第二回からまた3年後に開催された第三回の「クロスロード・ギター・フェスティバル」の衛星放送されたハイライトを収録したのが本盤です。回を重ねるごとにシーンでブレイクした若手ギタリストが台頭してきた感のある第三回です。ドイル・ブラムホール二世、ゲイリー・クラーク・ジュニア、ケブ・モー、ジョニー・ラングらが自らのセットの傍ら、先輩ギタリストのステージに参加しています。ジョン・メイヤーもデレク・トラックスも前回に続き出演しています(トラックスのステージには、奥さんのスーザン・テデスキも登場)。ジョン・メイヤーは、ベースに超一流のセッションマン、ピノ・パラディーノ、ドラムにキース・リチャーズとの共演歴、クラプトンバンドの在籍歴もある一流ドラマー、スティーヴ・ジョーダンを従えたトリオでの出演です。最少編成による研ぎ澄まされたパフォーマンスが捉えられています。こうしてみると、大先輩から若手の後輩まで、広く慕われているクラプトンの立ち位置が分かるような気がします。そのクラプトンのステージには、前回に続きスティーヴ・ウィンウッドが参加し、再び共演しています。この年にはウィンウッドがキャリア初期にオルガンで参加したジミ・ヘンのVoodoo Chileを、ジミ・ヘンと親友だったクラプトンと共に披露しています。こうした感慨深いステージもあれば、バリバリの若手の活きのいいステージも観ることができるのがこのフェスティバルの特長です。ソニー・ランドレスは、クラプトンの表現を借りれば、「世界で最も無名な、世界最高のスライドギタリスト」で、彼のような人が埋もれていることに心を痛めたクラプトンが当フェスへの出演を要請したとのことです。そして当フェスでもきっちりクラプトンがサポートしてあげています。その甲斐あって、ランドレスはこのフェス以降世界的に評価が高まり、知られるようになりました。主催者のクラプトンとすれば、自身の事業への資金調達という目的以外にもブルース、カントリー界の新旧交流、活性化を視野に入れていたのでしょう。クラプトン自身もいろいろなギタリストと共演することを楽しんでいるのが伝わってきます。エルヴィス・プレスリーの専属ギタリストだったジェームズ・バートンやストーンズのロニー・ウッドの顔もちらりと見られるのも嬉しいところです。第三回にはこの回だけの見所が詰まっています。 Toyota Park, Bridgeview, Illinois, USA 26th June 2010 PRO-SHOT 1. Promise Land (Sonny Landreth with Eric Clapton) 2. Waiting For The Bus (ZZ Top) 3. In My Time Of Dying (Doyle Bramhall II) 4. Don't Owe You A Thang (Gary Clark Jr.) 5. Our Love Is Fading (Sheryl Crow with Eric Clapton, Doyle Bramhall II & Gary Clark Jr.) 6. Lay Down Sally (Vince Gill with Sheryl Crow, Keb' Mo', Albert Lee, James Burton & Earl Klugh) 7. Who Did You Think I Was (John Mayer Trio) 8. Midnight Harlem (Derek Trucks & Susan Tedeschi Band with Warren Haynes, David Hidalgo, Cesar Rosas & Chris Stainton) 9. Space Captain (Derek Trucks & Susan Tedeschi Band with Warren Haynes, David Hidalgo, Cesar Rosas & Chris Stainton) 10. Five Long Years (Buddy Guy With Jonny Lang & Ronnie Wood) 11. Hammerhead (Jeff Beck) 12. I Shot The Sheriff (Eric Clapton) 13. Had To Cry Today (Steve Winwood & Eric Clapton) 14. Voodoo Chile (Eric Clapton & Steve Winwood) 15. Ending PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.97min.