難病「封入体筋炎」に冒され、一度はツアー人生に幕を引いたピーター・フランプトン。不屈の決意でステージに戻ってきた最新ツアー“NEVER SAY NEVER(絶対なんて絶対にない)”をフル体験できる極上映像が到着です。そんな本作が撮影されたのは「2023年7月20日ナショナル・ハーバー公演」。その超絶景オーディエンス・ショットです。日本では難病の告白も引退ツアーも単発のニュースで入ってくるだけで、フランプトンの近況が今ひとつ伝わりづらい状況。良い機会でもありますので、最新ツアーまでの歩みをスケジュールで俯瞰してみましょう。2019年・1月24日:アナハイム公演“FINALE: The Farewell Tour”・6月18日ー8月11日:北米#1(26公演)・8月18日+20日:スペイン(2公演)・8月29日ー10月12日:北米#2(24公演)・11月9日:Kenny Rudin Keshet Concert出演 2022年・11月5日ー16日:欧州(8公演)2023年・1月6+22日:北米#3(2公演)“NEVER SAY NEVER Tour”・6月19日ー8月19日:北米#4(26公演)←★ココ★・9月23日:Guitar Camp出演 これが現在までに公表されている2019年以降のスケジュール。2019年に難病を告白したフランプトンは、引退ツアー“FINALE: The Farewell Tour”を実施しますが、途中で新型コロナ・パンデミックもあって延期。2022年には無事に完遂しました。隠退生活に入ったようですが、「まだ演奏できるのに、なぜ僕は家で座っているんだ?」との想いに駆られてツアー復帰を決意。現在進行中の“NEVER SAY NEVER Tour”を開始しました。本作のナショナル・ハーバー公演は、その15公演目にあたるコンサートです。そんなステージを真空パックした本作は、「超」の付く絶景映像。普段から遮蔽物のない映像を「絶景」と称していますが、本作は本当にスゴい。視点を定める開演シーンを見ると「ステージ右寄りのスタンド席」から撮影していると分かるのですが、それは最初の1分2秒だけ。視点が定まると観客の姿は一切消え、椅子に座ったフランプトンの姿が画面いっぱいに広がる。途中でバンドをアイコンタクトを交わすとカメラもそちらを向きますが、その1人ひとりの表情までくっきり。遮蔽物どころか(冒頭シーンがなかったら)無観客のリハーサルなんじゃないかと思うほど、ステージだけが視界を占領する独り占めショットなのです。しかも、音声までその光景にぴったり。ホール鳴りも吸い込んだオーディエンス・サウンドには違いないのですが、1音1音までくっきり細やかでセパレート感も十分。曲間には喝采も沸きますが、基本的に黙って聴き込む客層だけに「まるで自分のための生演奏」のような独り占めの錯覚に陥るのです。そんな超絶景で描かれるのは、ステージに還ってきた決意が滲むフルショウ。まずはキャリアを俯瞰するセットから確認してみましょう。オリジナル(11曲+α)・フランプトンズ・キャメル:I Got My Eyes On You/Lines On My Face/Do You Feel Like We Do・フランプトン:Show Me The Way/The Crying Clown/Nassau-Baby, I Love Your Way/(I'll Give You) Money・その他:Lying/Shine On(★)/All I Want to Be Be (Is by Your Side)/Can't Take That Away カバー(5曲)・Georgia On My Mind/Black Hole Sun/Four Day Creep(★)/I Don't Need No Doctor(★)/While My Guitar Gently Weeps ※注:「★」印はHUMBLE PIE時代からのレパートリー。……と、このようになっています。HUMBLE PIE時代の「Shine On」からSOUNDGARDENのカバー「Black Hole Sun」に至るまで、オリジナルもカバーも実に幅広い。まさにキャリアを総括した名曲の宝箱です。そして、そんなセットを綴るフランプトンが素晴らしい! 彼が患っている「封入体筋炎」は筋肉が徐々に弱っていく難病で、立ったままでは途中で力が抜けて倒れる危険性がある。そのため、“NEVER SAY NEVER Tour”では終始イスに座ったままでのパフォーマンスなのですが、ネックを這う指先には衰えは見えず、歌声は張りもあって実に伸びやか。フランプトン自身は「以前と同じでない。手に力がないからね」と語っていますが、出てくる音はそうは言ってない。確かに、これだけ演奏できるのに「座っている」という理由だけで引退していたらロック・シーンの損失……そう思える溌剌としたショウで魅せてくれるのです。往年の英雄達が齢を重ねた現代、それぞれの人生観をステージや音楽に投影しています。そして、73歳で難病に冒されたフランプトンは、ステージに戻ることを選びました。こう書くと悲壮感が滲んでいそうですが、本作は決してそんな悲痛な作品ではありません。むしろ、流れる音楽は躍動感に溢れ、歌声は喜びに満ちているのです。単に優れた音楽映像という次元を超え、見ている私たちにまで音楽と生きていく決意と活力をくれる1枚。「2023年7月20日ナショナル・ハーバー公演」の超絶景オーディエンス・ショット。開始から約1分で観客の姿は一切消え、椅子に座ったフランプトンの姿が画面いっぱいに広がる。遮蔽物どころか無観客のリハーサルなんじゃないかと思うほど、ステージだけが視界を占領する独り占めショットです。難病に冒されつつ復帰を期した“NEVER SAY NEVER Tour”を極上フル体験できる映像傑作です。MGM National Harbor, National Harbor, MD, USA 20th July 2023 AMAZING SHOT 1. Lying 2. Shine On 3. MC 4. I Got My Eyes On You 5. MC 6. Lines On My Face 7. Show Me The Way 8. MC 9. Georgia On My Mind 10. MC 11. The Crying Clown 12. Nassau 13. Baby, I Love Your Way 14. All I Wanna Be (Is by Your Side) 15. MC 16. Can't Take That Away 17. Black Hole Sun 18. (I'll Give You) Money 19. Do You Feel Like We Do 20. Four Day Creep 21. I Don't Need No Doctor 22. While My Guitar Gently Weeps Peter Frampton - Guitar, Vocal Brent Mason - Guitar Paul Franklin - Steel Guitar Michael Rhodes - Bass Eddie Bayers - Drums Bob Mayo - Keyboards John Hobbs - Keyboards COLOUR NTSC Approx.146min.