美旋律の隠れ名作3rdアルバム『M.S.G.』を生み出しつつ、ツアーではアコースティックだった1992年のMcAULEY SCHENKER GROUP。その現場をリアル体験できる大傑作セットが登場です。そんな本作に収められているのは2公演。「1992年3月14日アービントン公演」の絶景ショットをDISC 1、「同3月26日ウェストハリウッド公演」の極上録音をDISC 2に配したオーディエンス2枚組です。当時のマイケルは本業MSGの他にCONTRABANDやロビン・クロスビーの代役としてRATTのツアーに参加したりと課外活動も活発。良い機会でもありますので、顧みられることの少ないMcAULEY SCHENKER GROUPの活動末期を振り返っておきましょう。1991年・4月26日:フランクフルト公演《5月6日『CONTRABAND』発売》*6月6日:ウェストハリウッド公演《7月『M.S.G.』完成》*8月9日ー9月14日:北米#1(13公演)・11月1日ー5日:欧州#1(3公演)←※ACOUSTIC EVENING IN FRANKFURT《12月4日『M.S.G.』発売》 ・12月4日:マドリード公・12月19日:プロモ来日 ←※ACOUSTIC GIG IN JAPAN 19911992年《2月『NIGHTMARE: THE ACOUSTIC M.S.G.』発売》・2月4日ー5月2日:北米#2(18公演)←★ココ★・11月28日+30日:欧州#2(2公演)※注:「・」印はMSG、「*」印はRATTにサポート参加したショウ。これが1991年/1992年のマイケル・シェンカー。1991年の夏には『M.S.G.』を完成させつつ、課外活動のツアーを優先して発売を延期。その間、何も仕事のないリズム隊を維持していられるはずもなくグループは解体。12月のアルバム発売の際にマネジメントからアコースティックのプロモーション・ツアーを提案されます。RATTとの共演でアコースティックに傾倒し始めてもいたわけですが、「それしかできなかった」というのが実情だったようです。ともあれ、彼らはアルバム発売前後にプロモ・ツアーを開始(当店のプロショット・ギフト『ACOUSTIC EVENING IN FRANKFURT』『ACOUSTIC GIG IN JAPAN 1991』でお楽しみ頂けます)。いざ初めて見るとマイケルがアンプラグドを意外なほど気に入り、翌1992年にはミニ・ツアー「北米#2」も実現しました。この「北米#2」は本作だけでなく、公式映像『"UNPLUGGED" LIVE』も残されていますので、さらに日程をフォーカスし、本作との位置関係を確かめてみましょう。「北米#2」の詳細・2月4日ー28日(3公演)・2月29日『CHICAGO TAPES 1988-1992』・3月2日ー12日(6公演)・3月14日:アービントン公演 ←★本作DISC 1★・3月20日:ポートランド公演・3月25日:公式『"UNPLUGGED" LIVE』・3月26日:ウェストハリウッド公演 ←★本作DISC 2★・4月18日ー5月2日(4公演)DISC 1:間近席からの極上オーディエンス映像……と、このようになっています。本作は公式『"UNPLUGGED" LIVE』を挟んだ直近の2公演だったわけです。そして、DISC 1に収められているのは「北米#2」11公演目のアービントン公演。そのド直近オーディエンス・ショットです。最近になって公開された映像なのですが、とにかく猛烈に近い。前列の頭が画面端に映り込むので最前列ではないと分かりますが、恐らくは2列目。あまりに近くてマイケルの手元やロビンの表情アップが画面からハミ出すほど近いのです。特にマイケルの右手はピッキングして振動する弦がしっかり見える凄まじさ。そもそもハコの小さなアコースティック・ギグですし、ここまで「手を伸ばせば触れそう」と感じられる映像はちょっと記憶にありません。しかもマスター鮮度が極上級。ダビング痕も経年痕も一切なく、それこそ「肉眼感覚」で目の前に突きつけられるのです。それだけのド密着感でありつつ、惜しむらくは不完全収録であること。「Doctor Doctor」のイントロ辺りで終わってしまうのです。DISC 2:極太・艶やかな極上級ライヴアルバム そんな映像篇の歯がゆさを払拭してくれるのがDISC 2。「北米#2」14公演目にあたるウェストハリウッド公演の超極上オーディエンス録音です。DISC 1では聴けなかった「Doctor Doctor」「Lights Out」もしっかり楽しめるわけですが、それ以上なのが全編を貫くサウンド・クオリティ。DISC 1の音声も傑作級ではありましたが、本作はそれも上回る超絶級。曲間で間近な喝采も沸くのでサウンドボードと間違えはしませんが、肝心要の演奏音やヴォーカルはオフィシャル級……いや、エフェクトで厚みを演出していた公式『"UNPLUGGED" LIVE』よりもリアルで聴きやすいくらいです。この録音も最近になって登場したマスターなのですが、本作はその最高峰を更新するもの。ネット音源は音質こそ良いものの、ピッチが無茶苦茶。豪快にズレまくってロビンの声も誰だか分からないほどでした。もちろん、本作はジャストな上にビシッと安定。しかも、ところどころでダブっていたパートもシームレスに整え、音楽作品としての完成度を極限まで高めました。特異のロングトーンが封印され、泣きのチョーキングにも制限があるアンプラグド。だからこそ、マイケルは「メロディ」そのもので哀感を極めようとしていました。そして、装飾を一切排除したことでロビンのアイリッシュ・ヴォイスも深い情感が浮かび上がっているのです。残念ながら公式作『"UNPLUGGED" LIVE』は過剰なエフェクト処理で素朴な美が画ききれていませんでした。本作は、現場のナチュラル感によって「本来の美しさ」を存分に味わわせてくれるのです。グランジ/オルタナ全盛に向かう時代がポップを殺し、彼らも解散を余儀なくされた。その一方で、ポップを捨てざるを得なかったからこそ、彼ら本来の「哀感」を極めることができたのです。そんな哀愁のメロディをプライベート感覚いっぱいに楽しめる2枚組。「1992年3月14日アービントン公演」の絶景ショットをDISC 1、「同3月26日ウェストハリウッド公演」の極上録音をDISC 2に配したオーディエンス2枚組。アービントン映像(DISC 1)は2列目からのド密着感が凄まじく、マイケルのピッキングで振動する弦まで見える。ウェストハリウッド録音(DISC 2)はオフィシャル級の極上サウンドながらリアリティやプライベート感覚はそれ以上。現場のナチュラル感だからこそ画き得た本来の美しさを存分に味わえる極上セットです。Cricket Club, Irvington, NJ, USA 14th March 1992 AMAZING SHOT!!! Tower Records, West Hollywood, CA, USA 26th March 1992 TRULY PEREFCT SOUND Disc 1: DVD(44:39) Cricket Club, Irvington, NJ, USA 14th March 1992 1. Introduction 2. Anytime 3. We Believe In Love 4. What Happens To Me 5. Bad Boys 6. Gimme Your Love 7. Natural Thing 8. Perrier 9. When I'm Gone 10. Never Ending Nightmare 11. Doctor Doctor COLOUR NTSC Approx.46min. Disc 2: CD(54:07) Tower Records, West Hollywood, CA, USA 26th March 1992 1. Anytime 2. We Believe In Love 3. What Happens To Me 4. Bad Boys 5. Gimme Your Love 6. Natural Thing 7. Perrier 8. When I'm Gone 9. Never Ending Nightmare 10. Doctor Doctor 11. Lights Out Michael Schenker - Guitar Robin McAuley - Vocals Spencer Sercombe - Guitar, Backing Vocals