おかげさまで大好評となりました「THE FREEWHEELIN' BOB DYLAN RADIO STATION DISC」に続いてボブ・ディランがフォーク時代の残したアルバムのレア音源集として今回は「THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN’」のアウトテイク集がリリースとなります。今回のリリースに際し、元になったのはファンによってまとめられた音源集「TAPES AND ACETATES FROM THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN’」というもので、トレーダー間で出回っていたものです。ただしそれをただCD化するだけではなく、収録音源の大半を最新のアップグレード音源に差し替えることによって飛躍的な音質の向上を実現しました。また「THE BOOTLEG SERIES VOLUMES 1?3」に収録された未発表曲も除外し、レアなテイクやミックスをまとめ直す編集となっています。最初の二曲はアルバムに収録された楽曲の別テイク。いきなり「The Times They Are A-Changin'」のまったく雰囲気が違うバージョンが登場して驚かされることでしょう。次の「Ballad of Hollis Brown」は前のアルバム「THE FREEWHEELIN'」のセッションで録音された初期バージョンです。以降はアルバムに収録されなかった未発表曲がズラリと並んでいますが、そのほとんどが昨年末に登場した新音源であり、これまで過去のアイテムなどでおなじみだった演奏がどれも素晴らしいステレオ・サウンドでの収録を実現しています。「Farewell」などはこのような高音質音源が存在することを見過ごされていた方が多いのではないでしょうか。これらのアウトテイクの中で驚かされるのは、ディランがピアノを弾きながら歌った演奏が多いということでしょう。実際のアルバムでそのようなピアノ・サウンドの片鱗が垣間見られることはありませんでしたが、セッションの合間ではピアノ伴奏の曲をこれほどまでに試していたのです。もっとも「East Laredo Blues」などは彼のピアノ演奏の拙さが否めないもので、本人としてもセッションで録音を始める前の肩慣らしとして弾いていたものが録音されたのかもしれません。エルヴィス・プレスリーの「That's All Right Mama」を歌ってみせるところなどはその最たる例だといえるでしょう。いずれにせよ「時代は変わる」というフォーク・ソングの代名詞のような曲が収録されたアルバムですので、ピアノの伴奏がアルバムに不釣合いと取られたのかもしれません。これらピアノ演奏のテイクも昔からマニアやトレーダー間にはおなじみの音源でしたが、今回は最高のステレオ・サウンドで収録されているから聞き逃せません。そして二テイク収録されている「Percy's Song」二つ目のバージョンと「Lay Down Your Weary Tune」がまた以前から有名なアウトテイクで、編集盤などで既に日の目を見ているものです。しかしここではアセテートからのモノ・ミックスを収録しました。例の編集盤などで聴かれるバージョンはステレオですがエコーが強めで、ディランと演奏がより間近に感じられるこちらのバージョンを新鮮かつ魅力的に感じられる方が多いかもしれません。「THE FREEWHEELIN'~」に続く第二弾は「THE TIMES~」のレアなアウトテイクをずらりと並べ、しかも高音質な状態にまとめ上げた編集盤となります。今回のメインである、昨年登場した新音源はアナログLPという形で流通し、それを不便に感じていた方が非常に多いはず。しかも今回の収録に当たってはLP特有のスクラッチ・ノイズを可能な限り削除、さらに収録音源全体のピッチの見直しも行なってパーフェクトなアウトテイク集を目指しています。 Outtakes of album "The Times They Are A-Changin'" (48:51) 1. The Times They Are A-Changin' (Alternate take 23rd October 1963) 2. Ballad Of Hollis Brown (Early version from “Freewheelin” sessions 14th November 1962) 3. Farewell (Take 4 6th August 1963) 4. Eternal Circle (Incomplete early version 7th August 1963) 5. New Orleans Rag (Incomplete early version 7th August 1963) 6. Hero Blues (Take 3 12th August 1963) 7. Eternal Circle (Take 4 12th August 1963) 8. Percy's Song (Take 1 23rd October 1963) 9. East Laredo Blues (Take 1 23rd October 1963) 10. That's All Right Mama / Sally Free And Easy (Take 1 23rd October 1963) 11. Percy's Song (Take 2 24th October 1963 Mono acetate mix) 12. Lay Down Your Weary Tune (Take 1 24th October 1963 mono acetate mix) 13. New Orleans Rag (Take 2 24th October 1963)