プロデビュー50周年記念ツアーの優良オーディエンスショット映像が初登場!エリック・クラプトンがデビュー50周年を記念して行なった2013年ツアーから、5月17日のロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール7日間公演の初日を極上オーディエンスショットで完全収録した映像がネット上にアップされました。初公開となる日の貴重な映像です。当店では同連続公演の4日目、5日目を収録した「「Royal Albert Hall 2013 4th Night: DAT Master(2CD)」、「Royal Albert Hall 2013 5th Night: DAT Master(2CD)」や最終日を収録した「Royal Albert Hall 2013 The Last Night: DAT Master(2CD)」等の極上オーディオ作品をリリースしておりますが、映像のリリースは初めてとなります。アングルは、ステージに向かって左の1階スタンドからで、ほぼ真横からの絶好ショットでクラプトンの全身+ドイル・ブラムホール、グレッグ・リースら一線上に並ぶメンバー及びステージ全景をきれいな画質で収めています。前の客の頭が写り込んではいますが、うまくそれを避けてクラプトンを中心に捉えている、優秀な映像です。ワンコンサートをその場で鑑賞しているようなリアル感があり、音声も非常にクリアなステレオ・オーディエンス録音なのでまったく問題ありません。2013年と言えば、クラプトンがヤードバーズでプロデビューしてから50年という区切りの年で、それを記念してのワールドツアーが精力的に実施された年でした。当時のクラプトンは68歳。節目を迎えてもまだまだ頑張るのだなと世界中のファンが思っていた矢先、この年の初頭に受け、米音楽誌ローリングストーンの3月14日号に掲載されたインタビューにおいて、クラプトンは以下の発言をし、波紋を巻き起こしたのです。「(前略)だから、シンガーソングライターのJ.J.ケイルの発言から一節を拝借するよ。70歳になったら止めるつもりさ、ってね。もちろん演奏自体や1回限りのライブなんかは続けるよ。でもツアーは止めると思うよ。(後略)」。ファンは慌てました。あと2年でツアーを止めるのか。ならばこのツアーが最後になるかもしれない。しかし、結果的には現在もクラプトンはツアーを続けています。年齢と共にやはり体がきつくなってきたこと、さらにリウマチを患い、老齢も加わって指が思うように動かなくなったことで、これ以降もクラプトンの「ツアーを止める」発言は繰り返されてきたのですが、ファンはクラプトンの「オオカミ少年的発言」には慣れっこになってしまい、「気力、体力が持つうちは続けるのだろう」と現在ではみんなが思っています。この2013年当時の「68歳」という年齢も引退を考えるには十分な高齢に違いありませんでした。それでもここで聴かれるクラプトンのプレイは、やはり50周年記念ということで気合も入っていたようで、年齢を感じさせない素晴らしいものです。このツアーには、2007年以来ウィリー・ウィークス&スティーヴ・ジョーダンのリズムセクションが戻ってきました。他にもこのツアーだけのサポートメンバー、そしてこのツアーだけの集大成的セットリストで行われた公演です。オーディオだけでは分からなかったステージの全貌を本作でどうぞお楽しみください。本作が2013年ツアーの決定版と言える内容です。ヨーロッパツアー中盤、変化した魅力的なセットリストと地元ファンを唸らせた円熟のパフォーマンス プロデビュー50周年記念ツアー。節目となり、気合の入ったこの年のツアースケジュールをここでおさらいしておきましょう。<<3月12日:アルバム「OLD SOCK」リリース>>・3月14日~4月6日:アメリカン・ツアー・4月12日、13日:第4回クロスロード・ギター・フェスティバルをニューヨーク、マジソン・スクエア・ガーデンにて開催・5月9日~6月19日:ロンドンを含むヨーロッパ・ツアー(但し、6月11日ウィーン公演、12日シュツットガルト公演を椎間板ヘルニア発症のためキャンセル) ←★ここ★・11月13日、14日:スイスのバーゼルにて開催された「ジ・アニュアル・インドア・ミュージック・フェスティバル」に出演。この模様はスイスのラジオ局SRF3が「バロワーズ・セッションズ」として18日に放送した) 50周年記念ツアーとしてはまず、クラプトンにとっては最大のマーケットであるアメリカとヨーロッパを回ったわけですが、途中、自身が主催する「クロスロード・ギター・フェスティバル」も開催するなど、その準備と出演者の交渉なども含めれば、かなり精力的に活動した一年だったと言えます。その中にあって、ロンドン公演は、ツアーの中盤に当たる5月17日、18日、20日、21日、23日、24日、26日の7日間に亘って行なわれました。本盤はその初日を収録しています。このツアーの聴き所は、セットリストの変化にありました。76年ツアー以来となるHello Old Friendを37年ぶりにオープニングナンバーで披露したことがまず驚きで、76年時と同じく、マーティンを抱えてのスタンディングでステージを始めるという、サプライズでした。そして続くMy Father's Eyesもアコギでプレイするというアレンジの変更。これが凄く新鮮です。リリースしたばかりの新作「OLD SOCK」からは最もポップなナンバーGotta Get Overをプレイ。当時のオーディエンスレビューでは、このナンバーでの演奏への賛辞が見られました。聴いていただければ分かりますが、スタジオバージョンよりはるかにグルーヴィーでライブ映えするナンバーと化しています。そしてアコースティックセットを中盤に配しながら、50周年に相応しい代表曲を組みつつ、しっかりオールドブルースもセットインさせながら、ソロアーティストとしての実績もあるポール・キャラックを中盤とアンコールでフィーチャーするという、納得と驚きの両方を伴う内容となっていました。このロンドン公演だけでも6パターンのセットリストで行なわれ、つまりほぼ毎公演でセットリストが変わっていたということだったのです。