼べない画質ではあるのですが、それを補ってあまりあるのがカメラワーク。ニュース番組用とは言っても、見どころが分かってない日本番組とはまったく違い、ボノを中心に各メンバーの表情や手元にガンガン寄りまくる。正直なところ、あまりにもアップだらけで会場のスケール感がさっぱり分からないのですが、その代わりステージの様子は徹底的に描かれ、アナログ質感の画質ではあってもまったく問題にならないほど超接近するのです。そんな映像で描かれるのは、全盛の風を全身に浴びた4人。「Pride (In The Name Of Love)」以外はすべて『RATTLE AND HUM』ナンバーで占められていますが、その中でも美味しいのはトップの「Hawkmoon 269」。このツアーでしか演奏されていないだけでも貴重なのですが、さらに来日公演前にセット落ちしてしまったレア曲です。そして、終盤の見どころは「When Love Comes To Town」。こちらは日本でも実現した御大B.B.キングとの共演が目の前で繰り広げられるのです。来日の目前に控えた全盛期のU2。その姿にマルチカメラで密着する映像作品です。 Live at Entertainment Center, Sydney, Australia 27th September 1989 PRO-SHOT 1. Hawkmoon 269 2. Desire/Love is Not Fade Away/Rock and Roll Band/Desire 3. All Along the Watchtower 4. Angel of Harlem 5. When Love Comes to Town 7. Pride PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.24min.