今年のニール・ヤングのライブ活動の幅広さと充実ぶりには驚かされるばかり。
Neil Young ニール・ヤング/IL,USA 2018 2 Days
今年のニール・ヤングのライブ活動の幅広さと充実ぶりには驚かされるばかり。プロミス・オブ・リアルとの活動を継続しつつ、5月初頭にはニルス・ロフグレンも呼んだクレイジー・ホースで実質的なサンタモニカ・フライヤーズの再結成を実現させた上で、非常に素晴らしいギグを四公演ほど披露して世界中のファンをアッと言わせたのは記憶に新しいところ。実際あまりにもそれらのギグの演奏内容が充実していたことから、「BAKERSFIELD 2018」と「FRESNO 2018」それぞれリリースされ大人気を博し、現在もベストセラー続行中です。その合間でもプロミス・オブ・リアルとのイベント出演などを続けているニールですが、今度はソロの弾き語りショーをアナウンス。いざ蓋を開けてみればこれがまた大変。何とセットリストの大半が1970年代のキラーチューンだらけ。つまり「AFTER THE GOLD RUSH」から「TONIGHT’S THE NIGHT」辺りのアルバムまでが中心、絶頂期の名曲ばかりが立て続けに披露されたという、世界中のマニアとって夢のようなセットリスト。それでいて連日で二曲目には1974年の未発表曲「Homefires」までも披露されるという感涙ものの構成。この上半期に限らず、ここ数年のニールはカーネギー・ホールにマッセイ・ホールと言った往年のライブ会場でコンサートを開いたりと、自身のキャリアを振り返る回顧的な活動に向かっていることは事実でしょう。その証拠として、今回のソロ・ショーに関しても、ニールが70年代に何度も会場として使ったシカゴ・オーディトリアム・シアターが久々に選ばれたのです。そうなれば先のようなセットリストの弾き語りショーが行われたのも納得というもの。このシカゴ・オーディトリアム・シアターでの二日間に関しては速攻でオーディエンス録音がネット上に現れました。それをカップリングしたのが今回のCDで、どちらのショーも同じテーパーによって録音されたもの。バルコニーからのオーディエンス録音ということから音像には若干の距離感があるのですが、これが今回のスペシャルなメニューの弾き語りショーにばっちりハマっている。程よいエコーに包まれ、ニールが往年の名曲を惜しげもなく披露していく様子に思わず聞き惚れてしまうばかり