これは未発表のサウンドボード?それともラジオ放送のアウトテイク?と思わず勘違いしそうになるオンな音像ですが実はこれ、オーディエンス録音なのです。一曲目の「My My, Hey Hey」のイントロだけでも「サウンドボードか?」と勘違いしそうな音の近さ。弾き語りのライブでここまで音が近いと驚きを禁じ得ないのではないでしょうか。ニール・ヤング1989年夏のソロ・ツアーはジョーンズ・ビーチのプロショット映像以外ではまとまった音源がリリースされておらず、オフィシャル・ビデオ「Freedom」もこのサラトガ・スプリングス公演の翌日のニューヨークとジョーンズ・ビーチからの抜粋というものでした。しかもこのツアーはまるでベスト・アルバムのような解りやすい選曲となっていて、そこにリリース前の「Rockin’ In The Free World」が始めと終わりで二回演奏されるという構成です。その割にセットリストの変化が乏しい印象があるのがこのツアーのイメージですが、この日に関しては違います。「Winterlong」と「Barstool Blues」という非常にレアな二曲が演奏されたからです。どちらもライブ演奏の機会自体が少ない曲ですが、ニールが弾き語りで演奏したアコースティック・バージョンとなればこれはもうレア度満点。特にベン・キースやフランク・サンペドロと一緒に演奏した「Barstool Blues」は素晴らしい演奏で、この日と翌日だけの演奏で終わったのがもったいないくらいです。しかもこれらの貴重な演奏がまるでサウンドボードのようなウルトラ・クリアーな音質で聴けるとなればこれはもうファン歓喜のリリースではないでしょうか。オーディエンス録音ならではの臨場感に埋もれることなく演奏がリアルに録音されるという理想的なバランスの中、当時世界を騒然とさせていた天安門事件からちょうど三ヶ月が経過し、その記憶が生々しい中でニールによる「中国の学生たちに」と捧げて歌う「Ohio」の重みある演奏もリアルに伝わってくるかと思います。この場面での臨場感もまた実に素晴らしいもの。そしてこの優良音源唯一の欠点だった徐々に速くなってゆくテープ・スピードも正確にアジャストし、この上なく聴きやすい状態での収録が実現しました。こうした何しろ抜群の音質とレアな演奏が大変に魅力的な録音で、久しくリリースのなかった1989年ソロ・ツアーから驚きの新音源がリリースです。 Live at Saratoga Performing Arts Center, Saratoga Springs, NY. USA 4th September 1989 TRULY PERFECT SOUND Disc 1 1. My My, Hey Hey (Out Of The Blue) 2. Rockin’In The Free World 3. Sugar Mountain 4. Winterlong 5. Someday 6. Helpless 7. Pocahontas 8. Crime In The City 9. This Old House (with Ben Keith) 10. Barstool Blues (with Ben Keith & Frank Sampedro) 11. Too Far Gone (with Ben Keith & Frank Sampedro) Disc 2 1. Roll Another Number (with Ben Keith & Frank Sampedro) 2. This Note’s For You 3. The Needle And The Domage Done 4. No More 5. After The Gold Rush 6. Heart Of Gold 7. Ohio 8. Rockin’In The Free World 9. Powderfinger Neil Young - Vocals, Acoustic Guitar, Piano, Harmonica Frank Sampedro - Guitar, Mandolin, Vocals Ben Keith - Dobro, Keyboards, Vocals