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EL & P Emerson,Lake & Powell/North America 1986 Master Tape

オリジナルカセットで綴る極上サウンドボード・アルバムの登場です。本作は、EMERSON, LAKE & POWELL唯一のツアーとなった1986年の北米ツアーに先駆けたリハーサルを収めたステレオ・サウンドボードアルバムです。「EL&POWELLのツアーリハ」というとオフィシャルCD『THE SPROCKET SESSIONS』がありますが、あれと同じ録音です。しかし、録音は同じでも中身は違う。当時の関係者からもたらされたカセットからダイレクトにCD化されたものなのです。僭越ながら、ここで少々オフィシャル品の苦言を申し上げなければなりません。『THE SPROCKET SESSIONS』は、古くから知られるリハーサル音源の公式化ということで注目を集めましたが、その仕上がりは残念ながら大ざっぱなものでした。音圧を強引に引き上げたために高音がしゃりしゃりと歪み、極端に強調されたステレオ効果も不自然極まりないものでした(完全に想像ですが、本番ライヴよりも堅実なリハーサル演奏に公式品としての迫力を出したかったのでしょうか……)。それ以上に厳しかったのが編集。「Step Aside」がカットされているのも残念でした(グレッグ・レイクの編集盤『FROM THE UNDERGROUND VOL.II DEEPER INTO THE MINE』に収録されました)が、曲間でフェイドイン・アウト処理でブツキリにされていたのには参った。観客のいないリハーサルとは言え、これは暴挙だった。なにしろ、セットの目玉でもあった「Tarkus / Pictures At An Exhibition」の2大代表曲をメドレーで繋いだ大作アレンジが完全に分断され、なんとも尻切れトンボなのですから。それだけではありません。このリハーサルでは冒頭の3曲「The Score」「Learning To Fly」「The Miracle」がほぼ切れ目ナシに連続演奏されるのですが、そこでもフェイド処理。おかげで「The Score」ラストのキメまで消されてしまっていたのです。本作のマスターは、そんな欠点だらけのオフィシャルCDとはまったく別のもの。数秒聞きかじると、強引なオフィシャル・サウンドよりも地味目に感じもしますが、これこそがスタジオで轟いていたサウンドそのもの。関係者流出だけに鮮度はバツグンで、もちろん、ナチュラルな響きを台無しにする無理なマスタリングも行っていません。そして、オフィシャル盤ではフェイドイン・アウトでかき消された楽音やメドレーの妙味もたっぷり。それどころか、演奏が終わるごとに交わされる生々しい会話まで録音されている。まさに、スタジオの空気がスピーカーから瑞々しく流れ出る1本なのです。そのクオリティで刻まれたリハーサルは、途中で止めてしまうようなこともなく、ライヴ1回分を淀みなくフル演奏するもの。先ほども書きましたが、本番ライヴとはテンションが異なり、進行を確認する堅実さが目立つものの、だからこそアレンジの隅々まで注意を払った演奏が聴ける。キース・エマーソンとコージー・パウエルの生演奏が卓直結サウンドボードで耳に流れ込む最高の快感がたっぷりと味わえるのです。特に貴重なのは「The Miracle」「Love Blind」「Step Aside」といった新曲群と、やはり「Tarkus / Pictures At An Exhibition」のメドレーでしょう。EL&POWELLのサウンドボードというと“1986年10月4日レイクランド公演”が有名ですが、これらの曲はそこでも聴けない。「Tarkus / Pictures At An Exhibition」メドレーに至っては、デモさえも存在しない、唯一無二サウンドボードなのです(だからこそ、公式のブツ切りが残念至極だったのです……)。さらに、コージー・マニアにはぜひ押さえていただきたい激レア・トラックが「Mars, The Bringer Of War」。WHITESNAKEのライヴやスタジオ作『EMERSON, LAKE & POWELL』でも聴ける曲ではありますが、本作の「Mars」は唯一無二。「生ドラムソロ入りバンドバージョン」なのです。詳しく言いますと、WHITESNAKEではオーケストラのテープをバックにしておりバンド演奏ではない。EL&POWELLのスタジオ盤はバンド演奏ではあるものの、ソロがなかった。EL&POWELLのツアー本番ではシンセドラムを大胆に導入したポコポコ、ピュンピュンしたバージョンでした。それらに対し、本作はエマーソン&レイクとのトリオ演奏でありながら、生ドラムのド迫力でソロまで通す完全版バージョン。