結成25周年を記念して行われた1989年のリユニオン・ツアー。その極上映像がリリース決定です。本作に収められているのは「1989年6月21日グレンズフォールズ公演」。リユニオン・ツアーは、北米40公演+英国10公演の全50公演が行われましたが、本作のグレンズフォールズ公演はその初日にあたるコンサートです。本作最大のポイントは、その素晴らしすぎるクオリティ。28年前の映像になるわけですが、発掘されたのはごく最近。大元の8ミリビデオ・マスターからダイレクトにデジタル化された映像美は驚異的で、もちろんダビング痕がゼロなら、経年劣化もゼロ。猛烈にビビッドなのに加工感のない自然な発色は、とても28年の時空を飛び越えたとは思えない美しさです。そして、その映像美に負けない撮影テクニックがまた素晴らしい。ステージ右側(ジョン・エントウィッスル側)バルコニー席からの見下ろしショットなのですが、最前列だったのか、前列の影がほとんど入らない。完全にステージだけが視界を占領する極上視野なのです。その上で安定感・カメラワークも絶品。どうやら三脚は使っていないようですが、それにしては猛烈に寄った果敢なズームでも手ブレがほとんど起きない。これが定点撮影ならまだ分かるのですが、本作は真逆のアクティヴ・ショット。ロジャー・ダルトリーとピート・タウンゼントを中心としながら、大胆にズームイン/アウトを繰り返す。ピートの鋭いカッティングを間近に捉えたかと思えば、全景に引き、今度はダンディなロジャーが画面がいっぱいになるほど寄る。さらにジョンの流れる指先をスクリーン・ショットで押さえる……。しかも、楽曲/演奏を熟知しており、そのダイナミズムに併せて……いや、ズームで楽曲のダイナミズムを力づくで引き出すかのようなカメラワークなのです。それだけの大胆ショットなのに、ブレないのです。そのカメラワークを一層際立たせているのがサウンド。別録音の極上オーディエンス録音がシンクロされているのですが、これがまた猛烈なハイクオリティ。バスドラの“鳴り”にオーディエンスっぽい感触は感じられるものの、そのクリアさ、ダイレクト感はおおよそ客録離れ。ほとんどラジオ放送のように克明で美しく、そしてダイナミックなのです。そんな“超”が2つも3つも付くクオリティで描かれるショウがまた素晴らしい。このツアーの光景は公式作品『TOMMY AND QUADROPHENIA LIVE』でも観られますが、もちろん本作は別公演。演奏が異なるだけでなく、セットも大幅に違う。公式作品ではカットされた「Trick Of The Light」を始め、「See Me, Feel Me」「I Won't Run Anymore」「All Shall Be Well」「A Friend Is A Friend」「I Can't Explain」「Hey Joe」といった名曲群の1989年バージョンが観られるのです。とにかく、猛烈なハイクオリティで体験できる特等席。極上の視野、時空を無視したマスター鮮度、匠のカメラワークに、異常なサウンド……すべてが超高次元に揃った1枚です。無意識のうちに抱いてた「80年代オーディエンスの常識」をバラバラにぶち壊してくれる規格外の大傑作。 Live at Civic Center, Glens Falls, NY. USA 21st June 1989 AMAZING SHOT!!! 1. Overture / It's A Boy 2. 1921 3. Amazing Journey 4. Sparks 5. The Acid Queen 6. Pinball Wizard 7. Do You Think It's Alright? / Fiddle About 8. I'm Free 9. Tommy's Holiday Camp 10. We're Not Gonna Take It 11. See Me, Feel Me 12. I Won't Run Anymore 13. All Shall Be Well 14. A Friend Is A Friend 15. I Can't Explain 16. Substitute 17. I Can See For Miles 18. Trick Of The Light 19. Boris The Spider 20. Hey Joe COLOUR NTSC Approx. 79min.