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Bob Dylan ボブ・ディラン/New Zealand 2018 2 Source Matrix

近年のディラン・ツアーにおいて一番マニアをワクワクさせたかもしれない、アジアからオーストリアを回った今年の夏のツアー。これまでもCD-Rではあるものの、フジロックの終了直後からツアーを現在進行形で追っかける形でリリースを続けてまいりました。そのどれもが音質面と演奏面の両方で充実した素晴らしいオーディエンス録音ばかりだったのですが、恐らくは世界中のマニアがアイテムのリリースを待ち望んであろう、ツアー最終日の音源を収めたアイテムが遂に登場します! そのツアー最終日となったのが8月28日のクライストチャーチ。この日が世界中のマニアを驚かせた理由、それは何と言っても久々に「Like A Rolling Stone」がライブ演奏されたということに尽きるでしょう。2012年まではあれほど頻繁にステージで演奏され続けてきた神曲も翌年の近年アルバム中心セット、さらにはシナトラ・カバーにシフトされたことでめっきり演奏されなくなってしまったのです。例外的に2016年のデザート・トリップ二日目で演奏されましたが、その後は再び演奏されず。本曲と並ぶディラン・クラシックの「Blowin' In The Wind」が今もアンコールの定位置ナンバーとして演奏され続けているのとは対照的でした。しかし驚くほどアグレッシブでバイタリティに富んだところを見せてくれた今年夏のディランが最後の最後にやってくれました。いつもの「Desolation Row」に代わって久々の復活となった「Like A Rolling Stone」はアレンジがまた面白い。非常にタイトなリズムで始まったかと思えば、サビに入ると演奏がブレイクしてトニー・ガーニエがコントラバスを弓弾きして突如ムーディに。かと思えば「how does it feel」のラインから再びバンドが加わるというアレンジが実に新鮮!何よりも原曲の同じキーで演奏され、それでいて歌われていますので何かと「原型を留めない」と揶揄されがちなディラン・ライブにおいて、すんなりと耳に入ってくるポップなニュー・アレンジなのです。それだけではありません、8月24日のブリスベンから投入された「Summer Days」のカントリー・アレンジも抜群の出来栄え。ドニー・ヘロンが本領発揮とも言えるカントリー・フィドルをイントロで弾いた演奏は斬新でありながら、それでいてまったく違和感がない。これは「Like A Rolling Stone」にも当てはまることですが、是非これからも演奏し続けてほしいと思わずにいられない魅力的なアレンジでした。いかにもツアー最終日らしくディランは序盤からエンジン全開、そこにきてこれら二曲だけでもお釣りが返ってくるほどの一日となった訳ですが、とどめは何と2005年以来となる「It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry」までもがまさかの復活を遂げたのです。アレンジ自体は以前ライブで披露されていたスロー・ブルースなアレンジと大差ないものですが、13年ぶりのブランクをまったく感じさせない力強さが溢れている。それにしても、この曲と「Like A Rolling Stone」が久しぶりに演奏された上で、いつものようにアルバム・タイトル曲まで演奏されたのだから、2018年の夏に突如として実現した「追憶のハイウェイ61」アルバム・フィーチャーな一夜には驚きを禁じ得ません。そして音源に関してはマニアが所有していた二種類の音源を駆使したマトリクス・バージョンとしてネット上に現れたものを元にしています。とは言ってもメインとなっているのは一種類のオーディエンス録音であって、マトリクスと名打たれたのにはオープニングの「Things Have Changed」が始まってすぐのところで数十秒間だけ別のオーディエンス録音がパッチされたことを指しているように思われます。恐らくはノイズか何かの問題があったのと推測されます。録音を敢行してくれたのは今までのオーストラリア公演テーパーとはまた違った人物によるものですが、今回も音質は極上。周囲のオーディエンスのチャットを拾うことはほとんどなく、あの「Like A Rolling Stone」が始まったところで少し入る程度(それくらい居合わせた人には驚きだったのでしょう…当然のことかと)であり音圧はオンで特にディランの声が近い。そんな音質で2018年夏の「追憶のハイウェイ61」ナイトが聞けるとなれば…もう迷うことはないですよね。ちなみに「Gotta Serve Somebody」ブルース・バージョンもこの期に及んでキーが変えられるとは。本当にこの夏のディランは激アツでした! Live at Horncastle Arena, Christchurch, New Zealand 28th August 2018 TRULY PERFECT SOUND Disc 1(57:29) 1. Intro 2. Things Have Changed 3. It Ain't Me, Babe 4. Highway 61 Revisited 5. Simple Twist of Fate 6. Summer Days 7. When I Paint My Masterpiece 8. Honest With Me 9. Tryin' to Get to Heaven 10. Make You Feel My Love 11. Tangled Up in Blue 12. Pay in Blood Disc 2(53:56) 1. Early Roman Kings 2. Like a Rolling Stone★ 3. Love Sick 4. Don't Think Twice, It's All Right 5. Thunder on the Mountain 6. It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry★ 7. Gotta Serve Somebody 8. Blowin' in the Wind 9. Ballad of a Thin Man Bob Dylan - vocal, piano Stu Kimball - guitar Charlie Sexton - guitar Donnie Herron - violin, mandolin, steel guitar Tony Garnier - bass George Recile - drums, percussion

Bob Dylan ボブ・ディラン/New Zealand 2018 2 Source Matrix

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