ストーンズ・マニアにとって1978年アメリカ・ツアーでもっとも人気が高いのは6月14日にパサイックのキャピトル・シアターで行われたスモール・ギグを収めたサウンドボード録音ではないでしょうか。このツアーを開始した直後はシアター・クラスの会場を使ったスモール・ギグを何度も行っており、アルバム「SOME GIRLS」でシンプルかつストレートなロック・サウンドに回帰したストーンズには打ってつけでした。そうしたギグが行われていたという事実だけでもマニアの興味は尽きないところですが、パサイックのギグが画期的だったことは、その模様が先のサウンドボード録音として記録された上に、ブートレグとして出回ったことでしょう。サウンドボード録音とはいってもマルチトラック・レコーダーによるライブ・アルバム用の録音ではなく、PAアウトからカセットに録音されたラフなもの。この独特の録音状態が78年ストーンズのワイルドな演奏ぶり、さらにはスモール・ギグならではの特殊な雰囲気を伝えてくれる名音源として確固たる地位を獲得しています。キャピトル・シアターでの最高にワイルドなギグの様子を最初に伝えてくれたのは名作LP「GARDEN STATE 78」。先の理由から瞬く間にベストセラーを記録、同じメーカーからの再発やコピー盤が数えきれないほど生み出されたことも名音源の証だと言えましょう。当然のごとくCDでも多くのアイテムが生み出されてはきたものの、独特の低音の迫力や演奏のダイナミズムなどは、やはり「GARDEN STATE 78」アナログLPが一番なのではないか…そんな思いから作られたのが数年前にリリースした当店バージョンの「GARDEN STATE 78」でした。「あの音をCDで手軽に聴けたら」という思いから、このタイトルは瞬く間にSold Outとなってしまい、再リリースの要望も多く寄せられていたもの。そこで今回は新たな「GARDEN STATE 78」がCDにて登場いたします。その内容は意外にも四枚組というボリューム。パサイックが四枚組ってどういうこと?と思われるマニアの方が多いことでしょう。四枚の内、最初の二枚のディスクに収録されるのはアメリカのFMラジオ局、WPLJが放送したと言われるバージョン。もちろんそこには初登場の箇所などなく、何と言ってもパサイック音源における持病である、チャーリーのバスドラにリミッターがかかり、左チャンネルが周期的にオフとなってしまう現象や箇所も変わらない。さらには「All Down The Line」の途中からステレオとなり、曲によってはモノラルとステレオの間を彷徨う状態なども同様です。冒頭で聴かれるDJのアナウンスから推測するに「GARDEN STATE 78」LPがリリースされた後でWPLJがそれをオンエアしたのではないでしょうか。面白いことに、FMの電波に乗ったことで音に広がりが生まれ、中でもオーディエンスの歓声に現れる臨場感は元のLPより格段に増したように聴こえるのです。元があのような録音ですので、パッと聴いた感じが「ミックス違いか?」と錯覚しそうになるほど。一方でいかにも70年代らしいアメリカのFMらしいノイズが全編を通して聴かれるところからもラジオで放送されたことを実感させてくれるものです。LPのスクラッチノイズとはまた違った「パチパチ」という音、あるいは「ブー」となり続ける低音ノイズなどは、ブルース・スプリングスティーン75年ボトム・ラインのラジオ放送時に聴かれたそれとまったく同質なもの。いかにもアメリカのFM的な状態かと。よって今回は当店が過去にリリースしたレッド・ツェッペリンの「ZURICH 1980」と同じようなコンセプト、つまりツアーを代表するサウンドボード録音に加え、同じ音源をFMで放送したバージョンをカップリングしたアイテムだということです。それにしても音質や雰囲気の違いはZEPのそれ以上に顕著なものであり、ある種ミックス違い的なリスニングが楽しめることでしょう。ただし放送時には不完全収録であった「Street Fighting Man」だけが放送されなかった模様で、FM音源をネットにアップした人物はこの曲をSBDとオーディエンスの混成で完全収録したVGP版「OUT ON BAIL」からラフなタイミングで付け足していました。勿論、当店としては、これをそのまま収録するのはどうかということで、「Street Fighting Man」は今回のアナログを補填し、以降は最良・最長とされる同日オーディエンス録音を補填しました。勿論、全体のピッチも修正しました。そして後半二枚のディスクには不朽の名盤「GARDEN STATE 78」二枚組LPから再び収録。ただし前回リリースの再発ではなく、今回は別の人物がLPをトランスファーしてネットにアップしたバージョンから収録。スクラッチノイズに関しては前回のバージョンよりも散見される一方で、よりLPに忠実なあの豊かな低音やナチュラルな味わいが楽しめる仕上がりとなっています。もちろん、こちらの「Street Fighting Man」は途中でフェイドアウト。パサイックのギグから何と40年近い歳月が過ぎた今なお、このLPが真空パックしてくれた熱狂やストーンズが聴かせた演奏のワイルダネスは特別なもの。そんな唯一無比なスペシャル・ギグをもっともリアルに味わえる。今回も手軽にCDでプレイバックできるアイテムとして以上に、今まで知られていなかったFM放送バージョンの独特な音質との聴き比べも楽しめること請け合いです!
Live at Capitol Theatre, Passaic, New Jersey, USA 14th June 1978
WPLJ FM Radio Broadcast
Disc 1 (45:08)
1. DJ Intro. 2. Introduction 3. Let It Rock 4. All Down The Line 5. Honky Tonk Women 6. Star Star 7. When The Whip Comes Down 8. Miss You 9. Just My Imagination 10. Lies 11. Beast Of Burden
Disc 2 (46:53)
1. Respectable 2. Far Away Eyes 3. Love In Vain 4. Shattered 5. Sweet Little Sixteen 6. Tumbling Dice 7. Happy 8. Brown Sugar 9. Jumping Jack Flash 10. Street Fighting Man
GARDEN STATE 78 (Double album vinyl rip) Taken from the original 2LP Records "Garden State 78"(SD 3957, Smiling Dork Records)
Disc 3 (46:07)
1. Introduction 2. Let It Rock3. All Down The Line 4. Honky Tonk Women 5. Star Star 6. When The Whip Comes Down 7. Miss You 8. Just My Imagination 9. Lies 10. Beast Of Burden
Disc 4 (45:58)
1. Respectable 2. Far Away Eyes 3. Love In Vain 4. Shattered 5. Sweet Little Sixteen 6. Tumbling Dice 7. Happy 8. Brown Sugar 9. Jumping Jack Flash 10. Street Fighting Man





























