奇才スティーヴ・ヴァイのお披露目でもあったALCATRAZZの再来日。その象徴となるオフィシャル映像の史上最高峰クオリティ版がリリース決定です。そんな本作の正体は「1984年10月10日:東京厚生年金会館」公演のマルチカメラ・プロショット。そう、オフィシャルの名作映像『POWER LIVE』を史上最高峰クオリティで復刻した1枚です。イングヴェイ・マルムスティーンとの初来日も1984年でしたし、そちらも公式映像『METALLIC LIVE '84』が残された。良い機会でもありますので、まずは二度の来日をまとめて整理しておきましょう。初来日(withイングヴェイ・マルムスティーン)・1月24日:大阪フェスティバルホール・1月26日:名古屋市公会堂・1月28日:中野サンプラザ ←※公式METALLIC LIVE・1月29日:中野サンプラザ(昼夜2公演)二度目(withスティーヴ・ヴァイ)・10月3日:名古屋勤労会館・10月4日:尼崎市総合文化センター・10月8日:渋谷公会堂・10月10日:東京厚生年金会館 ←★本作★・10月11日:中野サンプラザ 以上、全10公演。イングヴェイからヴァイへの交代は1984年7月で、イングヴェイの穴埋めに数公演こなしたところで本格的に加入。二度目の来日公演は正式メンバーになったヴァイの初仕事でもありました。前述のように、その象徴映像は『POWER LIVE』として公式リリースされたわけですが、この映像は鬼門でもありました。当店では、日本盤レーザーディスクからの復刻シリーズが大好評となっており、イングヴェイとの初来日プロショット『METALLIC LIVE '84』も大ヒット。当然、続いて『POWER LIVE』も……となったのですが、実はこの映像は当時レーザーディスクでリリースされなかったのです。もちろん、公式DVD化も実現しているわけですが、これも褒められたクオリティではない。そんな中で登場したのが、本作。当時リリースされつつ、可能な限りパーフェクトな状態のVHSマスターを発掘。精緻にDVD化した1枚なのです。実際、本作のクオリティは史上最高。マスターとなったVHSテープの鮮度は驚異的で「1回も再生してなかったのか!?」というレベル。正直なところ、冒頭に開演を待つ観客シーンで、画面上方にわずかな走行ムラの歪みがあります(これはもう、磁気テープの宿命。これすらないからこそ、レーザーディスクは凄い)が、それも数秒の話。開演してからは、一切の歪みがないパーフェクト・クオリティなのです。本当にレーザーディスクに肉薄する画質・音質であり、それこそギター弦の1本1本、シンバルの輝き、リーゼントで決めたグラハムのブロンドまで極めて美しい。映像関係のお仕事をされている専門家でもない限り、レーザーディスクとの違いは分からないかも知れません。そんなベスト・クオリティで描かれるのは、まだリリースされていなかった『DISTURBING THE PEACE』も山盛りな革新のステージ。ここでそのセットも整理しておきましょう。ディスタービング・ザ・ピース(7曲)・Breaking The Heart Of The City/Skyfire/Sons And Lovers/God Blessed Video/Will You Be Home Tonight/Painted Lover/Stripper その他(9曲)・ノー・パロール・フロム・ロックン・ロール:Jet To Jet/Hiroshima Mon Amour/Kree Nakoorie/Suffer Me/Too Drunk To Live, Too Young To Die・その他:Since You Been Gone/荒城の月/Night Games/All Night Long……と、このようになっています。さらに素晴らしいのがパフォーマンスそのもの。イングヴェイとの『METALLIC LIVE '84』では豪快に外しまくったグラハムに「ライヴでは下手」との誤解が広がってしまいましたが、このときは、音程も声の伸びも実に実に素晴らしい。まさしく、1980年のRAINBOW来日公演に匹敵する凄さです。これを毎晩聴かせてくれたら、ロニー・ジェイムズ・ディオさえも超えられただろうに……。そして、もう1点はハードロックを弾き倒すスティーヴ・ヴァイ。グラハム&ヴァイのコンビネーションは本当に本当に本当に、奇跡的なほど素晴らしいのです。歴史の悪戯でクラシカルなギター・ヒーローと共演してきたグラハムですが、本来、彼の素養はコンテンポラリーなロック。しかし、彼のキャリアで大英雄でありながらコンテンポラリーと言えるギタリストはヴァイだけでした。そして、超個性音楽家なヴァイのキャリアの中で、歴史に名を残すほどの超・個性をハードロックのフォーマットで炸裂させたのは、ALCATRAZZとDAVID LEE ROTH BANDだけ。そのDLR BANDにはプロショットもサウンドボードもなく、WHITESNAKEでは他人の曲ばかり弾いていた。「ヴァイ流ハードロック」の公式クオリティで体験するには、本作しかないのです。互いが互いに超・超・個性的でありながら、“本来やりたい音楽”をぶつけ合っている。そりゃあ、2人とも今でも「DISTURBING THE PEACE」をフェイバリットに挙げるわけです。その大充実感の生演奏版、それも公式クオリティなのが本作なのです。特に注目していただきたいのは「Suffer Me」。ステージを降りて客席にまで歩み寄る大熱演なのですが、その熱いロックといったら! 未だに「ヴァイのギターには感情がない」などと揶揄する声もありますが、この映像、このテイクを体験したら、そうは言えないはずです。70年代ロックにも負けない熱い熱い弾きっぷりは、ロック魂以外の何物でもない!! また、本作はヴァイのトリッキーな魅力も満載。『DISTURBING THE PEACE』では「シンセじゃないの?」とさえ言われた「God Blessed Video」のソロ、イングヴェイのスウィープ・フレーズをタッピングで再現した「Jet To Jet」のソロ、そして全曲でヴァイ以外の何者でもない個性を叩き込むオブリガート。すべてが“世紀の大天才ギタリスト”の名に恥じぬプレイばかりです。そして、本作の最後には「God Blessed Video」のPVもボーナス収録。これもまた、とんでもなくハイクオリティ! 「CDの音声?」かと思うような音質(DLR BANDのような台詞・効果音も入るので間違いなくPVバージョンです)はもちろん、画質もそれに負けないスーパー画質。ステレオで脳をかき回すようなリフや伝説的なギターソロのタッピングも超・超・鮮やか! ライヴ以上に手元が見えるソロシーンは必見です!超・絶好調のグラハム・ボネットと、ハードロック・モードのスティーヴ・ヴァイ。後にも先にも、これほどの才能がぶつかり合ったオフィシャル映像は本作だけです。公式DVDにガッカリした方も必見の最高峰クオリティ版。Live at Koseinenkin Hall, Tokyo, Japan 10th October 1984 PRO-SHOT (83:13) 1. Intro 2. Breaking The Heart Of The City 3. Jet To Jet 4. Skyfire 5. Sons And Lovers 6. Hiroshima Mon Amour 7. God Blessed Video 8. Will You Be Home Tonight 9. Kree Nakoorie 10. Since You Been Gone 11. Painted Lover 12. Suffer Me 13. Stripper 14. Too Drunk To Live, Too Young To Die 15. Kojo No Tsuki 16. Night Games 17. All Night Long 18. Grand Final 19. God Blessed Video (Video Clip) Graham Bonnet - Vocals Steve Vai - Guitars Gary Shea - Bass Jan Uvena - Drums Jimmy Waldo - Keyboards PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.83min.