Another Takeには昨年登場したセッション新音源だけでなく、以前から出回っていたアセテート音源も使われています。これはフォーク時代のディランと親交があった俳優のエメット・グローガンがディランから譲り受けたアセテートが彼の没後になって流出したもので、ファンの間ではエメット・グローガン・アセテートと呼ばれていました。そこには「ANOTHER SIDE OF BOB DYLAN」だけでなく、アルバムが一枚飛んで「HIGHWAY 61 REVISITED」の二枚のアルバムの音源が収録され、90年代半ばにトレーダー間で流通して話題を呼びました。そこに収録されたのは主にアルバム収録テイクのラフ・モノ・ミックスで、今回「ANOTHER TAKE」に収録したテイク以外は演奏する前にプロデューサーのアナウンスが入っている程度の違いや、「HIGHWAY 61」の方ではエンディングがフェイドアウトしない状態のミックスが多くを占めています。もちろんレアな音源ですので流通した当時でアイテムはいくつもリリースされていましたが、それらは元がアセテートという性質上、通常のアナログ・ビニール以上に発せられるスクラッチノイズを抑え込んだイコライズで収録されたものばかりでした。それは今回の「ANOTHER TAKE」でも同様なのですが、実はそのイコライズなしのアセテートを素直に収録した状態を聴かれた方はあまり多くないのではないでしょうか。そこで今回の初回リリース分に付属するのがそのアセテート状態そのままのバージョンなのです。確かにアセテートですのでスクラッチノイズは頻繁に入ってしまいますが、それでも生のままのウォーミーな音質ならではの魅力があるのも確か。むしろその質感が新鮮に聴こえるのではとすら思えてしまいます。それらに加えて「ANOTHER SIDE~」期だけでなく、エレクトリック絶頂期である「HIGHWAY 61~」のレア音源まで収録されているのですから、ディラン・ファン大満足のCDことを保証します。 Disc 1(42:12) Another Side Of Bob Dylan sessions Columbia Studios, New York City, New York, USA 9th June 1964 1. I Don't Believe You 2. Chimes Of Freedom 3. Motorpsycho Nightmare 4. Mr. Tambourine Man w/Ramblin' Jack Elliot 5. All I Really Want To Do 6. Black Crow Blues 7. I Shall be Free No.10 #1 8. I Shall be Free No.10 #2 9. All I Really Want To Do (Live at Newport Folk Festival 26th July 1964) Disc 2(70:07) Highway 61 Revisited sessions Columbia Studios, New York City, New York, USA 30th July - 4th August 1965 1. Tombstone Blues #1 2. From A Buick 6 #1 3. Queen Jane Approximately #1 4. Positively 4th Street #1 5. Desolation Row 6. Just Like Tom Thumb’s Blues 7. It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry 8. Highway 61 Revisited 9. Tombstone Blues #2 10. From A Buick 6 #2 11. Can You Please Crawl Out Your Window 12. Queen Jane Approximately #2 13. Ballad Of A Thin Man 14. Positively 4th Street #2