ポールのアルバム・セッションズ・シリーズにおける『BACK TO THE EGG』がついに登場。まずアルバムのみならず、前後して行なわれた、この時期のセッション音源をすべて収録しているのが特徴で、そのdisc:1には、アウトテイク、別バージョン、ラフミックスなど、アルバムのセッション音源を収録。アナログ時代から断片的に流出していた音源ながら、既発盤よりボリュームアップしており、複数テイク流出しているものなど、すべて漏れなく網羅。まず冒頭を飾るのは「Reception」のロング・バージョン。そして「Getting Closer」は歌なしバージョンと、デニーレインのヴォーカル・バージョンの2テイクを収録。特にデニー・バージョンは歌詞も若干異なり、この曲に対するポールとデニーの貢献度の比率が気になるところ。またコーラスやミドルパートは明らかにポールの声なので、デニーに歌わせるつもりでポールが作った可能性もあり、リリース・バージョンでは採用されなかったコーラスが入っているなど、興味深い音源。そしてパンク全盛時代を反映したような「Spin It On」は、ラフミックスの段階で既にほぼ完成しているのが伺え、その他の「Again And Again And Again」、「Old Siam Sir」「Arrow Through Me」など、それぞれ2バージョンづつ収録。「Old Siam Sir」はフェードアウトではなく、きちんと完奏し、最後にポールが叫んでいる声で終わるという、スタジオセッションならではの生々しいテイク。そして2テイク収録の「To You」も同様に両テイクとも、フェードアウトではなく完奏バージョン。この時期のラフな雰囲気が良く出ているテイクで、特に2テイク目はギターによるサイケ風のノイズでエンド。またあまりに美しい「After The Ball」と「Winter Rose」のメドレーは、このアルバムのもうひとつのハイライト。そしてオフィシャルではそのまま間髪入れず「Love Awake」にメドレーのように繋がっていたのが、本作には全く別途にレコーディングされた「Love Awake」を収録。楽器が少なく、ギターのみで始まったと思ったら、徐々に盛り上がり、オフィシャルには含まれない楽器まで加わるという、まったく印象が異なる出来栄え。そしてロケストラによる「So Glad To See You Here」もエンディングがきちんと終わるバージョンで、最後は「Rockestra」と「So Glad To See You Here」がメドレーで演奏されているというもの。そしてdisc:2も同じく、アルバム『Back To The Egg』のセッションで、アルバムには未収録の、当時のシングル「Good Night Tonight」と「Daytime Nightime Suffering」のアウトテイクを収録。特に「Daytime Nightime Suffering」は、ポール自身が自分の作った曲の中でもフェイヴァリットと言うくらいの自信作で、コーラスワークといい、転調の具合といい、実にウイングスらしさが盛り込まれた名曲。さらに現在のところ未発表となっている「Ranachan Rock」「Maisie」「Cage」の3曲も収録。特に「Cage」に至っては、実に5テイクもここで聴くことが出来るように、ポールも真剣に取り組みながら最終的にお蔵入りしたという曲。そして驚くのは「Super Big Heartwave」と題された曲で、これは聴けばわかる通り「Old Siam Sir」のプロトタイプ。もちろんメロディも異なれば歌詞も完成しておらず、冒頭の呟きもきちんと入ってるものの、ここではリンダの声にて。さらに続いてあの印象的なメロディが繰り出される「Old Siam Sir」。この名曲が本作のハイライトと言っても過言ではなく、さらに後半は、このセッションで行われたジャム・セッションも収録。 そしてdisc:3は『Back To The Egg』のアルバム・セッションに前後して行なわれたセッションの様子を収録。まず前半はスコットランドにあるスタジオでのセッションで、冒頭の2曲はタイトルこそ「Emotional Moments」ながら、曲は明らかに「Cage」のプロトタイプのデモ音源。その他「I Can’t Write Another Song」「It Seems Like Old Time」といったお馴染みの未発表曲、また短いながら「Rockestra Theme」のピアノ・デモも収録されているのにも注目。この曲は1974年のピアノ・テープにも収録されており、曲の着想はかなり早い時期からポールのストックに存在し、それを大切に温めていたということに。
さらに後半は1978年7月、これも同じスコットランドのスタジオで行なわれた、アニメ「ルパート・ザ・ベア」のサントラのためのセッションも収録。子供向けのアニメのサントラながら、曲ごとにポールのイントロダクションがあり、ポールのヴォーカルによる曲など、ポール・ファンには外せない楽曲揃い。特に「We All Stand Together」はリリース・ヴァージョンよりも簡素なアレンジで、エレピの響きが美しいデモ・ヴァージョン。この時期から、80年代『Pipes Of Peace』あたりまでは、このようにエレピでデモを作成していた、その最初期にあたるというもの。ウイングス最後のアルバムとなった『Back To The Egg』の時期のセッション音源を集大成した3枚組。ここまで充実した内容はこれまで皆無だったと言える永久保存アイテム。
