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Suzanne Vega スザンヌ・ヴェガ/Germany 1990

意欲作『DAYS OF OPEN HAND』でさらにディープな世界へと踏みこんでいった1990年のスザンヌ・ヴェガ。そのステージを絶景体験できる衝撃映像が登場です。そんな本作が撮影されたのは「1990年12月16日ミュンヘン公演」。その一部始終を目撃できる極上オーディエンス・ショット……です、一応。「一応」も何も確実にオーディエンス・ショットなのですが、思わずそう付けてしまいたくなるほどの凄まじいクオリティ。シレッと「ワンカメのプロショットです」と言い切ってしまいくらいの極上映像なのです。そんな超絶クオリティの前に、まずはショウのポジション。『DAYS OF OPEN HAND』リリース後に世界を巡ったツアー・スケジュールを振り返ってみましょう。《4月10日『DAYS OF OPEN HAND』発売》・4月14日-6月2日:欧州#1(33公演)・6月8日-7月11日:北米#1(9公演)・9月15日-10月12日:北米#2(3公演)・11月2日-25日:欧州#2(11公演)・12月13日-16日:欧州#3(4公演)←★ココ★ これが1990年のスザンヌ・ヴェガ。母国アメリカよりも精力的にヨーロッパでライヴを行っており、その中心地はイギリスとドイツ。本作のミュンヘン公演は、そんなツアーの最終盤「欧州#3」の千秋楽にあたるコンサートでした。さて、本題。そんなショウで記録された本作は、まさにド肝を抜く極上のオーディエンス・ショット。冒頭45秒ほど静止画ですし、映像が入ってもブレブレで一瞬「こりゃダメか……」と思うのですが、実はとんでもない。1曲目「Rusted Pipe」の途中から安定し始め、2曲目「Tired Of Sleeping」が始まる頃には凄い光景が広がっている。右に画面キャプチャーも掲載していますが、とにかくスザンヌが超アップ! 実のところ、あまりにもアップばかりで観客の姿が見えず、撮影ポジションが分からないくらい。角度はステージのやや左寄りで、高さはスザンヌとほぼ同じ目線……その両方を総合すると、左側スタンド席?とも思いますが……。正直、揺れる髪の毛や手にしたギター弦の1本1本までくっきり美しいズームからすと、スタンド席とも断じがたい。ポジションの真実はさておき、まるで会場設営カメラによるワンカメ・プロショットのような映像美だけは紛れもない現実です。その映像に輪をかけて凄いのがサウンド。とにかく超クリア&ド密着。曲間に沸き上がる生々しい喝采からしてオーディエンス録音だと分かりますが、まったく距離要素のない輪郭も力強い芯もオーディエンスの常識外。ドラムの打音ピークなどで極わずかに歪むこともあるものの、綺麗なセパレートもちょっとしたシンセの粒立ちもオフィシャル作品級ですし、何よりスザンヌのヴォーカルが凄い。歌詞の一語一語どころか一語のニュアンスまで克明であり、「これで客録!?」と思うほど吐息レベルの歌声が耳元で囁くのです。そんなクオリティで描かれるのは、アルバム3枚で積み上げてきた彼女一流の音楽世界。ここで 街角の詩(7曲)・Straight Lines/Marlene On The Wall/Some Journey/Freeze Tag/Neighborhood Girls/Undertow/The Queen And The Soldier 孤独(ひとり)(6曲)・Ironbound/Fancy Poultry/Luka/Solitude Standing/Tom's Diner/Wooden Horse (Caspar Hauser's Song)/Gypsy 夢紡ぎ(8曲)・Rusted Pipe/Tired Of Sleeping/Room Off The Street/Those Whole Girls (Run In Grace)/Pilgrimage/Institution Green/ Book Of Dreams/Men In A War その他・The Wallaby Song/Left Of Center ……と、このようになっています。最新作の『夢紡ぎ』と『街角の詩』を軸としつつ、初期3枚を濃縮還元。次作からダンスビートやインダストリアルも導入していくわけですが、その前に完成した独特の世界が描かれていく。「Rusted Pipe」や「Those Whole Girls (Run In Grace)」「Institution Green」「Book Of Dreams」など、その後はあまり演奏しない貴重なレパートリーもたっぷりと見られるのです。そして、ちょっと面白いのが「Tom's Diner」。観客の手拍子やスキャットだけをバックに歌うのですが、途中で歌詞をド忘れ。「あれ? なんだっけ……」といった感じで止まりつつ、鼻もげらな歌詞で悪戦苦闘しているのです。普通なら曲自体が崩壊するほどのグダグダなのですが、曲が曲だけに観客の手拍子は止まらず、キュートな困り顔とスポンティニアスなムードが微笑ましいくらいで、盛大に盛り上がってしまうのです(それにしても、これほどの大代表曲でも忘れる事もあるんですね)。とにもかくにも「超」をズラズラ並べたくなる極上の映像美とサウンド。そんなクオリティでスザンヌの音楽世界を絶景体験できてしまう映像傑作です。数々のヒット曲で世界を席巻し、その上で更なる深遠な世界に踏みこんでいった1990年のフルショウ。 Deutsches Museum, Munich, Germany 16th December 1990 AMAZING SHOT (107:50) 1. Ansage/Rusted Pipe 2. Tired Of Sleeping 3. Straight Lines 4. Ironbound/Fancy Poultry 5. Marlene On The Wall 6. Some Journey 7. Room Off The Street 8. Freeze Tag 9. Munichs Sexyland 10. Neighborhood Girls 11. Undertow 12. Wallaby Song (Children's Traditional Song) 13. Those Whole Girls (Run In Grace) 14. Pilgrimage 15. Luka 16. Institution Green 17. Left Of Center 18. Solitude Standing 19. Book Of Dreams 20. Men In A War Encore: 21. The Queen And The Soldier 22. Tom's Diner Beat (Lost Words Of The Song) 23. Wooden Horse 24. Gypsy Suzanne Vega - Vocals, Guitar Anton Sanko - Keyboards, Guitar Mark Schulman - Guitar Mike Visceglia - Bass Frank Vellarde - Drums COLOUR NTSC Approx.108min.

Suzanne Vega スザンヌ・ヴェガ/Germany 1990

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