突然ですが、質問です。「ピンク・フロイド全ての非公式音源の中で一番音質が優れているのはどれでしょうか?」・・・単純ながらも非常に難しい質問ですが、フロイドの非公式音源を長く聴いている方ですと、誰もがその脳裏に浮かんでいる筈の、豚の親子写真のタイトルがあると思います。 そう、それこそが『THE BEST OF TOUR 72』。1972年2月20日にロンドン・レインボー・シアターで行った公演の第一部「狂気」パートを超ウルトラ級の高音質で収録したオーディエンス録音です。当時FM放送されたという経緯も持つこの別格のスーパー音源は全てのフロイド非公式音源の中でも図抜けた音の近さと鮮明度を宿しており、非公式音源までフロイドを熱く追い続けるファンの誰に質問しても間違いなくトップ3に挙げる筈の音質" BEST "音源ではないでしょうか。オーディエンス録音ながらもサウンドボードを超えるそのウルトラ・ハイグレードな音質は録音から45年経つデジタル時代の耳で聴いても驚異的で、ボード録音というよりはIEM(イン・イヤー・モニター)録音と同じレベルで語るに相応しい驚異的なクオリティを持っており、45年前の機材で一体どうやって録音したのか皆目検討もつきません。しかしこれが1970年代アナログ・ブートレッグの時代から今もって72年全音源中の音質ベスト、いや全てのフロイド非公式音源の中でもベスト・オブ・ベストな音質となっているのは驚くべき事です。長い歴史を持つ音源ですので、当然ながらこれを音盤化したものはアナログLP盤を含め過去に幾つもありました。現Sigmaレーベルの前身となるSireneレーベルでも、オリジナルLPから直接落としたストレート・コピーとそのリマスター・バージョン、更に同日のオーディエンス録音をそれぞれコンプリート収録した4枚組『THE BEST OF TOUR 72 』がリリースされ、当時大反響を呼びました。その後は当店でも『THE BEST OF TOUR 72 : COMPLETE AND RESTORED』と銘打って、ギフト盤ながらも最良のマスターをデジタル音盤化致しました。これは近年ネットに登場したアッパー・バージョンを収録しており、その音質は前述のSirene-135版よりも格段に優れたものでした。内容的にも更なるアドヴァンテージを有しており、LP盤最大の欠点であった曲中のピッチの問題も完全解決されているうえ、これまでカットのあった「Time」の3分35秒~4分00秒、「Us And Them」の2分00秒~18秒、「Eclipse」の1分30秒~ディスクエンドに同日別音源の最長版を丁寧にパッチし、初の完全収録盤を実現していました。今回登場するこの最新作は、これを基にSigmaレーベルが徹底監修したもので、原音が持つ音の威力を2017年最新のリマスターとレストアによって増幅させた、究極音質にしてコンプリート収録の『THE BEST OF TOUR 72』なのです!! またこの音源は音質ばかりがクローズアップされますが、名演中の名演との評価の高い歴史的最重要音源のひとつである事も無視出来ない事実です。そのアップグレード版ですから、音質も内容も究極の姿が実現しているのです。例えば冒頭にはアナログ版未収録の「Speak To Me (Heartbeat Intro)」を約2分50秒間ほど同日の別録音から補填していますが、実はこのシーンもグレードアップさせた特上音質で繋いでおり、この日のショウ導入を最高の音像で誘ってくれるのです。これが完璧な補填とシームレス感を伴いながらいよいよ「Breathe」が出て来る訳ですが、これがもう全ての既発盤を一瞬で駆逐する別次元・異次元のメガ・クリスタルなウルトラ鮮明音像。これは今後、本作を何度繰り返し耳にしても驚かされること確実の圧倒的な超高音質で、これ以上無い鋭い音の立ち上がりとバランス感最高の各楽器の音の近さ・響きの広がりに仰天されること請け合いです。「On The Run」ではその音響エネルギーを完璧に描き出す超ファインモールド・サウンドが炸裂します。徐々に運動性を増す演奏が原音力満点のサウンドで広がり、切れ味鋭いギターとエレキピアノの出音が瞬時に、そして次々と拡散する音の色彩感に聴く者全員が息を呑むに違いありません。