1986年に10周年を迎えたチャールズ皇太子(当時)主催のチャリティ・イベント“THE PRINCE'S TRUST CONCERT”。そのオフィシャル映像作がリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「1986年6月20日ウェンブリー・アリーナ」。“THE PRINCE'S TRUST CONCERT”は1976年に設立され、現在も続いている慈善団体ですが、1982年からは募金コンサートも主催するようになりました。特に世界的にチャリティ・ブームが盛り上がっていた1986年から1990年にかけては様々なバンド/アーティストが参加する巨大なフェス形式に発展。当店でもプレス名盤『PRINCE'S TRUST 1987 JAPANESE BROADCAST EDITION』やギフト・タイトル『THE PRINCE'S TRUST CONCERT 1988』等が人気を博してきました。本作に収められているのは、そんなチャリティが10周年を迎えた節目のコンサート。フェス形式に発展した初年のステージを記録した公式マルチカメラ・プロショットなのです。ひと口に「公式プロショット版」とは言っても、実は種類があります。イベント直後にリリースされた初回VHS/LD版はショウのハイライトだけを約60分でダイジェストした12曲仕様でした。しかし、1990年の再リリース時には『EXTENDED VERSION』と題された拡張版に改訂。本作は、その『EXTENDED VERSION』をベスト・マスターから復刻したものなのです。ただし、拡張版もフルショウというわけではない。では、本作に収録されているのはどの曲で、どの曲がないのか。ここで整理してみましょう。A:初回VHS版にも収録されていた曲(12曲)・序盤:エルトン・ジョン(Your Song/I'm Still Standing)/フィル・コリンズ(In The Air Tonight)・本編:ティナ・ターナー(Better Be Good To Me)/エリック・クラプトン&ティナ・ターナー(Tearing Us Apart)/マーク・ノップラー&スティング(Money For Nothing)/ポール・ヤング(Every Time You Go Away)/ロッド・スチュワート(Sailing)/ジョージ・マイケル&ポール・ヤング(Every Time You Go Away)/ポール・マッカートニー(I Saw Her Standing There/Long Tall Sally/Get Back)B:『EXTENDED VERSION』の追加曲(6曲)・序盤:BIG COUNTRY(In A Big Country)/スザンヌ・ヴェガ(Marlene On The Wall)/LEVEL 42(Hot Water)・本編:ミッジ・ユーロ(Call Of The Wild)/ジョーン・アーマトレイディング(Reach Out)/ハワード・ジョーンズ(No One Is To Blame)C:オフィシャル作品化されなかった曲(11曲)・序盤:BIG COUNTRY(Wonderland/Fields Of Fire/Look Away/Chance)/スザンヌ・ヴェガ(Tom's Diner/Cracking/Small Blue Thing)/LEVEL 42(Lesson In Love/Leaving Me Now/Something About You)・本編:デヴィッド・ボウイ&ミック・ジャガー(Dancing In The Street) 本作は拡張版ですから、上記「A+B」の18曲を収録しています(フルのプロショット映像は存在せず、ショウの完全体を楽しむには当店発掘のサウンドボード・アルバム『THE PRINCE'S TRUST CONCERT 1986 COMPLETE(完売)』しかありません)。「11曲もカットされていたら中途半端」と思われるかも知れませんが、実際に観てみるとそうでもなかったりします。その意味をご説明するため、ここで当日コンサートの構成もおさらいしておきましょう。オープニング3組・BIG COUNTRY/スザンヌ・ヴェガ/LEVEL 42 ピアノ弾き語り(2曲)・エルトン・ジョン/フィル・コリンズ ハウスバンド登場の本編ステージ・オールスター超豪華共演……と、このようになっています。ショウはまずオープニング・アクトしてBIG COUNTRY、スザンヌ・ヴェガ、LEVEL 42の3組が4-5曲ずつ演奏します。その後に登場するエルトン・ジョンとフィル・コリンズはバンドではなく、独りでピアノ弾き語りで1曲ずつ披露し、この2曲の間にセット・チェンジ。いよいよハウスバンドが登場する……という流れなのです。そして、ここからが目玉の超豪華アーティスト大共演。何しろ、このハウスバンドの面々からスゴい。エリック・クラプトン/マーク・ノップラー/ミッジ・ユーロががギターを弾き、ベースにジョン・イルズリー&マーク・キング、ドラムにフィル・コリンズというリズム隊、キーボードもエルトン・ジョン&ハワード・ジョーンズ。もう目も眩む豪華絢爛のスーパー・バンドなのです。さて。ここで再び本作の収録内容。上記の「C」をご覧になって頂くと分かると思いますが、実はカットされているのは、ほとんどBIG COUNTRY、スザンヌ・ヴェガ、LEVEL 42といった「オープニング・パート」。肝心要の「本編パート」で未収録なのは、権利関係で削られた「Dancing In The Street」だけで、豪華共演はおおよそ観られるのです(初回版ではカットされていた「Every Time You Go Away」でのクラプトンのソロもばっちりです)。まるで前年のLIVE AIDが甦ったような“THE PRINCE'S TRUST CONCERT”の10周年。いや、ビッグ・ネームが入れ替わりつつ絶え間なく超豪華共演が続く濃度はLIVE AID以上と言っても良いでしょう。本作は、そんな奇跡のステージを楽しめる廃盤オフィシャル映像です。超豪華チャリティ・イベントの廃盤オフィシャル映像がリリース。初回リリース版より約30分増量された91分バージョンで、LIVE AIDの再来とも言われた奇跡共演も満載の10周年ステージを楽しめます。Wembley Arena, London, UK, 20th June 1986 PRO-SHOT 1. Intro 2. Big Country: In A Big Country 3. Suzanne Vega: Marlene On The Wall 4. Level 42: Hot Water 5. Elton John: Your Song 6. Phil Collins: In The Air Tonight 7. All Star Band Introduction 8. Tina Turner: Better Be Good To Me 9. Eric Clapton & Tina Turner: Tearing Us Apart 10. Midge Ure: Call Of The Wild 11. Mark Knopfler & Sting: Money For Nothing 12. Paul Young: Every Time You Go Away 13. Joan Armstrong: Reach Out 14. Howard Jones: No One Is To Blame 15. Rod Stewart: Sailing 16. Elton John: I'm Still Standing 17. George Michael & Paul Young: Every Time You Go Away 18. Paul McCartney & Ensemble: I Saw Her Standing There 19. Paul McCartney & Ensemble: Long Tall Sally 20. Paul McCartney & Ensemble: Get Back 21. Outro/End Credit PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.91min.