波乱含みのライヴをキニー録音のオリジナルカセットから復刻した2CD「HAMMERSMITH 1981 2ND NIGHT」は、異様なムードも鮮烈なドキュメント・アルバムの傑作です。本作は、同じキニー録音の3枚組LP「CAN'T HAPPEN HERE(POSP251)」をストレートにCD化したもの。このアナログ盤から起こされた(酷いサウンドの)CDは過去にも出回っておりますが、もちろんそのコピーなどではありません。これまでもキニー・シリーズにはオリジナルLPの復刻販売をお贈りしてきましたが、今回も同じ国内コレクターが秘蔵していた極上状態のアナログ盤を使用。針パチも丁寧にトリートメントし、LP起こしにしても史上最上級クオリティの1本に仕上げました。HAMMERSMITH 1981 2ND NIGHTに比べ、一歩引いたような距離感とアナログ特有の暖かみが懐かしいサウンドなのですが、そのライヴはやはり暖かくはない。リッチーの苛立ちが伝わってくるような「I Surrender」や「Man On The Silver Mountain」、突然ギターが消えてしまう「Difficult To Cure」、怒りが叩きつけられる「Kill The King」のギタークラッシュ……いずれも、紛れもない事件ライヴのムードを伝えてくれる。そう、これこそが当時、事件現場をいち早くレポートしてくれたサウンドなのです。当時は、現在からは想像もできないほど高値だったアナログ・ブート。しかも3枚組ですから、それは高価な品でした。それを思い切って買い、ワクワクしながらターンテーブルに乗せると、スピーカーからは、なんとも不甲斐ないリッチーのギタープレイが流れ出てくる。頭に「!?」が並ぶ中、何が起きているのか訳も分からず、ただただ耳をそばだてて推移に聴き入るしかなかった。サウンドが悪いことなら覚悟もできていたのに、素晴らしいサウンドにも関わらず、素直に飲み込めないコンサート。そして、トラックをスキップすることもなく、怒濤のアンコールと怒りのクラッシュへと突き進んでいく……。恐らく、ライヴ現場だったハマースミス・オデオンの観客も大いに戸惑ったでしょうが、遠く離れた極東の私たちも同じ思いを共有していた。本作に詰まっているのは、そんな“あの時代”の空気なのです。オリジナル・カセットの最高級サウンドを復刻しておきながら、なぜLPまで復刻するのか。どれだけアップグレードしたか知って欲しいから? いいえ、違います。現場の大気が吹き出すHAMMERSMITH 1981 2ND NIGHTが素晴らしいからこそ、遠く離れた日本でヤキモキしながら聴いていた、当時の自宅の空気も一緒に感じていただきたいからです。リアルタイムだったからこそ感じた動揺まで蘇らせてくれる時間旅行アルバム。ぜひ、大傑作の「HAMMERSMITH 1981 2ND NIGHT」と共に、1981年の匂いをたっぷりと味わってください!
Live at Hammersmith Odeon, London, UK 27th July 1981 Taken from the original 3LP "Can't Happen Here"(POSP251)
Disc 1 (52:40)
1. The Land Of Hope And Glory 2. Over The Rainbow 3. Spotlight Kid 4. Love's No Friend 5. I Surrender 6. Man On The Silver Mountain 7. Catch The Rainbow 8. Can't Happen Here 9. Keyboard Solo 10. Lost In Hollywood 11. Guitar Solo incl. A Light In The Black
Disc 2 (41:15)
1. Difficult To Cure 2. Drum Solo 3. Long Live Rock'n'Roll 4. Lazy 5. All Night Long 6. Rule Britannia 7. Fire 8. Maybe Next Time 9. Since You Been Gone 10. Kill The King 11. Long Live Rock 'n' Roll 12. Over The Rainbow





























