丸1年をかけて世界を巡った“RATTLE THAT LOCK TOUR”。その最終日となる「2016年9月30日ロイヤル・アルバート・ホール(以後「RAH」)公演」の特級オーディエンス・アルバムが登場です。“9年ぶりのソロツアー”・“PINK FLOYDナンバーの大盤振る舞い”と話題を呼んだのは、2015年9月5日に行われたプレビューショウのこと(その模様は『DEFINTIIVE BRIGHTON 2015』でお楽しみいただけます)。それから1年と3週間と4日、遂に迎えた最終日。その内容に迫る前に、まずはこの1年間を振り返ってみましょう。
・2015年9月5日-9月19日:プレビュー&欧州ツアー#1(6公演)・2015年9月23日-10月3日:英国公演#1(5公演)・2015年12月11日-12月20日:南米ツアー(6公演)・2016年3月24日-4月12日:北米ツアー(11公演)・2016年4月24日:TEENAGE CANCER TRUST(1公演)・2016年6月25日-7月28日:欧州ツアー#2(17公演)
・2016年9月23日-30日:英国公演#2(5公演) ←★ココ★
これが“RATTLE THAT LOCK TOUR 2015-2016”の全50公演。これまで当店では半数の25公演を27タイトルでレポートして参りましたが、遂に終焉にたどり着いたのです。そんな本作は、メモリアルに相応しい素晴らしいオーディエンス・サウンド。先日も最終レッグ「英国#2」から『ROYAL ALBERT HALL 2016 1ST NIGHT』『同2ND NIGHT』をお届けしましたが、本作から流れ出る音楽は輪をかけて美しい。録音の個性としては『2ND NIGHT』に近く、極太の楽音/均整の取れたバランスはいわゆる「まるでサウンドボード」と呼びたくなるタイプなものの、さらにプラス、伝統会場RAHならではの鳴りまでもたっぷりと味わえる。これまでの傑作群と同じように、ピンク・フロイド研究の世界的権威が最終日録音の中から厳選、マスタリングの監修も担当しているのですが、その美しさはツアー全体でも屈指。総てにおいて美麗ではありますが、特に素晴らしいのは重低音。“RAH”の床や壁の震えさえも感じられるほどにド迫力&リアルでありながら、過剰入力のビビリが起きる寸前。その寸止めのダイナミズムが全編を貫く。もちろん、低音だけが強力でボワボワしたサウンドでは(決して!)なく、レーザーのように鮮やかな高音、豊かな中音域と見事なバランスまで取れているのです。この原稿を書いている時点では、まだ研究家も「4日目のベスト録音」を決めかねているようなので「RAHのベスト」とは断言できませんが、恐らくはベストになるのではないか……そんなサウンドなのです。そんなサウンドで描かれるショウは、まさに“RATTLE THAT LOCK TOURの完成形”。このツアーでは世界各国を巡るうちに少しずつセットリストの微調整を重ねてきましたが、その集大成。1年前のプレビューショウと比べてみると、演奏曲自体はフロイド・ナンバーの入れ替え(「Us And Them」「Astronomy Domine」→「What Do You Want From Me」「The Great Gig In The Sky、One Of These Days」「Coming Back To Life」)程度なのですが、曲順は細かく変わっており、より一層自然な流れ、完成度の高い世界観が味わえる。実のところ、“最終RAH5日間”の中でも変更があり、ショウ終盤の1曲が以下のように変わっていきました。
・9月23日=「The Girl In The Yellow Dress」・9月25日=「Us And Them」・9月28日=「Us And Them」・9月29日=「Us And Them」・9月30日=「The Girl In The Yellow Dress」←【本作】
このうち、2日目-4日目が「英国#2」ならではのセットだったわけですが、最終日は初日と同じに戻った(これまで「SET B+D」とご紹介してきたセット)。これは「欧州#2」の約半数を占める最多セットでもあり、正しくツアー後期を代表するショウ構成でワールドツアーを締めくくったわけです。無数の極上録音を生み出してきた“RATTLE THAT LOCK TOUR”。デジタル機材の進歩で極上音源の数が増えた現代においても、ここまでの“音源異常事態”は他に類を見ません。それは即ち、このツアーがそこまで注目を集め、意識の高い観客の中で行われてきたということに他なりません。ギルモア史どころか、現代ロックシーン全体でもハイクオリティなツアーにして、その最終日を飾るに相応しい名録音。そのサウンドで描かれた“RATTLE THAT LOCK TOUR”の最終形。プログレッシヴ・ロックが歩んできた道程の現在最終地でもある1本。
Live at Royal Albert Hall, London, UK 30th September 2016 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1 (70:36)
1. 5 A.M. 2. Rattle That Lock 3. Faces of Stone 4. What Do You Want From Me 5. The Blue 6. The Great Gig In The Sky 7. A Boat Lies Waiting 8. Wish You Were Here 9. Money 10. In Any Tongue 11. High Hopes
Disc 2 (41:46)
1. One Of These Days 2. Shine on You Crazy Diamond 3. Fat Old Sun 4. Coming Back To Life 5. On An Island
Disc 3 (62:16)
1. Member Introduction 2. The Girl In The Yellow Dress 3. Today 4. Sorrow 5. Run Like Hell 6. Time 7. Breathe (Reprise) 8. Comfortably Numb





























