前代未聞のフル・プロショットの大豊作時代に突入している2022年のMETALLICA。その最新弾がまたもや登場です。そんな本作が撮影されたのは「2022年7月1日ウェルフテル公演」。ベルギーを代表する音楽祭“ROCK WERCHTER”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。本稿に目を留められた方ならご存知と思いますが、今年のMETALLICAは異常事態。バンド自身は通常通りなのですが、映像事情は尋常ではなく完全オフィシャル級のフル・プロショットが次々と登場。放送/配信と流出の双方合わせ、2ヶ月あまりで8本も出てきたのです。数が多くなってきたという事は、コレクションも混乱しやすいという事。ここで、現在進行中のツアー・スケジュールと照らし合わせて整理しておきましょう。・2月25日:ラスヴェガス公演 “SOUTH AMERICAN TOUR 2022”*4月27日『SANTIAGO 2022』*4月30日『BUENOS AIRES 2022 LIVE WEBCAST』*5月5日『PORTO ALEGRE 2022』*5月7日『CURITIBA 2022』*5月10日『SAO PAULO 2022』*5月12日『BELO HORIZONTE 2022』・5月27日+29日:北米#1(2公演)・6月15日:コペンハーゲン公演*6月17日『PINKPOP 2022』・6月19日ー26日:欧州(4公演)×6月29日:フラウエンフェルト(中止)×*7月1日:ウェルフテル公演 ←★本作★・7月3日ー8日:欧州(3公演)・7月28日ー8月14日:北米#2(3公演)※注:「*」印はフル・プロショットが登場したライヴ。これが現在までに公表されている2022年のスケジュール。先日は「METALLICAファミリーに新型コロナの陽性反応が出た」との理由でスイス公演が中止。一瞬、冷やっとさせられましたが、感染したのがメンバーなのかスタッフなのかは不明。結局、中止となったのは1公演だけで無事にツアーは再開しており、本作の“ROCK WERCHTER”出演は、その復帰初日にあたるコンサートでもありました。そして、そんなステージは配信され、8本目のプロショットとして今この瞬間も全世界のコレクター達が色めき立っています。本作は、そのベスト・マスターからDVD化されたものです。そのクオリティは、今回もまた完全オフィシャル級。ややフィルムっぽい感触の画質や超スペクタクルなカメラワークなど、気品さえ漂わせる映像美はただの「完全オフィシャル級」では足りないくらい。今年のプロショット連発は本数もさることながら、1本1本のクオリティも異常です(ちょっと面白いのは「Ride The Lightning」の終盤など、スタッフのものと思しき咳払いが一瞬混じること。ここまで鉄壁に作り込んでおきながらあり得ない凡ミスです)。さて、そんな映像美で描かれるショウは、美味しい日替わり曲も登場したフルショウ。これまでの7作品を前提にして整理してみましょう。クリフ時代(8曲)・血染めの鉄鎚:Whiplash/Seek & Destroy・ライド・ザ・ライトニング:Creeping Death/Ride The Lightning/For Whom The Bell Tolls・メタル・マスター:Welcome Home (Sanitarium)/Damage, Inc.(★)/Master Of Puppets それ以降(8曲)・ブラック・アルバム:Enter Sandman/Wherever I May Roam/Sad But True/Nothing Else Matters・その他:One/No Leaf Clover/Dirty Window/Moth Into Flame※注:「★」印はここまでのプロショット7作のどれでも観られなかった曲。……と、このようになっています。前作『PINKPOP 2022』は南米6作品とは趣の違う風変わりセットになっていましたが、本作は再び南米で確立した基本に回帰。特に『SAO PAULO 2022』に近い感じですが、そうは言っても同じにはならないのがMETALLICA流。この日は『MASTER OF PUPPETS』のスラッシュ・ナンバー「Damage, Inc.」が登場。アグレッションばりばりに激走してくれるのです。もちろん、「Damage, Inc.」は激レアというわけではありませんが、上記の南米プロショット6連作や『PINKPOP 2022』では観られなかった。「まだコレがあったか!」と思わずヒザを叩きたくなる嬉しい1曲です。さすがに欧州ツアーでは南米のように全公演のプロショットが流出することはありませんでしたが、それでも普通ではないペースには違いない。livemetallica.comの全公演サウンドボード販売も画期的でしたが、現在の彼らはさらに次の次元に入ろうとしているのかも知れません。そんな妄想にまで掻き立てられる超極上フル・プロショット。「2022年7月1日ロック・ウェルフテル公演」のマルチカメラ・プロショット。最新配信のベスト・マスターからDVD化されたクオリティは完全オフィシャル級で、ややフィルムっぽい感触の画質や超スペクタクルなカメラワークなど、気品さえ漂わせる映像美はタメ息が漏れる。2022年のフル・プロショットは本作で8本目ですが、前7作のいずれでも観られなかった「Damage, Inc.」も登場。今回も完全無欠の鉄壁クオリティで最新のフルショウを満喫できます。Festivalpark, Werchter, Belgium 1st July 2022 PRO-SHOT(118:02) 1. The Ecstasy Of Gold 2. Whiplash 3. Creeping Death 4. Enter Sandman 5. Ride The Lightning 6. No Leaf Clover 7. Wherever I May Roam 8. Sad But True 9. Dirty Window 10. Nothing Else Matters 11. For Whom The Bell Tolls 12. Moth Into Flame 13. Welcome Home (Sanitarium) 14. Seek & Destroy 15. Damage, Inc. 16. One 17. Master Of Puppets PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.118min.