ビートルズ「RUBBER SOUL (CENTERED VOCALS REMIX)」はファン制作による独自のリミックス・バージョンながらも、はっきりと効果が実感できる仕上がりであったことから予想を遥かに上回る好評を博すことになりました。それを受け、今回は新たなるファン・ミックスによる音源をリリースいたします。ターゲットはジョン・レノンの名作アルバム「IMAGINE」。アルバム・タイトル曲が今やスタンダード中のスタンダードであることに異論をはさむ者はいないでしょう。このアルバムの新たなミックスに挑戦したのはLord Reithを名乗るマニア。ネット界では有名な人物であり、ビートルズの音源を分解してレコーディング作業段階のバージョンに仕上げることを得意としています。彼の代表作が「MINUS ONE」であり、これを元にしたアイテムが他レーベルからリリースされただけでなく、当店リリースの「COMPLETE RECORDING SESSIONS VOLUME 4」にも「MINUS ONE」で作られていたレコーディング作業段階ミックスが大々的にフィーチャーされていたものです。そんな彼が「MINUS ONE」の発表から数か月後に作っていたのがジョンの「IMAGINE」を元にした「MINUS JOHN」。ここで彼が行ったミックスが実に分かりやすい。本アルバムはフィル・スペクターがプロデュースに関わったこともあって、随所でゴージャスなストリングスが付け加えられます。それが吉と出た部分もありますが、今となっては時代を感じさせてしまう部分があるのも事実。ジョン・レノンという偉大なアーティスト最大の矛盾の一つは、あれだけ「シンプルでストレートなサウンドが好き」と公言しておきながら、本アルバム以降において大抵がストリングスかホーンセクションのどちらかで楽曲を飾り付けた続けたことでしょう。彼の場合はワンパターンではなくてツーパターンとなる訳ですが、大半の曲でそれらのどちらかを付け加えていたものです。ビートルズ解散後、ポールはジョンというパートナーを失ったことで曲の仕上がりやプロデュースの批判をやたらと受けましたが、実はジョンもポールを失ったことで曲やアルバムのプロデュース能力がマンネリとまでは言わないまでも、決して幅広いものではなかった。結局ジョン自身はあの削ぎ落されたシンプルの極み「ジョンの魂」の仕上がりを終生誇りに思っており、他のアルバムに関しては大なり小なり仕上がりに悔いる部分があったことを認めています。それをオフィシャルな形で認めるリリースとなったのが「DOUBLE FANTASY」のストリップト・ダウン・バージョン。これは余計な飾り付けを排し、コアなバンド・サウンドとジョンの歌声をフィーチャーしたソリッドな仕上がり。さらには「JOHN LENNON ANTHOLOGY」ボックスに収録された各セッション・テイクの素晴らしさもそれを証明したのではないでしょうか。「MINUS JOHN」のミックスが目指したのも、やはりストリングスを中心とした飾り付けを排し、楽曲そのものの魅力を引き立てようとしたコンセプト。いわば「IMAGINE」のストリップト・ダウン・バージョンということでした。そこで今回のプレスCDリリースのタイトルもそのように名付けたのです。ここで実際に聞かれるミックスの違いはとても解りやすい。主にフィル・スペクターのプロデュース・センス全開なストリングス・パートを引っこ抜いたもの。それは「Imagine」や「Jealous Guy」を聞けば一目瞭然。おまけにアルバム本体はミレニアム・バージョンをベースにしているので、シンプルさが際立ったクリアネスも極上な仕上がり。「RUBBER SOUL (CENTERED VOCALS REMIX)」はヘッドホンで聞いてこそ、その効果が実感できるものでしたが、今回はスピーカーから鳴らしただけでも違いが本当に解りやすい。あのストリングスの良くも悪くもムーディーな感じが無くなってみれば、やっぱりジョンらしさが際立ってくる。さらにはドブロ・ギターのパートを抜いた「Crippled Inside」、ニッキー・ホプキンスの弾いたピアノ・パートすら取り払ってしまった「Oh Yoko!」の仕上がりも素晴らしい。ファン・ミックスにありがちな、独自の解釈でトラックをコラージュしてしまうのではなく、むしろシンプルさを際立たせるべく施されたのが「MINUS JOHN」のミックス。だからこそ違和感なくすんなりと聞けてしまうのが魅力。今回も意外なほどハマれる仕上がり、シンプルな状態に生まれ変わった名盤「IMAGINE」をお楽しみください！
(38:32)
01. Imagine (No Strings Mix) 02. Crippled Inside (No Dobro Guitar Mix) 03. Jealous Guy (No Strings Mix) 04. It's So Hard (No Strings Mix) 05. I Don't Want to Be A Soldier (No Piano Mix) 06. Gimme Some Truth (Wide Mix)
07. Oh My Love (Basic Track Mix) 08. How Do You Sleep? (No Strings Mix & Without Opening SE) 09. How? (No Strings Mix) 10. Oh Yoko! (No Piano Mix)
ビートルズ「RUBBER SOUL (CENTERED VOCALS REMIX)」はファン制作による独自のリミックス・バージョンながらも、はっきりと効果が実感できる仕上がりであったことから予想を遥かに上回る好評を博すことになりました。それを受け、今回は新たなるファン・ミックスによる音源をリリースいたします。