DISC ONE : 01 Reception 02. Getting Closer (Backing Track) 03. Getting Closer 04. We're Open Tonight 05. Spin It On #1 06. Spin It On #2 07. Again And Again And Again #1 08. Again And Again And Again #2 09. Old Siam Sir #1 10. Old Siam Sir #2 11. Arrow Through Me #1
12. Arrow Through Me #2 13. Rockestra Theme 14. To You #1 15. To You #2 16. After The Ball - Million Miles 17. Winter Rose #1 - Love Awake 18. Winter Rose #2 19. Love Awake (Alternate Take) 20. The Broadcast 21. So Glad To See You Here
22. Rockestra - So Glad To See You Here
[BACK TO THE EGG ALBUM SESSIONS : SPIRIT OF RANACHAN STUDIO CAMPBELTOWN SCOTLAND U.K. June 29 - July 27, 1978 : LYMPNE CASTLE KENT U.K. September 11 - 29, 1978 : EMI STUDIOS LONDON U.K. October - December 1978 : REPLICA STUDIO LONDON U.K. December 1978 - February 1979 : EMI STUDIOS LONDON U.K. March - April 1979]
DISC TWO : 01. Good Night Tonight (Demo) 02. Daytime Nightime Suffering (Early Version) 03. Daytime Nightime Suffering (Rough Mix #1) 04. Daytime Nightime Suffering #3 (Rough Mix #2) 05. Ranachan Rock 06. Maisie 07. Cage #1 08. Cage #2 09. Cage Instrumental #1
10. Cage Instrumental #2 11. Cage Instrumental #3 12. Superbig Heatwave (Old Siam Sir) 13. Jam #1 14. Jam #2 15. Jam #3 16. Jam #4 17. Jam #5 18. Jam #6 19. Jam #7 20. Jam #8 21. Jam #9 22. Jam #10 23. Blues Jam
DISC THREE : 01. Reggae Jam #1 02. Reggae Jam #2 03. Denn's Reggae
[RUDE STUDIO DEMOS DISC THREE CAMPBELTOWN SCOTLAND U.K. 1978]
04. Emotional Moments (Demo) 05. Emotional Moments (Overdubs) 06. Praying Mantis Heart 07. Reggae Moon 08. I Can't Write Another Song 09. S.M.A. 10. It Seems Like Old Time #1 11. It Seems Like Old Time #2 12. Rockestra Theme
[RUPERT THE BEAR SOUND TRACK DEMO SESSION : SPIRIT OF RANACHAN STUDIO CAMPBELTOWN SCOTLAND U.K. July 1978]
13. Rupert Song 14. Tippi Tippi Toes 15. Flying Horses 16. When The Wind Is Blowing 17. The Palace Of The King Of The Birds 18. Sunshine, Sometime 19. Sea / Cornish Wafer 20. Storm 21. Nutwood Scene 22. Walking In The Meadow 23. Sea Melody 24. Rupert Song
25. We All Stand Together





























