全世界に衝撃をまき散らしているフレズノのヴィンテージ映像シリーズ。そのVAN HALEN編の第2弾が登場です。オーディエンス・ショット黎明期であった70年代の貴重映像にして、とんでもないクオリティが大絶賛のシリーズ。先日はその第1弾として3タイトルをご紹介し、そこでもVAN HALENは大人気でした。本作もまた同じシリーズながら前作とはまったく異なるもの。前作がデビューアルバム『炎の導火線』時代だったのに対し、本作は『伝説の爆撃機』時代の映像。「1979年3月25日フレズノ公演」のオーディエンス・ショットです。そんな本作最大のポイントは前回を超えるクオリティにあるわけですが、まずはショウのポジション。“WORLD VACATION TOUR 1979”の全体像から振り返ってみましょう。《3月23日『伝説の爆撃機』発売》・3月25日-6月10日:北米#1(51公演)←★ココ★・6月14日-29日:欧州(12公演)・7月5日-8月26日:北米#2(31公演)・9月3日-13日:日本(7公演) ・9月18日-10月7日:北米#3(12公演)《12月『暗黒の掟』制作開始》 これが1979年のVAN HALEN。前作『FRESNO 1978: THE VIDEO』からちょうど半年後にフレズノに戻ってきたわけですが、今回はイの一番。『伝説の爆撃機』発売からわずか3日後となるワールド・ツアー初日のコンサートでした。そんなショウを記録した本作は、前作に負けず劣らず……と言いますか、ハッキリ言って勝っているからド肝を抜かれる。シリーズの基本は他作品の解説に譲るとして、ビデオを超えるフィルム画質も、フィルム撮影の常識を超えた1カットの長さも前作同様ですが、さらに強烈なのは音声。『FRESNO 1978: THE VIDEO』を体験された方なら、前作も70年代オーディエンス録音の常識外なサウンドをご存じだと思いますが、本作はさらに凄い。前作は猛烈クリアではあっても音色には客録の証が刻まれ、特にスネアには否定しがたい軽さがありました。それに対し、本作はクリアな上に濃密。距離感などまるで感じられない極太な芯が耳元に飛びこみ、音色にすらオーディエンスらしさが感じられません。これは前作より優れているだけではありません。実のところ、このショウは以前からオーディエンスの名録音も知られてきたのですが、その既発サウンドよりも素晴らしい。そうした既発ライヴアルバムは力強くとも重低音が潰れていましたが、本作の音声は隅々まで端正でダイヤモンド・デイヴのシャウトは伸びに伸び、マイケルのコーラスも超美麗。そして、エディのギターワークはささやかなカッティングまで恐ろしく鋭い。しかも、圧倒的にナチュラル。イコライジングで音圧を引き上げたわけでもなければ、エッジを強調したのでもない。鋭くシャープでありながら耳に突き刺さることもなければ、ピークが歪むこともない。ただひたすら、録音の良さとマスター鮮度だけで描かれる鮮やかさなのです。あまりのサウンド・クオリティに思わず音の話ばかりになってしまいましたが、映像も凄い。何よりも目を惹くのが明るさ。現場は前作と同じ“セランド・アリーナ”なのですが、デビュー作の成功が反映されたのか、前作よりも照明が豪華でやけに明るい。その光景の中でグイグイと迫るズームは微細部までハッキリと見え、振り乱れるデイヴのブロンドもエディのあの笑顔もバッチリ。それこそプロショットの1アングルかのような映像美なのです。そんなクオリティで描かれるショウは、百の言葉を並べるよりも実際にご覧頂くのが一番でしょう。『伝説の爆撃機』レパートリーも導入されてバラエティ豊かになっただけでなく、全世界を巡った経験がスケール感に直結し、とんでもなくダイナミック。1984年まで世界を熱狂させ、現代も並ぶ者のないアメリカンHRの極地が完成しているのです。デビュー直後の姿を捉えた『FRESNO 1978: THE VIDEO』も十分すぎる衝撃でしたが、本作のクオリティはさらに数段上回る。そんな映像美と超極上音声で本領爆発のVAN HALENを約32分に渡って堪能できてしまう衝撃映像です。前作に刮目された方はさらなる美しさに瞳孔が開き、初めての方は『FRESNO 1978: THE VIDEO』も欲しくなること間違いナシの大傑作。 Live at Selland Arena, Fresno, CA, USA 25th March 1979 AMAZING SHOT!!!!! 1. Intro 2. Light Up the Sky 3. Somebody Get Me a Doctor 4. Runnin' With the Devil 5. On Fire 6. Bass Solo 7. Feel Your Love Tonight 8. Ain't Talkin' 'Bout Love 9. Guitar Solo 10. D.O.A. 11. You Really Got Me 12. Bottoms Up! David Lee Roth - Vocal Eddie Van Halen - Guitar Michael Anthony - Bass Alex Van Halen - Drums COLOUR NTSC Approx.32min.