完全オフィシャル級の南米プロショット6連発の記憶も新しい2022年のMETALLICA。そのコレクションに更なる最新プロショットが登場です。そんな本作が撮影されたのは「2022年6月17日ランドグラーフ」。オランダ伝統の名門フェスティバル“Pinkpop Festival”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。本稿に目を留められた方なら先月の南米6連発の衝撃をご存知と思いますが、一応念のため。現在のMETALLICAは、新型コロナ・パンデミック後に再開されたワールド・ツアーの真っ最中。今年最初の公演地が南米だったのですが、その全6公演すべてのマルチカメラ・プロショットが公開されたのです。ライヴが終わる度に出てくるフル・プロショットに「このまま2022年の全公演がプロショット流出するのか!?」との憶測も飛びましたが、さすがにそれはなく南米だけで打ち止め。他の地域からは、そんな異常事態は起きませんでした。しかしツアーの場がヨーロッパに移ると、またしても騒がしくなってきた。何しろ、欧州には世界的にも有名な夏フェスがあちこちで開催。その最新放送も頻繁にひっきりなしに行われている。ヘッドライナーのMETALLICAも、どれかのフェスで放送されるだろう……そんな噂が飛び交っていた。そして、その噂が現実になったのが本作なのです。それでは、南米6連作も含め、2022年のスケジュールでコレクションを整理してみましょう。・2月25日:ラスヴェガス公演 “SOUTH AMERICAN TOUR 2022” ・4月27日『SANTIAGO 2022』・4月30日『BUENOS AIRES 2022 LIVE WEBCAST』・5月5日『PORTO ALEGRE 2022』・5月7日『CURITIBA 2022』・5月10日『SAO PAULO 2022』・5月12日『BELO HORIZONTE 2022』・5月27日+29日:北米#1(2公演)・6月15日ー7月8日:欧州(11公演) ←★ココ★・7月28日ー8月14日:北米#2(3公演)これが現在までに公表されている2022年のMETALLICA。南米6連作がズラッと並んでいますが、本作の“PINKPOP”出演は、その夜雨1ヶ月後。現在進行中の「欧州」レッグ2公演目にあたるコンサートでした(ちなみに同じ日、車で1時間ちょっとの場所でMEGADETHがグラスポップ・フェスに出演。その模様は同時リリースの『GRASPOP METAL MEETING 2022(Shades 1548)』でお楽しみ頂けます。近隣地とは言え、同日というのは両雄の歴史でもそうそうなく、それがプロショットで残るというのはかなりのレア・ケース。世界中のメタルバンドが集まっているパンデミック明けの欧州だからこその現象でしょう)。そんなフェスで撮影された本作は、まさに「完全オフィシャル級」。流出ではなくTV放送プロショットでして、現在は様々状態のマスターが噴出しているところ。中にはTV画面をスマホで撮影したようなボケ画像のものや途中で止まってしまうようなダメ・マスターもあるのですが、本作はそういった問題のないベスト・マスターからDVD化されています。もちろん、そのクオリティは「完全オフィシャル級」。その点では南米6連作にも通じるのですが、ショウの雰囲気はかなり違う。緯度の高いヨーロッパだけに現在は22時近くならないと日が暮れず、大トリのMETALLICAでもスタート時点ではまだ明るい。そこから1曲1曲重ねるほどに闇が深くなっていく幻想的な光景なのです。さらにイメージが異なるのはステージ・セット。南米では単独公演だったために「METALLICA」の文字があしらわれた巨大ステージが用意され、ビルディングのようなスクリーンにウルトラマン級のデッカいメンバーが映っていました。しかし、ヨーロッパは様々なバンドが出演するフェス形式。METALLICA専用の巨大スクリーンの代わりに、立方体(風)スクリーンをズラッと並べ、かつてのスネイク・ピットを連想させる花道も設置。かなり雰囲気の違うステージになっているのです。南米とはひと味もふた味も違う中で繰り広げられるのは、さらに趣向の異なるフルセット。ここでその内容も整理しておきましょう。クリフ時代(8曲)・血染めの鉄鎚:Whiplash/Seek & Destroy/Metal Militia(★)・ライド・ザ・ライトニング:Creeping Death/Trapped Under Ice(★)/For Whom The Bell Tolls・メタル・マスター:Welcome Home (Sanitarium)/Master Of Puppets それ以降(8曲)・メタル・ジャスティス:Harvester Of Sorrow/One・ブラック・アルバム:Enter Sandman/Sad But True/Wherever I May Roam・その他:Bleeding Me(★)/Dirty Window/Moth Into Flame ※注:「★」印は南米プロショット6連作のどれでも観られなかった曲。……と、このようになっています。ポールポジションに「Whiplash」を持ってきた2022年仕様にはなっていますが、南米で固定曲だった「Ride The Lightning」「Nothing Else Matters」「The Unforgiven」辺りがドロップ。代わりに「Trapped Under Ice」「Bleeding Me」「Metal Militia」といったレア曲が披露されているのです。昨年の40周年ライヴ(『40 YEARS CELEBRATION』でお楽しみ頂けます)でも披露した「Trapped Under Ice」の再演も感涙モノですし、何より熱いのは「Metal Militia」! 6年ぶりの復活も予想外なら、アンコール1曲目というポジションも心憎い。勿体ぶった重厚イントロに何の曲が始まるのかと期待が煽られまくり、そこにあのリフが炸裂! 記憶は混乱しているのに身体は覚えていて一瞬にして血がたぎり、頭が揺れる。スラッシャーの魂を焦がす1曲なのです。南米6連発から1ヶ月、またしても登場した最新METALLICAの極上プロショットです。南米とはムードの変わった欧州ツアーを満喫できるオフィシャル級の1枚。「2022年6月17日ランドグラーフ公演」のマルチカメラ・プロショット。TV放送のベスト・マスターからDVD化されたクオリティは完全オフィシャル級で、某動画サイトにアップされたダメ・マスターとはまったくの別次元。ショウもプロショット6連発の南米とはだいぶ異なっており、レアな「Trapped Under Ice」や6年ぶりの「Metal Militia」も胸アツなフルショウを極上クオリティで楽しめます。Megaland, Landgraaf, Netherlands 17th June 2022 PRO-SHOT (117:10) 01. Whiplash 02. Creeping Death 03. Enter Sandman 04. Harvester of Sorrow 05. Trapped Under Ice 06. Bleeding Me 07. Sad but True 08. Dirty Window 09. Wherever I May Roam 10. For Whom the Bell Tolls 11. Moth Into Flame 12. Welcome Home (Sanitarium) 13. Seek & Destroy 14. Metal Militia 15. One 16. Master of Puppets PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.117min.