スーパーバンドを連発しているマイク・ポートノイのキャリアでも極めつけにスーパーな5人組、SONS OF APOLLO。その衝撃の来日公演を刻みつけた極上ライヴアルバムが登場です。何しろ、メンツが凄すぎる。マイクと共に元DREAM THEATERのデレク・シェレニアンとMR.BIGのビリー・シーンの3人が核となり、そこに元GUNS N’ ROSESの超絶ギタリスト:ロン・“バンブルフット”・サール、イングヴェイやTALISMAN、JOURNEYなどで知られるジェフ・スコット・ソートを加えた5人。全員が有名バンドに在籍していただけでなく、各パートの匠として知られる達人ばかり。そのバカテクぶりは音を聴く前から分かりきっていましたが、それ以上にデビュー作『PSYCHOTIC SYMPHONY』が素晴らしかった。バカテクでなければ不可能な演奏をさり気なく散りばめつつ、曲としても素晴らしくキャッチー。ネームバリューに頼らずとも問答無用に素晴らしく、技巧を殊更にひけらかすまでもなく超絶。その上で栄光のキャリアに裏打ちされた技とセンスとバランス感覚が絶妙な現代の名作でした。
【もはやサウンドボード以上な本生サウンド】
そんな彼らが初来日を果たしたのは、つい先週。その中で本作に収められているのは「2018年9月10日:大阪BIGCAT公演」です。まずは、その日程を振り返ってショウのポジションを確認しておきましょう。
・9月10日:大阪BIGCAT 【本作】・9月11日:恵比寿LIQUIDROOM・9月12日:恵比寿LIQUIDROOM
以上、全3公演。本作の大阪公演は、一度こっきりとなる初来日の初日にあたるコンサートでした。そんなショウを真空パックした本作は、まさに極上を画に描いたような超絶サウンド。生々しく盛り上がるオープニングからしてオーディエンス録音には違いないのですが、いざ開演するや強烈にオンな演奏は飛び出す。その密着ぶりは異常なレベルで、距離感がまったくないばかりかシンバルの振動が目に浮かぶほどディテールも詳細。オーディエンスでは弱みになりがちな重低音も図太く、バスドラ連打、速射ベースの1粒1粒が立ち上がりから消音まで超ビビッド。そこまで密着すると低音に多少はビビリがあってもおかしくないのですが、それさえ皆無で艶やかな鳴りは美しくさえある。これだけのサウンドを実現したのは、現代の名手”西日本最強テーパー”氏。これまで無数のメタル・タイトルで実力は証明済みなわけですが、本作のサウンドはその高すぎる“最強氏”基準でも本作はズバ抜けた大傑作。クラブならではの灼熱の密室感がなければ「まるでサウンドボード」……いえ、「絶対にサウンドボードのハズだ」と信じて疑わなかったことでしょう。もはやサウンドボードかオーディエンスか、公式化非公式かといった方法論のジャンル分けも意味がない。コンサート記録の最高峰に達する異様な超絶録音なのです。
【究極超人たちの異常なショウ】
その凄まじいサウンドで描かれるショウもまた、凄まじすぎる! ロック史に名を刻む達人たちが互いの演奏を絡ませ、引き立たせ、それでいて互いに一歩も引かない。セットはまさに本生100%版『PSYCHOTIC SYMPHONY』+α。素晴らしかったデビュー作から全曲が演奏されたわけですが、そのテンションもパワーも緻密さもアルバム以上! ネット時代になって異様に巧い引き籠もりプレイヤーはいくらでも見つかるようになりましたが、達人たちは違う。ステージで生き、呼吸してきた生粋の実演家軍団。観客を前にした演奏は何倍も熱くなり、その技と熱気は合わさる事でドンドン醸成していく。精緻なアンサンブルはビシッとタイトでありながら、まったく機械的じゃない。複雑なフレーズもキャッチーなメロディもグーになった手が痛くなるほどスリリングで、グイグイと引き込んでいくのです。さらに美味しいカバーも披露。そのセレクションも意外ながらもキャッチーで、QUEENの「The Prophet's Song / Save Me」やVAN HALENの「And the Cradle Will Rock…」、さらにはピンクパンサーのテーマと、実に楽しい。そして、目玉は何と言ってもDREAM THEATERナンバー! デレクが参加した唯一作『FALLING INTO INFINITY』から「Just Let Me Breathe」に加え、大曲「Lines in the Sand」まで披露する。どちらもマイクが離脱した後の本家では演奏していないナンバーであり、それをゴリッゴリの速射ベースとジェフの熱い灼熱ヴォーカルが彩っていくのです。エンターテインメント面にも気を配っているわけですが、やはり圧倒的なのは演奏。各人が超絶技巧なのは聴く前から分かっていたものの、それ以上にセンスと豊富な引き出しが異常。単に正確なのではなく、単に複雑なのではなく、聴き込むほどにフレーズに意味があり、生演奏ならではの閃きが絶え間なく続く。本来であれば、繰り返し噛みしめてやっと解きほぐせる圧倒的な情報量を、一期一会なステージで濃縮放出しまくっている。ネームバリューだけのスーパーバンドは数多いものの、彼らはまったくの別次元。濃厚で“音が本物”な希代の超ユニット。そのスタート・ダッシュに超極上サウンドで立ち会えるライヴアルバムなのです。演者も達人ならファンも生粋のメタル者で、録音家も達人。道を究めた者たちが狭い大阪BIGCATに集ったからこそ生まれた灼熱にして超・極上な銘品。彼らがどこまで成功するのか、移り気なマイク・ポートノイがどれだけ続けるのかは未知数ですが、もしかしたら本作は歴史的なライヴアルバムになるのかも知れない……そんな予感さえよぎるほど、空恐ろしくなるほどの超傑作。ここに堂々の誕生です。
Live at Osaka Bigcat, Osaka, Japan 10th September 2018 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (54:47)
1. Intro : Intruder 2. God of the Sun 3. Signs of the Time 4. Divine Addiction 5. Just Let Me Breathe 6. Labyrinth 7. Bass Solo 8. Lost in Oblivion
Disc 2 (66:37)
1. MC 2. The Prophet's Song / Save Me 3. Alive 4. The Pink Panther Theme 5. Opus Maximus 6. Figaro's Whore 7. Keyboard Solo 8. Lines in the Sand 9. Guitar Solo 10. And the Cradle Will Rock... 11. Coming Home 12. Band Introduction 13. Outro : Happy Trails
Mike Portnoy - drums, vocals Derek Sherinian - Keyboards Billy Sheehan - bass Ron “Bumblefoot” Thal - guitar and vocals Jeff Scott Soto - vocals





























