結成50周年を迎え、日本へ“THE LONG GOODBYE”を告げに来ようとしているDEEP PURPLE。来日までカウントダウン状態に入った心を鎮め……いえ、一層熱くしてくれる最新ライヴアルバムの登場です。そんな本作に収録されているのは「2018年9月5日デリエン・センター公演」。その超極上オーディエンス録音です。現在、彼らはJUDAS PRIESTとダブル・ヘッドライナーで北米をサーキット中。まずは、“THE LONG GOODBYE TOUR”2年目に突入した2018年のスケジュールからショウのポジションを確認してみましょう。・5月4日:メキシコ(1公演)・5月30日-7月23日:欧州(17公演)・8月21日-9月30日:北米(25公演)←★ココ★・10月14日-22日:日本(6公演)・11月3日-24日:メキシコ(10公演)
これが現在までに公表されている2018年のワールド・ツアー。「北米」ツアーは丸ごとPRIESTとのカップリングで組まれており、本作のデリエン・センター公演は、その10公演目にあたるコンサートです。そんな本作のサウンドは、まさに画に描いたような超極上。何よりも素晴らしいのは……と言いますか、何もかもかが完璧。距離感がまるでない楽音や歌声の芯が極太なまま手元に飛び込み、ディテールは各楽器の1ノートどころか、その立ち上がりから消音まで美しい山を描く。ヘッドフォンでよくよく耳を澄ませば空気感も感じ……られない。あえて言うならサウンドボード音の丸出しよりもナチュラルに感じられるところがオーディエンスらしいと言える……かどうか。事実としては録音家によってネット公開されたオーディエンス録音ではあるのですが、FM放送や公式ライヴアルバムと何も違わない感覚で聴き通せてしまうのです。それほどの超名録音で描かれるショウも凄い。何と言いますか、豪快なまでに思い切った超濃縮セット。最新作『INFINITE』も素晴らしかったとは思うのですが、その新曲は一切カット。近年曲と言えるのは『NOW WHAT?!』の「Uncommon Man」だけですし、その次に新しいのが22年前の「Sometimes I Feel Like Screaming」。他はすべて70年代+『PERFECT STRANGERS』の必殺曲だけなのです。JUDAS PRIESTとのダブル・ヘッドライナーで持ち時間が少ないのでしょうが、それにしても濃い。北米に先立つ「欧州」ツアーの模様は傑作映像『MOSCOW 2018(Shades 939)』でレポートしておりましたが、さらに一層濃厚な70年代カラーにむせ返るようなショウなのです。それだけ鉄板で固めただけにお手軽なショウかと思いきや、そうはならないのがDEEP PURPLE。新曲チャレンジを放棄した代わりに熱気のすべてを注ぎ込んだような演奏が素晴らしい。一時は封印していた「Highway Star」でスタートするショウはエネルギッシュでシャープ。80年代から劣化が指摘されてきたイアン・ギランですが、90年代以降は逆に時間が止まったかのようにノドをキープしており、いつの間にやら同世代シンガー達の中でも若々しくなってしまった。その歌声にグイグイと引っ張られるように演奏も過熱。イアン・ペイス&ロジャー・グローヴァーは、それこそ20年・30年前と変わらぬグルーヴを叩き出し、ドン・エイリーもジョン・ロードさながらのハモンド・サウンドで指を華麗に、滑らかに、走らせるのです。復活したRAINBOWやグレン・ヒューズの“CLASSIC DEEP PURPLE LIVE”ツアーなど、70年代を彷彿とさせるショウが目立つPURPLEファミリー。特にグレンが素晴らしい現役感を誇っていましたが、やはり本家は凄かった。若いバックメンのエネルギーはグレンに譲るものの、自在なインプロヴィゼーションのしなやかさは本家ならではです。来る日本公演はフルセットになるでしょうし、その意味で本作は予習盤とは言い難い。しかし、その演奏ぶりがいかに充実しているかを超極上サウンドで味わうには絶好の1枚です。もう日本までフルセットはありませんので、長尺ショウを予習するのであれば『MOSCOW 2018』こそお薦めします。しかし、演奏そのものの熱気を事前に体感するのであれば、本作以上のライヴアルバムはあり得ない。特濃なショウを異様なほどの超極上サウンドで描ききった大傑作。
Live at Darien Lake Performing Arts Center, Darien Center, NY, USA 5th September 2018 TRULY PERFECT SOUND (78:48)
1. Mars, the Bringer of War2. Highway Star 3. Pictures of Home 4. Bloodsucker 5. Strange Kind of Woman 6. Sometimes I Feel Like Screaming 7. Uncommon Man 8. Lazy 9. Knocking at Your Back Door 10. Keyboard Solo 11. Perfect Strangers
12. Space Truckin' 13. Smoke on the Water 14. Hush
Ian Gillan - Vocal Steve Morse - Guitar Roger Glover - Bass Don Airey - Keyboards Ian Paice - Drums





