アコースティックセット前の前半のハイライトは、まずドミノス時代のナンバーGot To Get Better In A Little Whileでした。この曲では、スティーヴ・ジョーダン&ウィリー・ウィークスという超一流のセッションマンによるリズムセクションが冴え渡ったパフォーマンスで、彼らに煽られてクラプトンも火を噴くようなソロをプレイしています。中盤のアコースティックセットでは、「OLD SOCK」収録で、クラプトンがキャリアで何度もプレイしてきたお気に入りのナンバーGoodnight Ireneを演奏したこと、Wonderful Tonightがアコースティックバージョンで披露されていることが貴重です。後半は代表曲が目白押しの中で、Blues Power、Love In Vainといったレアなナンバーがアクセントになっており、Blues Powerは、何と28年ぶり(85年ツアー以来)のセットインでした。70年代のあのノリノリのグルーヴで場内を沸かせておいて、ロバート・ジョンソンのLove In Vainでクールダウンさせるところなど、なかなか憎い構成です。後半のハイライトはLittle Queen of Spadesです。ここでのクラプトンのプレイは凄過ぎます!各メンバーに回されるソロも聴きものですが、最後に締めるクラプトンのソロがとにかく強烈です。アンコールラストにポール・キャラックをフィーチャーしたHigh Time We Wentを据えたのはこの年が最初でした。実力のあるゲストミュージシャンに華を持たせるのがクラプトンらしい気遣いでした(キャラックの起用はこのツアーが最初で、以降このパターンは現在までも続いています)。こうして全編を観ていきますと、クリーム時代、ドミノス時代のキャリア初期を彩ったナンバーから、ソロでヒットさせた人気曲もプレイし、そこにクラプトンらしいブルースを忘れず挿むという構成は、50周年記念ツアーに相応しい、聴き所満載のセットリストだったと言えます。このツアーだけの豪華な実力派ミュージシャンの起用 このツアーでは、クラプトンをサポートするミュージシャンとしては最高峰の人たち、ドイル・ブラムホール二世、ウィリー・ウィークス、スティーヴ・ジョーダン、クリス・スティントンらに加え、アルバム「OLD SOCK」に参加した、ペダル・スティールとマンドリンをプレイするグレッグ・リースとイギリスのベテランシンガー兼キーボーディスト、ポール・キャラックが参加していました。彼ら二人の参加により、楽曲の幅が拡がり、カントリー色、ソウル色が付与される結果となりました。それが顕著なのは序盤のMy Father's Eyes。98年~01年ツアーとは異なるアコースティックなアレンジでプレイされたこの曲は、また一味違った魅力を醸し出しています。グレッグ・リースはペダル・スティールでオープニングから大活躍ですし、この曲では、ジョーダンがチューニングを高くしたスネアに入れ替えて叩いていたのも細かな配慮と言えます。そしてポール・キャラックをフィーチャーしたHigh Time We Went。この曲はジョー・コッカーのカバーですが、キャラックのソウルフルなボーカルがはまったナンバーで、クラプトンがサビのコーラスのみ歌い、ギターソロを挿むという構成も、セッションプレイに長けたクラプトンの一面を見せた瞬間でした。全員が実力あるプレイヤーだっただけに、出てくるサウンドの質、厚みは現代においては最高レベルのもの。彼らはアコースティックセットでも見事なサポートぶりを披露し、まったく隙のないステージを作り上げています。忘れてはならないのが、2004年以来ずっとバックコーラスを務めるミシェル・ジョンとシャロン・ホワイトの女性二人。彼女らのパワフルなコーラスワークは、当時の新曲Gotta Get Overをスタジオバージョン以上にパワーアップさせています。それによりこのナンバーが、より活き活きとした魅力に溢れることに繋がりました。地元ロンドンでの初日公演。デビュー50周年を地元のファンと共に祝ったクラプトンの集大成的ステージは、ミュージシャン全員の勝利だったことが本作でお分かりいただけるのではないかと思います。ひょっとすると、クラプトンはこのツアー、このステージを経て、ツアーからの引退を考え直したかもしれません。そう思えるほど、彼自身も楽しみ、充実した一夜だったことはここに明らかです。極上画質と音声で鑑賞する50周年記念ツアーの記念すべき本作を是非コレクションに加えていただければと思います。Royal Albert Hall, London, UK 17th May 2013 01. Hello Old Friend 02. My Fathers Eyes 03. Tell The Truth 04. Gotta Get Over 05. Black Cat Bone 06. Got To Get Better In A Little While 07. Badge 08. Driftin' Blues 09. Goodnight Irene 10. Layla 11. It Ain't Easy (To Love Somebody) 12. Lay Down Sally 13. Wonderful Tonight 14. Blues Power 15. Love In Vain 16. Crossroads 17. Little Queen Of Spades 18. Cocaine 19. Sunshine Of Your Love 20. High Time We Went Eric Clapton - guitar, vocals Doyle Bramhall II - guitar, backing vocals Greg Leisz - pedal steel guitar Chris Stainton - piano, keyboards Paul Carrack - organ, keyboards, vocals Willie Weeks - bass Steve Jordan - drums Michelle John - backing vocals Sharon White - backing vocals COLOUR NTSC Approx.108min.