これはすなわち、「1812年」の『OVER THE TOP』バージョンに相当するアレンジで、オーディエンス録音でさえ耳にすることのできない激レアな12分20秒なのです。そんな数々のレア・トラックを満載したリハーサルの後には、ボーナスとしてコージー・テープのデモを2種類収録しました。1つめはコージー直筆の“SPACE GOSPEL”と手書きされたデモ・カセットで、未発表曲3曲をフィーチュアしたもの。コージーの激しいビートが暴れる「Hooligan」、荘厳なシンフォニック「Space Gospel」、親しげなメロディが美しい「Serious Pursuit」など、いずれも未発表がもったいない素晴らしい曲ばかり。さらには「Back On The Road(The Scoreのインスト・バージョン)」や「Bites The Bullet(Vacant Possessionの原曲)」も収録。「ラララー」「パパパー」といった仮メロディも生々しい未完成バージョンですが、だからこその荒々しさがワイルドな魅力に転化した魅力的なトラックがたっぷりと聴けます。もう1つは「Lay Down Your Guns」「Learning To Fly」の2曲を収録したデモ・カセット。それぞれインストと歌入りのデモですが、こちらはグッと完成版に近づいた仮ミックスとも言うべきサウンド。いずれのデモもお馴染みの音源ではありますが、カセットからダイレクトにデジタル化し直しましたサウンドが鮮烈で、一切の加工していない生々しさが最高です。公式アルバムではポップなだけに感じた「Lay Down Your Guns」も、このインストでは美しいメロディが染みる。暖かくもどこか切なく、胸にじんわりと広がる感動に包まれ、本作は幕を閉じます。ツアー・リハーサルと2つのデモ。いずれもオリジナル・カセットからスタジオ録音の美味しいところを総まとめにした極上のサウンドボード・アルバムです。英国ロックの英雄たちが集いながら、アルバム1枚で終わってしまった奇跡のプロジェクトEMERSON, LAKE & POWELL。その魅力と可能性は、とても公式アルバムだけでは分からない……と言いますか、むしろブートレッグの方が正確に伝えてきたバンドだったのではないでしょうか。オフィシャルが乱雑に仕上げてしまったリハーサルの真実を素のまま、生のままに伝えてくれる1本。たくましくも荘厳で、親しげながらも切ないEL&POWELLの音楽世界。ぜひ、今週末は彼らが遺してくれた奇跡のような世界に浸りきってください。 Rehearsals at Sprocket Studio for North American Tour 1986 STEREO SBD(from Original Masters) Disc 1(53:39) 1. The Score 2. Learning To Fly 3. The Miracle 4. Knife Edge 5. Tarkus 6. Pictures At An Exhibition 7. Lucky Man 8. Still You Turn Me On 9. Love Blind 10. Step Aside Disc 2(78:22) 1. Mars, The Bringer Of War 2. Touch And Go 3. Pirates Studio demos from the original master cassette tape titled "Space Gospel" belonged to Cozy Powell 4. Back On The Road #1 (The Score) 5. Hooligan #1 6. Space Gospel (Intro Only) 7. Space Gospel 8. Hooligan #2 9. Serious Pursuit #1 10. Bites The Bullet (Vacant Possession) 11. Serious Pursuit #2 12. Back On The Road #2 (The Score) 13. Learning To Fly (with Vocal) 14. Lay Down Your Guns (with Vocal) 15. Learning To Fly (No Vocal) 16. Lay Down Your Guns (No Vocal) STEREO SOUNDBOARD RECORDING

EL & P Emerson,Lake & Powell/North America 1986 Master Tape

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