ピーター・フランプトンやミック・フリートウッドも参加し、世界を魅了したスティーヴィー・ニックスの“ROCK A LITTLE TOUR”。その象徴でもある極上プロショットが登場です。そんな本作に収められているのは「1986年6月25日モリソン公演」。デンバーの観光名所でもある“レッドロック野外劇場”で撮影されたマルチカメラ・プロショットです。この映像は公式作品『LIVE AT RED ROCKS』としても知られ、グラミー賞にもノミネートされた名作中の名作。しかし、本作はそんな公式品のコピーではありません。2010年に某衛星放送局の人気番組“洋楽ライブ伝説”で特集されたもの。番組独自の前説コーナーや日本語字幕も完備された日本放送バージョンです。その内容に触れる前に、まずはショウのポジション。ソロとしては“WILD HEART TOUR”と並んでキャリア最大級だった“ROCK A LITTLE TOUR 1986”の全体像から確かめてみましょう。・4月11日-5月11日:北米#1(16公演) ・5月30日-6月29日:北米#2(17公演)←★ココ★・7月13日-8月28日:北米#3(21公演)・9月24日-10月6日:豪州(8公演) これが1986年ツアーの全景。一応ワールド・ツアーではありますが、実際には米国・カナダ・オーストラリアの3ヵ国のみ。本作のモリソン公演は、そのちょうど真ん中に辺りとなる「北米#2」の14公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを伝える本作は、元が公式作品だけあって完全オフィシャル級。しかも、放送が2010年という事もあって放送も録画も完全デジタル。放送局マスターの映像美を劣化ゼロでDVDに封じ込めている。しかも、前述の通り本作はグラミーにノミネートされた名作。そのカメラワークは空撮まで交えた豪華さで、多彩なカットを織り上げる編集も豪華絢爛(野外会場の空に巨大な稲妻を重ねていたり、明らかに後からスタジオ撮影したドアップを透かしたり。時代がかった演出が次々と出てくるのですが、それがチープに見えないクオリティが凄い)。さらに言えば、ミックスやサウンド・クオリティも名盤級という、80年代でもトップ・クラスの超傑作映像なのです。まさに時代の最先端を体現した映像美で描かれるのは、FLEETWOOD MACとはまったく異なる“ソロのスティーヴィー”。約1時間で全9曲と短めではあるもののの、そこにはソロ作からのヒット曲を濃縮還元。ここで、そのセレクトも整理しておきましょう。ソロ(7曲)・BELLA DONNA:Outside the Rain/Edge of Seventeen・THE WILD HEART:Beauty and the Beast/Stand Back・ROCK A LITTLE:Talk to Me/No Spoken Word/Has Anyone Ever Written Anything for You? その他(2曲)・Dreams『Rumours』/I Need to Know(トム・ペティ&THE HEARTBREAKERS)……と、このようになっています。FLEETWOOD MACの「Dreams」とトム・ペティのカバー以外はすべてソロ・ナンバー。女声コーラス隊も交えた11人に及ぶ大所帯のバックバンドを従えたステージも、カメラ目線でヒット曲を熱唱する表情もポップスター然としている。もちろん、その歌声はどこまでも素晴らしく、あの声色はポップなメロディでも甘くなりすぎず、切々と歌う「Beauty and the Beast」や「Has Anyone Ever Written Anything for You?」の震えるヴィヴラートが胸をえぐる……。また、マルチカメラだからこそミック・フリートウッドやピーター・フランプトンの姿もばっちり。当時のフランプトンと言えば、シングル『Lying』が久々のヒットを記録し、翌年にはデヴィッド・ボウイの“GLASS SPIDER TOUR”にも参加している時期。ポップな世界にピタッとハマりながら熱くロックするギターを聴かせてくれるのです。ソロシンガーとしてもプラチナム・ヒットを重ね、シーンに君臨していた80年代のスティーヴィー・ニックス。その象徴となる音楽映像の名作です。当時はすでにマドンナもシンディ・ローパーもブレイクしていたわけですが、先達でありつつ同じ土俵で輝いていた彼女。 Live at Red Rocks Amphitheatre, Morrison, CO, USA 25th June 1986 PRO-SHOT Broadcast Date: 28th July 2010 (59:42) 1. VJ Intro 2. Intro 3. Outside the Rain 4. Dreams" 5. Talk to Me 6. I Need to Know 7.No Spoken Word 8.Beauty and the Beast 9. Stand Back 10. Has Anyone Ever Written Anything for You? 11. Edge of Seventeen Stevie Nicks - vocals, tambourine Waddy Wachtel - guitar Peter Frampton - guitar★ Mick Fleetwood - drums, percussion★ Jennifer Condos - bass Bobby Martin - horn, keyboards, background vocals Jai Winding - keyboards Bobbye Hall - percussion Rick Marotta - drums Sharon Celani - background vocals Lori Perry-Nicks - background vocals Elesecia Wright - background vocals PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.60min.