マティアス・ヤプス加入後、SCORPIONSは'80年前後から徐々にその方向性を変えていきました。メロディアスな感性とハードなエッジはそのままに、より多くのファンにアピールする明るさと大衆性を身につけていったのです。そのSCORPIONSにとって、1982年はエポック・メイキングな一年でした。クラウス・マイネを襲った喉のトラブルを乗り越え、起死回生の一撃と言える「BLACKOUT」の大ヒット、そしてアメリカでのブレイク。この年はバンド史上に残る重要な一年です。その特別な1982年、「BLACKOUT」発表に伴う通算3度目のジャパンツアーより、10月3日の東京厚生年金会館公演(2日目)を、既発音源を超える最上級のサウンドで切り取ったのが、本作「DEFINITIVE TOKYO BLACKOUT」です。本作は数々の名作録音でファンを驚かせた有名テーパー(同じくSCORPIONSの傑作である「UNDERCOVER THE NIGHT」も手がけたテーパーです)による、オリジナル・カセット・マスターよりダイレクトに音盤化したもの。既発盤と比べて「ワンランクどころか、3 ランクはアップしている」と思わせる音質は驚くほかありません。バンドの核となるクラウス・マイネのヴォーカル、そしてルドルフ・シェンカーとマティアス・ヤプスのギター・サウンドの素晴らしいの一言。とりわけハー マン・ラレベルのドラムはパンチの効いた迫力ある音色で収録されています。全てのパートがクリアかつダイナミックに録音されたサウンドは、聴き手の持つラ イヴの印象すら一変させるほど。分離感抜群でメリハリの効いた音像が再現する、SCORPIONSならではのストレートな演奏には誰もが圧倒されてしまう でしょう。ライヴの冒頭、オープニングSEでは「2001年宇宙の旅」の"モノリスのテーマ"でお馴染みのギョルギィ・リゲッティーが使用され、これから始まるラ イヴへの期待を大いに抱かせます。そして高まる興奮がピークに達した瞬間、空間を切り裂くようなギターリフが一閃! 「Blackout」でいきなりピー クの幕開けを迎えます!聴き手の身体すら切り刻むようなルドルフのカッティング、喉のトラブルなど無かったかのようなクラウスのヴォーカルは、ライヴの序盤から壮絶です。続い てもスピーディな「Don't Make No Promises」(この時ならではのレア選曲!)が繰り出され、聴き手を問答無用でライヴの中へと引っ張り込みます。さらに「Loving You Sunday Morning」、「Make It Real」と、マティアス加入後を代表するナンバーが連発され、ウリ・ジョン・ロート時代とも異なる、新たなSCORPIONS像をオーディエンスへとア ピールしています。しかし、ファンの多くが期待する'70年代ナンバーが消えてしまった訳ではありません。このライヴにおいても「We'll Burn The Sky」や「He's A Woman, She's A Man」といった「TAKEN BY FORCE」からの選曲が残っており、ハードでドラマティックな、陰影を帯びた演奏もしっかり堪能できます。続く'84年ツアーになるとこれらの楽曲も セット落ちし、しばらく演奏されなくなるため、ファンは必聴です。これらに加え、前作「ANIMAL MAGNETISM」からのヘヴィなタイトル曲(この「Animal Magnetism」も、あまり演奏されないレア曲です)など、新旧ナンバーを絶妙にブレンドしたセットは、過渡期ならではの魅力と聴き所に満ちていま す。クラウスの「多くの人達からリクエストされている曲だ」というMCで始まる「荒城の月」は、SCORPIONSの日本公演らしいお馴染みのパート。しか しこの時は単発で演奏するのではなく、「Holiday」の導入パートして演奏されているのが大きな特徴。どちらもクラウスの巧みな歌唱力を前面に打ち出 しており、ライヴの重大な見せ場になっています。またライヴの後半で炸裂する「No One Like You」・「Can't Live Without You」は、観客の盛り上がりも大きく、聴いているこちらの心も沸き立ちます。これらは新曲ながらすでに定番曲としての存在感を放っています。メインセッ トを締めくくるのも新作からの「Dynamite」。こちらも現在のSCORPIONSライヴ同様、セット本編を大迫力のうちにクロージングします。本作では既発盤同様にディスク1へライヴ本編を73分まるごと収録。アンコール・パートはディスク2と役割分担し、ライヴの流れを損なわない構成になっ ています。オーディエンスの歓声に迎えられて繰り出される「The Zoo」のヘヴィネスと個性的なグルーヴは、聴き手をゾクゾクさせるでしょう。続く「Another Piece Of Meat」では一気にギアチェンジ。パワフルに走り抜ける演奏は、ラストの「Can't Get Enough」で完全燃焼! マティアスのギターソロをフィーチャーし、狂乱のアクションで燃え尽きるパフォーマンスは聴き応え満点です!さらにバンドの高いテンションに裏付けられた演奏と、本作は全てのSCORPIONSファンを等しく大 満足させてくれます。マティアス加入後の'80年代らしい演奏を打ち出しつつ、ほんのりと漂う'70年代的なダークさ、ハードさもまた堪りません! 「LOVE AT FIRST STING」で完全に脱皮する前夜、過渡期の最後と言える'82年ライヴを、本作でどうぞじっくりとお楽しみください!
Live at Koseinenkin Kaikan, Tokyo, Japan 3rd October 1982 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters)
Disc 1
1. Intro. 2. Blackout 3. Don't Make No Promises 4. Loving You Sunday Morning 5. Make It Real 6. We'll Burn The Sky 7. Lovedrive 8. Coast To Coast 9. Animal Magnetism 10. Always Somewhere 11. Kojo No Tsuki 12. Holiday 13. No One Like You 14. Can't Live Without You
15. He's A Woman, She's A Man 16. Dynamite
Disc 2
1. Audience 2. The Zoo 3. Another Piece Of Meat 4. Can't Get Enough
Klaus Meine - Vocals Rudolf Schenker - Guitar Matthias Jabs - Guitar Francis Buchholz – Bass Herman Rarebell – Drums





























