グレン・ヒューズとのカップリング・ツアーも発表となり、にわかに注目が集まっているイングヴェイ・マルムスティーン。現在進行中のツアーを目撃できる傑作映像が登場です。そんな本作が撮影されたのは「2022年7月20日:ティルブルフ公演(オランダ)」。その絶景オーディエンス・ショットです。去年のショウではありますが、映像自体は最近になって公開された最新モノです。現在もイングヴェイは“PARABELLUM Tour”の真っ最中。前回レポート『GLENSIDE 2021』から間も開いていますし、冒頭でご紹介したグレンとのツアーをご説明するためにも(やや広めに)活動全景をおさらいしてみましょう。2021年・3月20日:ラスヴェガス公演・6月26日:セルビア公演《7月23日『PARABELLUM』発売》・7月24日ー8月14日:北米#1(6公演)←※HOUSTON 2021・11月6日ー12月18日:北米#2(26公演)←※GLENSIDE 2021 2022年・4月29日ー6月4日:北米#3(28公演)・7月20日:オランダ公演 ←★本作★・8月16日ー20日:北米#4(4公演)・10月19日ー26日:南米(5公演)・12月2日:トルーカ公演 2023年・3月8日ー11日:北米#5(4公演)・5月5日:フォートローダーデール公演・7月21日+22日:メキシコ(2公演)・8月17日ー9月23日:北米#6(25公演)・11月4日+5日:英国(2公演)関係者ショットとしか思えない理想的な絶景映像 これが現在までに公表されている2021年以降のスケジュール。つまり、新型コロナ・パンデミック以降の活動全景で、話題となっているグレンとのカップリング・ツアーは「北米#6」です。イングヴェイと言えばヨーロッパHRのイメージもありますが、現在の活動は北米偏重。欧州でのショウは2021年のセルビア、2022年のオランダ(本作)、それに今年の英国2公演くらいで他はすべて南北米。アジアやオセアニアもないという状況です。本作のティルブルフ公演は、2022年でもたった1回だけ実現した欧州公演でもあったわけです。そんな貴重な現場を真空パックした本作は、目も醒める絶景。会場の後方から捉えたワンカメですが、ステージ中央を真っ正面に見すえつつ、その視界は変幻自在。思いっきり引くとステージ全景をすべて視界に収められ、ズームで迫るとイングヴェイのウェストアップが画面いっぱいに画かれるのです。しかも、カメラワークが恐ろしく巧み。ご存知の通りイングヴェイはステージ全部を我が物顔で暴れ回り、右端から左端まで激しく移動しては弾き倒す。本作は、そんな彼を画面中央に据えたまま、ずーっと追い続けている。これは当たり前のように見えて、凄まじい至難の業。画面中央に収めるには「次にどう動くか」が読めていないと出来ないわけですが、イングヴェイのアクションは激しいだけではなく気紛れ。よくギターフレーズを「指グセ」と言いますが、まさか本作の撮影者は「アクション癖」まで熟知しているというのでしょうか……。その異次元レベルに巧みなカメラワーク、1階アリーナ客が眼下に広がる絶景、ステージ中央が真っ正面という奇跡のポジション。さらに言えば、そんな超絶な光景に相応しいクリア&ダイレクトな音声に至るまで……詳細が伝わっていないので断言は出来ませんが、もしかしたらオーディエンスと言うより「関係者ショット」なのかも知れません。貴重な欧州公演にして、近年希に見る名演 何とも凄まじい映像ですが、実はショウ内容も負けていないからスゴい。まず大前提として、本作はバンド・ライヴ。最近のイングヴェイは録音をバックに弾き倒すリサイタル公演も珍しくありませんが、本作はきっちりレギュラーバンドを従えています。そして、演奏そのものが絶好調。年々イングヴェイの演奏は当たり外れが大きくなってきましたが、本作は大当たり。もちろん80年代の精密な粒立ちは求められないものの、速射の勢いは凄まじく、フレーズも淀みなく滑らかに溢れ出す。ここまでしっかり弾いてるのは何年ぶり?と思うほど好調です。そして、そんなイングヴェイにエネルギーを注入する会場の雰囲気も素晴らしい。現場となった“Poppodium 013”は3,000人規模のホールで、日本で言うならTOKYO DOME CITY HALLやグランキューブ大阪、名古屋センチュリーホールくらいの会場。本作からうかがえる観客は眼下の影レベルではあるのですが、箱にビッシリと詰まった密度もイングヴェイの一挙手一投足に腕を振り上げる盛り上がりも伝わってくる。どうやらイングヴェイの単独公演のようですが、まるで大人気のフェスかのような盛り上がりなのです。普通の客席を遙かに超える絶景、一般人とは思えない匠のカメラワーク、ド迫力のダイレクト・サウンド……そして、猛烈な弾きっぷりの大熱演。見れば見るほど熱くなり、考えれば考えるほど巧みな映像傑作です。近年のイングヴェイ……いや、最近は良いネオクラを聴けてないとお嘆きの方にこそ触れていただきたいズバ抜けた1枚。「2022年7月20日:ティルブルフ公演」の絶景オーディエンス・ショット。会場の後方からのワンカメながら1階アリーナ客が眼下に広がる絶景、ステージ中央が真っ正面という奇跡のポジション。しかも、ズームも果敢で激しく動くイングヴェイをド真ん中に据え続けるカメラワークも関係者ショットとしか思えません。イングヴェイ自身のギターも冴えわたり、撮影も演奏も近年希に見る映像傑作です。Poppodium 013, Tilburg, Netherlands 20th July 2022 AMAZING SHOT!!!! 1. Intro 2. Rising Force 3. Top Down, Foot Down/No Rest For The Wicked 4. Soldier 5. Into Valhalla/Baroque And Roll 6. Like An Angel 7. Relentless Fury 8. Now Your Ships Are Burned 9. Wolves At The Door 10. (Si Vis Pacem) Parabellum 11. Paganini's 4th Violin Concerto/Adagio 12. Far Beyond The Sun 13. Bohemian Rhapsody (Snippet) 14. Arpeggios 15. Seventh Sign 16. Toccata 17. Smoke On The Water 18. Trilogy (Vengeance) 19. Guitar Solo 20. Red House 21. Fugue 22. Guitar Solo/Noise 23. Drum Solo 24. You Don't Remember, I'll Never Forget 25. Black Star COLOUR NTSC Approx.94min. Yngwie Malmsteen - Guitar Nick Z. Marino - Keyboards, Vocals Emilio Martinez - Bass Brian Wilson - Drums