ブルー・オイスター・カルトが、コンセプト・アルバム『IMAGINOS』発表前に行った1988年春のアメリカツアーより、4月30日のカリフォルニア州サン・ラファエル公演が、迫力満点のFMエアチェック・ソースで初登場です! 本作では海外マニア提供による1stジェネレーション・マスターを使用。流出サウンドボードに匹敵する極上バランスと、オフィシャルに迫る抜群のクリアネスで、当時の貴重なライヴを満喫させます!'70年代には"ニューヨークの冷めた狂気"の異名を取り、'80年代に入ってからは"本家ヘヴィメタル"とも喧伝されたブルー・オイスター・カルト。彼らは1981年の『FIRE OF UNKNOWN ORIGIN』でキャリアのピークに達します。しかし'80年代という時流においてコマーシャル性を身に着けたサウンドは、アングラだった'70年代初期のバンド像から次第に遠ざかり、オリジナル・ラインナップの分裂へと至りました。そのオリジナル編成によるスタジオ新作として1988年7月にリリースされた『IMAGINOS』は、ファンから大きな期待をもって迎えられました。しかしその実態は、初期のバンドをプロデュースしたサンディ・パールマンが、元メンバーのアルバート・ブーチャードと共に1982年から製作し始めていたものでした。しかし『アルバート・ブーチャードのソロ作品』ではレコード会社が興味を示さない。そのため現メンバーであるエリック・ブルームや"バック・ダーマ"ことドナルド・ルーザー、さらにオリジナル・メンバーのアラン・レーニアやジョー・ブーチャード(アルバートの実弟)が協力し、さらにゲストプレイヤーの参加を得て完成。ブルー・オイスター・カルトの新作としてリリースに至った作品でした。'88年当時のブルー・オイスター・カルト(以降B.O.C.)は、'86年作品『CLUB NINJA』の低評価でバンド解体の危機的状況にありました。それでも'87年後半にはアラン・レーニアを呼び戻し、ジョン・ロジャース(ベース)やロン・リドル(ドラム)のリズム隊を加えてバンドを再建。ツアーを継続していました。オリジナル編成での再結成やリユニオン・ツアーは実現しなかったものの、B.O.C.がバンドを立て直し、現在に至るライヴ・バンドとしての出発点になった作品として、『IMAGINOS』は特筆できる存在なのです。それでは1988年当時の状況やツアー日程を整理してみましょう。 1月1日から2月6日 アメリカツアー#1(16公演)2月23日から3月8日 ヨーロッパツアー (13公演)3月23日から5月14日 アメリカツアー#2(34公演)← 本作はココ7月 『IMAGINOS』リリース7月15日から12月31日 アメリカツアー#3(54公演)← 新曲がセットイン(なお8月はツアー休み。9月は3公演のみ) その数実に120公演(2度の一日二回公演含む)! ピークは過ぎたと言えども、アメリカ全土を隈なく回る精力さで、バンド健在をアピールしたのです。またB.O.C.はライヴのラジオ放送が多いのも特徴で、この1988年も以下の4回が放送されています。 3月26日 カリフォルニア州サンノゼ 4月30日 カリフォルニア州サン・ラファエル ←本作はココ 10月28日 カリフォルニア州サンフランシスコ 11月4日 カリフォルニア州サクラメント これに加えて1989年1月3日のコネチカット州ニューヘヴン公演もラジオ放送されているのです。(Uxbridgeレーベルより『IN THE PRESENCE OF ANOTHER WORLD』としてリリース)。本作はこれら5つのラジオ・ソース中でも屈指(・・・・・・というより最良か?)の高音質を誇る、1988年4月30日のカリフォルニア州サン・ラファエル公演(同州オーランドの放送局KRQRによるラジオ放送)の、そのまた1stジェネレーション・エアチェック・マスターをダイレクト使用。オフィシャルにも迫る極上サウンドで『IMAGINOS』リリース直前のライヴを楽しませます!映画『ブレードランナー』のメイン・テーマをオープニングに用いたイントロから、グルーヴィな「R.U. Ready To Rock」が導かれ、名曲「Dominance And Submission」へと雪崩れ込むショウの幕開けは、これぞB.O.C.ライヴ! まさに盤石な熟練の演奏とエリックの太い歌声は、聴き手を心地よくロックさせてくれます。オリジナル・マスターを丁寧に補正したサウンドはクリアネスも抜群。マスターに見られたノイズも可能な限り修正されています。この時点は『IMAGINOS』発表前のため、同作からの新曲は未だセットインしていないものの、デビュー作から1983年の『THE REVOLUTION BY NIGHT』まで、代表曲揃いのセットリスト! これも本ライヴ音源の大きな特徴です!ライヴの前半では「Buck's Boogie」がひとつのヤマ場。阿吽の呼吸で織り成すエリックとドナルドのツイン・ギターに、アラン・レーニアのキーボードが流れるように絡み合う。ジョン・ロジャースとロン・リドルのリズムセクションも、彼らオリジナルメンバーに負けない活躍ぶりで、7分間のインストを飽きさせず聴き込ませます。続く「Flaming Telepaths」から「Then Came The Last Days Of May」にかけては、バンドのメロディアスな魅力を再確認させるでしょう。ライヴはここから一気に加速! 「Me 262」と「Harvester Of Eyes」の『SECRET TREATIES』ナンバーではハードかつヘヴィに演奏を叩きつけ、また『FIRE OF UNKNOWN ORIGIN』からの「Joan Crawford」と「Burnin' For You」では'80年代らしい劇場感とコマーシャル性をアピールし、バンドの魅力を余す所なく描き切ります。ドラムソロを含む「Godzilla」と、バンドの代名詞「(Don't Fear) The Reaper」(コーダ部分の欠落が本当に残念!)でライヴを締めくくるまで、約85分間のライヴを一気に聴かせてしまうでしょう。 これまで『IMAGINOS』リリース後、当時の新曲を含むライヴは前述の『IN THE PRESENCE OF ANOTHER WORLD』(Uxbridge 299)で確認できましたが、その前夜、ベスト選曲によるセットの'88年春季ライヴは、その様相が知られて来なかった。本作は『CLUB NINJA』当時のライヴと、『IMAGINOS』以降のショウを結ぶミッシング・リング。ハードコアなB.O.C.マニアからは言うに及ばず、「良い音で名曲満載のライヴを満喫したい」というライトなファンをも楽しませます。優れた素材が揃うブルー・オイスター・カルトのライヴ音源に、また新たな傑作が誕生です! Live at New George's, San Rafael, CA. USA 30th April 1988 SBD Disc 1(38:52) 1. Intro 2. R U Ready To Rock 3. Dominance And Submission 4. ETI 5. Bucks Boogie 6. Flaming Telepaths 7. Take Me Away Disc 2(44:41) 1. Last Days Of May 2. ME262 3. Joan Crawford 4. Harvester Of Eyes 5. Burnin' For You 6. Godzilla 7. Drum Solo 8. Don't Fear The Reaper Eric Bloom - Vocal, Guitar, Keyboards Buck Dharma - Guitar, Vocal Alan Lanier - Keyboards Jon Rogers – Bass Ron Riddle - Drums FM BROADCAST RECORDING