スラッシュメタルを……いえ、ヘヴィメタルそのものを象徴する2大兄弟バンドMETALLICAとMEGADETH。両雄の黄金時代を目撃できる同会場プロショットがリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「1990年12月5日オーバーンヒルズ公演(MEGADETH)」と、同会場の「1991年11月3日公演(METALLICA)」。それぞれ『RUST IN PEACE』『BLACK ALBUM』時代のマルチカメラ・プロショットです。「オーバーンヒルズ」「プロショット」と来れば、コレクター諸兄にはピンと来るかも知れません。“ザ・パレス・オブ・オーバーンヒルズ”は世界最大級の流出プロショット量産会場として有名。特に90年代初頭は強烈で、さまざまなバンド/アーティストの映像が流出しました。メタル界隈に限って見てもKISSやMOTOLEY CRUE、WINGER、RUSH、JUDAS PRIEST等々など。先日復刻されたANTHRAXの『WON'T GET FOOLED AGAIN』も、同じ会場から流出したプロショットです。本作はそんな傑作シリーズのMEGADETH篇・METALLICA篇をカップリングした1枚なのです。それでは、それぞれ個別にご紹介致しましょう。『RUST IN PEACE』時代を代表する名作プロショット 本作前半に収められた先攻はMEGADETH。『RUST IN PEACE』発売から約2ヶ月後に撮影されたマルチカメラ・プロショットです。この映像は“ロック・イン・リオIII”と並び、『RUST IN PEACE』時代の2大プロショットとしても有名。数々の既発を生んできた大定番として君臨しています。実際、そのクオリティはオーバーンヒルズ・シリーズでも屈指の極上ぶり。現場スクリーン用と思われるアングルは会場のスケール感はさっぱりですが、その代わりに黄金の4人「ムステイン/エレフソン/フリードマン/メンザ」のドアップがたっぷり楽しめる。音声も同じでして、いかにも卓直結なサウンドボード音声には大歓声がまったくと言ってないものの、それだけに生演奏とのシンクロ感が凄いのです。そして、その生演奏こそが苛烈・激烈。次作『破滅へのカウントダウン』以降はミドル曲も大幅増量でメリハリの効いたショウをやるようになりましたが、ここでは初期スラッシュナンバーの一気呵成。しかも、マーティ/ニックを得た事で演奏力が一足飛びに向上しており、キッチリした構築感と爆走感がギリギリのバランスで両立している。JUDAS PRIESTの前座のためにショート・セットではありますが、長いMEGADETH史にあっても唯一無二と言われるアンサンブルがマルチカメラ&サウンドボードで楽しめるのです。そんな名作映像で楽しめるレパートリーとは何か。最後にもう1つの定番である“ロック・イン・リオIII”と比較しながら整理しておきましょう。・ピース・セルズ:Wake Up Dead(★)/The Conjuring/Peace Sells・ソー・ファー・ソー・グッド:Hook In Mouth(★)/In My Darkest Hour/Anarchy In The U.K.・ラスト・イン・ピース:Hanger 18/Take No Prisoners/Holy Wars... The Punishment Due ※注:「★」印は“ROCK IN RIO III”プロショットでは観られない曲。『BLACK ALBUM』時代の生々しい流出プロショット 続いて登場するのは『BLACK ALBUM』で絶頂を迎えたMETALLICA。ツアーは丸3年に及んだわけですが、オーバーンヒルズ公演はアルバム発売から約3ヶ月後という初期。同じくツアー初期の象徴映像である“モスクワ版モンスターズ・オブ・ロック”から見て約1ヶ月後にあたるコンサートでした。そんなショウはフル・サウンドボードが流出した事でも知られますが、残念ながらプロショット映像は不完全。そのため(時代を象徴する大定番となったMEGADETH篇とは異なり)こちらは知る人ぞ知る存在に甘んじてきました。しかし、クオリティ自体はMEGADETH篇にもANTHRAX篇にも負けない極上。『LIVE SHIT』やTV放送などとは違って撮りっぱなし生々しさが素晴らしく、開演前のドレッシング・ルーム中継は朝ワイドばりの生っぽさですし、ジェイムズが観客席に降りて行く「Seek And Destroy」もハンディ・カメラのドキュメンタリー撮影ばり。短いとは言っても40分以上ありますし、『BLACK ALBUM』で一気に燃え上がっていた時代の熱風に焦がされる超リアル映像なのです。最後に、こちらも収録内容を整理しておきましょう。・オリジナル:Master Of Puppets/Seek And Destroy/Battery・カバー:Last Caress/Am I Evil?/Stone Cold Crazy(★)※注:「★」印はモスクワ公演プロショットでは観られない曲。マーティ/ニックを得て黄金時代の扉を開いたMEGADETHと、『BLACK ALBUM』で地球を制覇したMETALLICA。両雄の一番オイシイ時代を生々しい流出マスターで切り取った1枚です。メタル者なら誰もが体験したかった絶頂の現場。2大兄弟バンドの同会場プロショットがカップリングでリリース。生々しい関係者流出マスターで、それぞれ『RUST IN PEACE』『BLACK ALBUM』発売直後の黄金時代をマルチカメラで楽しめます。Live at The Palace of Auburn Hills, Detroit, MI, USA 5th December 1990 & 3rd November 1991 PRO-SHOT (86:40) MEGADETH The Palace of Auburn Hills, Detroit, MI, USA 5th December 1990 1. Shut Up, Be Happy 2. Wake Up Dead 3. Hook In Mouth 4. Hanger 18 5. The Conjuring 6. In My Darkest Hour 7. Take No Prisoners 8. Holy Wars... The Punishment Due 9. Peace Sells 10. Member Introduction 11. Anarchy In The U.K. METALLICA The Palace of Auburn Hills, Detroit, MI, USA 3rd November 1991 12. Dressing Room 13. Ecstasy Of Gold 14. Cat Scratch Fever (Intro) 15. Master Of Puppets 16. Seek And Destroy 17. Last Caress 18. Am I Evil? 19. Battery 20. Stone Cold Crazy PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.87min. MEGADETH Dave Mustaine – Vocals, Guitar David Ellefson – Bass, Backing Vocals Marty Friedman – Guitar , Backing Vocals Nick Menza – Drum METALLICA James Hetfield – Vocals, Guitar Kirk Hammett – Guitar Jason Newsted – Bass, Vocals Lars Ulrich – Drums