“RATTLE THAT LOCK TOUR”、遂に完結。“9年ぶりのソロツアー”と話題を集めたのが昨年9月で、それから丸1年をかけて世界を巡ったデイヴ・ギルモア。その最終レッグは故国が誇る伝統会場“ロイヤル・アルバート・ホール(以後「RAH」)”5連続公演でした。その最終英国レッグも、9月末に無事終了。早くもライヴアルバムの便りが届き始めています。本作は、そんな5公演のうち、初日である「2016年9月23日」を収めたオーディエンス・アルバムです。気になる内容に触れる前に、改めてこの1年の歩みを振り返ってみましょう。
・2015年9月5日-9月19日:プレビュー&欧州ツアー#1(6公演)・2015年9月23日-10月3日:英国公演#1(5公演) ←初日が9月23日・2015年12月11日-12月20日:南米ツアー(6公演)・2016年3月24日-4月12日:北米ツアー(11公演)・2016年4月24日:TEENAGE CANCER TRUST(1公演)
・2016年6月25日-7月28日:欧州ツアー#2(17公演)・2016年9月23日-30日:英国公演#2(5公演) ←ココも初日は9月23日
以上が“RATTLE THAT LOCK TOUR”の全50公演。本作は最終レッグ「英国#2」の初日にあたるわけです。この「英国#2」は5公演とも“RAH”ですが、さらに言えば「英国#1+TEENAGE CANCER TRUST」の6公演も“RAH”。ここでちょっと面白いのが日付でして、最初の「英国#1」の初日も、本作に収められた「英国#2」の初日も、両方とも「9月23日」。つまり、キッチリ丸1年後に、しかも同じ“RAH”で英国5公演を開始したわけです(また「201“5”年9月23日」の模様は『ROYAL ALBERT HALL 2015』でお楽しみいただけます)。さて、キッチリ1年後に母国へ戻ってきたギルモア。その初日を収めた本作は、それはそれは素晴らしいオーディエンス・サウンド。このツアーでは世界各国から凄まじい録音が連発し、さながら“高音質オリンピック”の様相を呈していましたが、母国も負けじと参加してきた感じ。会場の音響成分をほんのり含むサウンドは「まるでサウンドボード」と呼ぶタイプとはちょっと違うものの、骨太でエッジ鋭い楽音はライン録音にも引けを取らない。さらに、その音響を生み出しているのが、他のどこでもない聖地“RAH”。もう反響そのものが音楽的であり、その上品な“鳴り”は名門の誉れに違わぬ美しさでギルモア・ミュージックに得も言われぬ幻想感をまとわせている。当店では、ピンク・フロイド研究の世界的権威に監修をいただいて音源を厳選・仕上げて参りましたが、本作もまた、その確かな眼鏡に適った音源なのです。そんなサウンドで描かれるのは、1年の歩みを感じさせるショウ。もちろん、演奏の熟練度・バンドのこなれ方にも感じますが、より鮮やかなのがショウの構成。丸1年前の「9月23日」と比べても『RATTLE THAT LOCK』の新曲ラインナップに変化はありませんが、曲順が大幅に変わっており、ツアー中にマイナーチェンジを重ねてきた完成度が滲む。そして、さらに違うのがフロイド・ナンバー。1年前に演奏された「Us And Them」「Astronomy Domine」が姿を消し、「What Do You Want From Me」「The Great Gig In The Sky」「One Of These Days」「Coming Back To Life」といった名曲群が要所を固めているのです。これは確実に2ヶ月前の「欧州#2」の流れを汲んでおり(これまで「SET B+D」とご紹介してきたセット)、まさに“試行錯誤の末”が刻まれた完成されたショウなのです。丸1年をかけて進化していった“RATTLE THAT LOCK TOUR”。その最終レッグ初日を収めた本作は、1本のライヴ盤して素晴らしいだけでなく、“同日付”・“同会場”で進化の歩みを実感できるアルバムとなりました。ここまで各国の名録音を追ってきた方であればあるほど、深い味わいと感慨に身を委ねられる。そんなプログレッシヴな名録音。
Live at Royal Albert Hall, London, UK 23rd September 2016 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1 (69:22)
1. 5 A.M. 2. Rattle That Lock 3. Faces of Stone 4. What Do You Want From Me 5. The Blue6. The Great Gig In The Sky 7. A Boat Lies Waiting 8. Wish You Were Here 9. Money 10. In Any Tongue 11. High Hopes
Disc 2 (67:37)
1. One Of These Days 2. Shine on You Crazy Diamond 3. Fat Old Sun 4. Coming Back To Life 5. On An Island 6. Member Introduction 7. The Girl In The Yellow Dress 8. Today 9. Sorrow
Disc 3 (28:16)
1. Run Like Hell 2. Time 3. Breathe (Reprise) 4. Comfortably Numb





