「Time」も冒頭の時計音やタムが廻る音色に信じ難いほどの奥行きが備わっており、音と音の間隙までもが詳細に掴み取れるでしょう。またここは伸びやかに冴え渡る高域感度の良さも特筆され、特に中盤で出てくるギター・ソロのシーンでは、その驚異的な音の近さとウルトラ級の解像度に聴く者全員が卒倒する筈です。ちなみに中盤で出てくる音の欠落(※ 3分37秒付近~4分01秒付近)のこれ以上無い完璧さで補填されていますので、聴き劣り感もゼロです。「The Great Gig In The Sky」も凡庸なAUD録音では聴こえ辛い子供の泣き声や人々の話し声など、スピーカーから出ていた全ての音が鮮明なコラージュで飛び交う高解像音となっており、彼らが持ち前の響きと音の木霊であの時代に挑む姿が確かな実感で掴めると思います。「Momey」も音の量感と解像力に優れていますが、ここではアンサンブルが織り成す立体感満点の音像に驚かされるでしょう。ベースの太い音圧も信じ難いほどの間近さで出てきますし、そのベースとオルガンが途中で対話してゆくシーンも魅力満点のサウンドです。中盤で飛び出すギターも鮮烈で、ここはギルモアの指使いまで見える様な驚異の至近音となっており、深みのあるメタリックなサウンドの広がりが五感に確かな余韻を残してくれるのです。呻き声と共に浮上する「Us And Them」では響きと響きの狭間にある神秘の空間性が鮮やかに現れ、そのダイナミックレンジの幅と深さに心底驚かされるでしょう。カットのあった2分01秒付近~19秒付近も同日音源で完璧な補填が施され、音の移ろいの中で放たれる音色の離合集散がスーパー・ハイグレード音質で流れます。「Any Colour You Like」は中音域の力強さと奥行きが大きな魅力で、この音楽集団がこうした響きの変容を通して当時何をを探っていたのか、そんな手応えのある考察も可能にしています。「Brain Damage」では最新のトランスファーによって収録音域のキャリブレーションが素晴らしい効果を出している事に注目です(※ キャリブレーションとは録音時のバイアス電流の微調整で、録音感度の調整をする機能です)。これにより全ての既発盤よりも格段に高い聴き心地を実現しており、元々の原音がどれだけ伸びやかで威力あるものであったかを最良の姿で伝えています。「Eclipse」はカットのあった1分30秒付近からディスクエンドまで同日別ソースで補填していますが、これも改めて音像を精査して聴き応えのグレードを上げています。その音像で聴くこの日のエンディング、すなわち後の公演よりも圧倒的に長くて特徴的な下降音型を用いた終演の姿をパーフェクトに聴き通せる悦びは、全てのフロイド非公式音源の中でも特別に胸熱くなること請け合いです。 ....それにしても、これまで『THE BEST OF TOUR 72』から幾多の既発盤が飛び交ったでしょうか。その長い音源史の果てに、ようやく世界的フロイド専門レーベルが放つ『THE BEST OF TOUR 72』。それはこの録音ソースの最終版にして完成形、そして究極の姿である事を意味しています。あまりにも圧倒的な孤高の音質盤ですので四の五の言いませんが、本作を聴き終えた後で再度同じ質問を投げ掛けるとしましょう。「ピンク・フロイド全ての非公式音源の中で一番音質が優れているのはどれでしょうか?」・・・きっと、次の様に答えが変わっている筈です。「うん。それ "THE BEST OF TOUR 72だね」 是非お試し下さい!!!
Live at Rainbow Theatre, Finsbury Park, London, UK 20th February 1972 Taken from the original record "The Best Of Tour 72"(16-421/422) (49:58)
The Dark Side Of The Moon
1. Speak To Me 2. Breathe 3. On The Run 4. Time 5. Breathe(Reprise) 6. The Great Gig In The Sky 7. Money 8. Us And Them 9. Any Colour You Like 10. Brain Damage 11. Eclipse





























