ロック史上に燦然と輝くVAN HALENの最終章となったデイヴッド・リー・ロスとの再結成。スタジオ遺作『A DIFFERENT KIND OF TRUTH』に伴うツアーを極上体験できる映像作品が登場です。現在、エディ・ヴァン・ヘイレン突然の訃報に世界中に悲しみが広がっておりますが、本作はそんな今だからこそぜひ触れていただきたい超傑作。当時、世界中のマニアから「ツアーベスト映像!」と絶賛を集めた「2012年2月22日インディアナポリス公演」のオーディエンス・ショットです。VAN HALENの歴史はデイヴとの再結成によって有終の美を飾ったわけですが、振り返ってみると9年間にも及ぶ長い期間でもありました。今は、エディの人生を顧みる方も多い時期ですので、ここで最終章の9年間を俯瞰で確認してみましょう。2007年《2月2日:デイヴ・リー・ロス復帰を公表》・9月27日-12月30日:北米#1(40公演)2008年・1月22日-2月20日:北米#2(15公演)・4月17日-7月3日:北米#3(22公演) 2012年(4年後)《『A DIFFERENT KIND OF TRUTH』発売》・1月5日-6月26日:北米#4(53公演)←★ココ★ 2013年・4月20日:シドニー公演・6月18日-26日:日本(4公演)・7月20日+24日:北米#3(2公演)2015年(2年後)・7月5日-10月4日:北米#6(41公演) これが再結成VAN HALENの9年間。34年ぶりとなったデイヴ入りの来日公演も思い出深いところですが、それは“A DIFFERENT KIND OF TRUTH”でも最終盤。本作のインディアナポリス公演は、逆にアルバム発売直後「北米#4」3公演目という極初期のコンサートでした。そんなショウを記録したクオリティですが……これが凄い。凄すぎる。とにかく近い。ムチャクチャに近い。恐らくは最前方2-3列目といったところなのですが、余りに近く過ぎて見上げた画面にはほとんどメンバーしか映らず、詳細なポジションを限定できないくらいです。ほとんどカメラピットと変わりない位置からの超ズームはプロショットとなんら変わりなく、デイヴの額を流れる汗の1粒、バカッと開いた口の歯並びさえクッキリ見えるのです。それだけ近いと最前方の熱狂でブレブレになってもおかしくないのですが、本作は超美麗。デイヴがステージ全景を活用して闊歩しようと綺麗に追い続け、手ブレゼロ。よく「静止画にしたらプロショットに見える」と書くこともありますが、本作は動いてもプロショットまんま。たまに画面最下段に最前列の帽子がチラッと映るので、どうにかオーディエンス・ショットと判別できる……そんな次元の超絶ショットなのです。その上、本作はサウンドも超絶。ヘッドフォンで聴けば、現場のリアルな喝采にも気付くのですが、それが遙か後方。バンドとカメラの間には何も入ってこないのです。しかも、それだけPAサウンドをダイレクトに拾っていながら、ビビリも揺れもない。こちらも光景と同じくサウンドボードの違いに苦労するレベルの超ハイクオリティ・サウンド。このツアーからは「TOKYO DOME LIVE IN CONCERTの映像版」とも言うべき超傑作『A DEFINITIVE KIND OF TOKYO』も有名ですが、プロショット感覚の完成度は本作の方が上回ってしまいます。超絶尽くしのクオリティで描かれるのは、再編VAN HALENの至福。エディの遺作である『TOKYO DOME LIVE IN CONCERT』とは異なる初期セットのフルショウです。ここで公式ライヴアルバムと比較しながら整理してみましょう。 クラシックス(17曲+α)・炎の導火線:Runnin' With The Devil/You Really Got Me/Ice Cream Man/Ain't Talkin' 'Bout Love・伝説の爆撃機:Somebody Get Me A Doctor/Dance The Night Away/Women In Love/Beautiful Girls・暗黒の掟:Everybody Wants Some!! ・戒厳令:Unchained/Hear About It Later・ダイヴァーダウン:(Oh) Pretty Woman・1984:I'll Wait/Hot For Teacher/Girl Gone Bad(★)/Panama/Jump ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース(4曲)・She's The Woman/Tattoo/China Town/The Trouble With Never(★) ※:「★」印は公式ライヴアルバム『TOKYO DOME LIVE IN CONCERT』で聴けない曲。……と、このようになっています。いきなりの「You Really Got Me」から新鮮。もちろん、ほとんどの曲は共通しているものの、その中で光るのは「Girl Gone Bad」と「The Trouble With Never」。どちらも「北米#2」中盤までで消えた曲なわけですが、「Girl Gone Bad」は1984年以来28年ぶりの復活ですし、「The Trouble With Never」はもちろんツアー初お目見えの新曲。どちらもその後に行われた唯一のツアー“2015 NORTH AMERICAN TOUR”でも演奏されず、この時だけの激レア曲なのです そんな激レア曲以上のインパクトなのが、いきなり飛び出す「You Really Got Me」。今週は5公演後の傑作映像『A BEST KIND OF PHILADELPHIA』も同時リリースとなりますが、そこではもう「Unchained」に代わっている。ツアー初期だからこそのオープニングなのです。もちろん、2007年/2008年ツアーの残り香なわけですが、だからこそ開演インパクトと『A DIFFERENT KIND OF TRUTH』の新曲を併せ持った貴重な新鮮なショウでもあるのです。なぜ復活VAN HALENの映像作品で出してくれないのか口惜しいばかりですが、その想いを晴らしてくれる“プロショットに最も近い映像”です。『TOKYO DOME LIVE IN CONCERT』の映像版は『A DEFINITIVE KIND OF TOKYO』ではあるものの、公演地を度外視すればツアーNo.1は本作。ステージ真下のド密着席からフルショウを奇跡体験させてくれる映像傑作。 Live at Bankers Life Fieldhouse, Indianapolis, Indiana, USA 22nd February 2012 PERFECT SHOT!!! 1. Intro. 2. You Really Got Me 3. Runnin' With The Devil 4. She's The Woman 5. Romeo Delight 6. Tattoo 7. Everybody Wants Some!! 8. Somebody Get Me A Doctor 9. China Town 10. Hear About It Later 11. (Oh) Pretty Woman 12. Drum Solo 13. Unchained 14. The Trouble With Never 15. Dance The Night Away 16. I'll Wait 17. Hot For Teacher 18. Women In Love 19. Girl Gone Bad 20. Beautiful Girls 21. Ice Cream Man 22. Panama 23. Guitar Solo 24. Ain't Talkin' 'Bout Love 25. Jump David Lee Roth - Lead Vocal Eddie Van Halen - Guitar, Vocal Alex Van Halen - Drums Wolfgang Van Halen - Bass, Vocal COLOUR NTSC Approx. 111min.