エメラルドに輝くゲイリー・ムーアのオフィシャル映像が世界最高峰クオリティで蘇りました! 本作は、公式映像「LIVE IN STOCKHOLM: WILD FRONTIER TOUR」を復刻したもの。今回のマスターとなったのは、先日Y&Tの「LIVE AT THE SAN FRANCISCO CIVIC」「SUMMERTIME GIRLS & ALL AMERICAN BOYS」を提供してくれたマニアが秘蔵していたVHS。残念ながら、この作品は世界的にレーザーディスクがリリースされず、日本版VHSも出ませんでした。輸入ビデオを熱心にチェックしていたマニアだけが見ることのできたお宝映像なのです。前回のY&Tも異常なほど素晴らしい保存状態でしたが、今回も凄まじい。アメリカ版の輸入ビデオだけに、解像度はレーザーディスクから復刻してきた諸作ほどではありませんが、磁気テープにも関わらず、ヨレもトラッキングノイズもなく、28年間も静かに眠っていた保存状態には舌を巻く。「Wild Frontier」のPVでもお馴染みの黒い衣装に身を包んだ“WILD FRONTIER TOUR”ならではの凛々しいゲイリーが鮮やかに蘇るのです。それ以上に驚きなのは、サウンド。生々しい画面に対して、サウンドは非常に洗練されており、いつになく丁寧に弾き込むゲイリーや控えめな歓声ミックスと相まって、演奏にグイグイと引き込まれるよう。普通は30年近くも経てば再生していなくても劣化があってもおかしくないのですが、わずかな音の歪みもなくロングトーンの美しい響きが耳に流し込まれる。まるでデジタルで記録されているかのように完全なCDレベルのサウンドなのです。そのクオリティで蘇る1987年のショウは、まさに絶品。残念ながら、ショウのフル収録ではないのですが、オフィシャルらしく(?)編集の焦点が絞り込まれており、短いながらもイメージがハッキリとしている。そのイメージは、ずばりアイルランドの薫り高き“WILD FRONTIERの世界”。カットされたのは「Shapes Of Things」「Murder In The Skies」「Victims Of The Future」Wishing Well」といった旧作の4曲で、採用されたのは「RUN FOR COVER」「WILD FRONTIER」の2作が中心。その「RUN FOR COVER」も、「Military Man」「Out In The Fields」といったフィル・ライノットの足跡をしっかりと遺されている。そこにフィルへ捧げた「WILD FRONTIER」が絡んでいくのですから、それはそれはもう「EMERALD AISLES」以上にエメラルドの島への想いが募ってこぼれ出すステージなのです。その美しさが、かの大名盤「WILD FRONTIER」以上に染みるのは、生演奏ならではの熱さがあるからでしょうか。ドラムマシンを使った「WILD FRONTIER」とは違い、ここではKISSでお馴染みのエリック・シンガーがスツールに座り、ボブ・デイズリーも彼ならではのフレーズを次々とキメていく(ちなみに、この2人はBLACK SABBATHの名盤「THE ETERNAL IDOL」のリズム隊です)。大名盤「WILD FRONTIER」は、その素晴らしさと共に「ドラムマシンじゃなかったら……」と語られますが、それが現実のものとなって広がる! 生ビートで駆け抜ける「Thunder Rising」、熱いパッションが弾ける「Wild Frontier」、「RUN FOR COVER」の「All Messed Up」も、スタジオ・バージョンを遙かに超える躍動感。どの曲も、ゲイリーの感情任せの弾き倒しや気ままなロングトーンに自在に呼応する生リズム隊との呼吸感がたまらないのです。「The Loner」に至っては長く長く伸張され、熱く顔で弾き込んだかと思えば、軽くつま弾きでスッと引いて、生バンドならではのドラマティシズム全開で爆発。ぶっといチョーキングはもちろんのこと、マシンガン連射でも泣いて泣いて泣き倒し……もう、もう、もうっ!……失礼いたしました。本作では、さらに当時のプロモーションビデオも3曲ボーナス収録。これまた極めて美麗画質・音質で、アナログ時代のPVだというのに曲名テロップまでクッキリ。MTV大全盛のヴィジュアル時代に独特なアイリッシュ・イメージで切り込んでいったゲイリーの姿がまとめて観られる。ロック、フュージョン、ブルース、ドラムンベース……時代時代でさまざまな顔を見せてくれ、その総てで極上のギターを聴かせてくれたゲイリー・ムーア。しかし、彼以外の誰にもできない音楽と言えば、“アイリッシュ・メロディのHR”を置いて他にありません。最晩年の彼が還ろうとしていた、エメラルドの音楽。本作は、そのライヴを収めたオフィシャル映像を、可能な限りの手段を尽くして蘇らせた1本です。大名盤「WILD FRONTIER」世界の生演奏バージョン。Live at Johanneshov Isstadion, Stockholm, Sweden 25th April 1987 (71:12) 1. Over The Hills And Far Away 2. Thunder Rising 3. Wild Frontier 4. Military Man 5. So Far Away 6. Empty Rooms 7. All Messed Up 8. Out In The Fields 9. Rockin' Every Night 10. The Loner (12:44) Promo Videos 1. Over The Hills And Far Away 2. Wild Frontier 3. Friday On My Mind Gary Moore - Guitar, Vocal Neil Carter - Keyboard, Guitar, Vocal Bob Daisley - Bass Eric Singer - Drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 84min.