アツい…ひたすらアツい。音質も演奏も、何もかもが。「A BIGGER BANG」を引っ提げたツアー?つい最近でしょ。いやいやいや、もう十年以上の歳月が経過したのです。十分に「ビンテージ」な域へと到達。オフィシャルでも数年前にツアー開始前のクラブ・ギグ「LIGHT THE FUSE」がリリースされていました。もちろん2005年当時にはツアーが進むそばから数えきれないほどのアイテムが生み出されてきたものです。近年のストーンズがツアーを行うと初日の公演から矢継ぎ早にアイテムが登場し続ける現象は「VOODOO LOUNGE」ツアーから現在に至るまで通常の習わしと化しています。「A BIGGER BANG」ツアーに関しても8月のツアー開始当初からプレスCDとCD-Rの両方で凄まじいリリースラッシュ現象が起きていたのが懐かしい。しかし8月から10月辺りまではストーンズのエンジンがなかなか全開にならなかったことも2005年の特徴として記憶されていました。例えば10月のフィラデルフィアではアンコールで「Satisfaction」が演奏されるべき位置でキースが「It’s Only Rock’n’ Roll」を弾き始めてしまい、それでもミックが強引に「Satisfaction」という伝説的な珍場面が起きたこともそれを象徴する出来事でした。ツアー開始前の「LIGHT THE FUSE」であれほど将来性を感じさせるギグを行っていたことを考えると、何とも不思議な現象です。この時期で一番注目を浴びたのは、ライブで初めて「Sway」を演奏した9月のコロンバスだったのかもしれません。しかしツアーが11月に差し掛かるとストーンズはようやく調子を掴み、ハリウッド・ボウルでのスペシャル・ギグなどでは相当に素晴らしい演奏が披露されたものです。やっぱりストーンズはこうでないと…世界中のマニアが喜んだこの時期の絶好調ぶりも当時リリースされた多くのアイテムが知らしめてくれたもの。12月にもなればストーンズはいよいよ鉄壁の演奏を聴かせてくれるようになりました。そんな絶好調のストーンズ、12月1日のヒューストン公演は素晴らしい音質のオーディエンス録音が存在します。もちろんそんな極上音源がリリースされない訳はなく、当時は「abiggerbangutourhouston05」というアイテムが存在していました。これをリリースしたのは主に2006年のツアーをいくつか生み出していたCheck This Out!という、まるでラップの台詞のような名前のレーベル。マニアの方の中ではご記憶されている方もいらっしゃることでしょう。間にスペースを置かずに小文字でタイトルが「A BIGGER BANG」の彷彿とさせる懐かしさがありますし、当時は似たようなセンスのタイトルがいくつも作られていたものです。こと「abiggerbangutourhouston05」に関していうと、その音質の素晴らしさは一部のマニアや専門書の間で話題となりました。ところがこのタイトル、何と曲間がことごとフェイドアウトするという、ありえない状態でCD化されてしまっていたのです。よくトラックが切り替わるところでギャップノイズが混入してしまったアイテムというのはたまに見受けられましたが、曲間がいちいちフェイドアウトしてしまうという状態は2005年の基準からしても相当に残念な状態。そのせいですべてが台無しとなってしまったアイテムだったのです。 元の音源はと言えば、2005年どころか十年以上の歳月が経過した今のレベルでも驚異的なレコーディング・クオリティ。とにかく演奏が近い。まさにオンな音像という言葉がピッタリと当てはまる。おまけにクリアネスも抜群。2005年ツアーはまるでストーンズのコンディションと息を合わせるかの如く、11月から上質なオーディエンス録音が登場し始めるのですが、そうした時期どころか2005年ツアーの中では疑いなしにトップ・クオリティを誇るウルトラ・レコーディング。リアルタイムなリリースがあまりに残念な状態だったのですが、最近になって突如この音源のマスターが登場。もちろん曲がフェイドアウト、フェイドインといった有様ではなく、ライブ全体をノーカットで収録してくれた新のマスター音源だから驚き。それだけでも世界中のマニアを驚かせるには十分な発掘と言えるのですが、音質もマスターにふさわしいアッパーを実現。曲間の問題だけでなく、明らかにイコライズが施されていた「abiggerbangutourhouston05」から比べて二皮ほど剥けたかのような見通しの良さ。元から抜群のクリアネスを誇る音源がいよいよ最高にナチュラルな状態でCD化されることになったのです。おまけに微調整ながら、演奏の輪郭をさらに際立たせたイコライズを加えましたので、マニアでなくとも安心して楽しめてしまう。そして先にも触れた12月ならではの絶好調なストーンズの演奏。オープニングから凄まじい勢いで演奏されており、中でもミックはパーフェクトともいえるコンディション。また「A BIGGER BANG」ツアーは「Bitch」という曲にとって新たな頂点となった時期でもあったのですが、この日もその例に漏れず爆裂演奏が聴かれます。弾きまくるキースがまた凄まじいこと。リサ・フィッシャーをフィーチャーした「Night Time」がまた今となっては懐かしくもあり、ここでの盛り上がりがまた凄まじい。ミックが歌をリプライズさせる場面もハイ・テンションなこの日ならではの展開かと。「Rough Justice」に「Get Off Of My Cloud」というショー中盤のロックなナンバーの演奏も圧倒的な勢い。終盤になってもミックの勢いは衰えることを知らず、「Sympathy For The Devil」のエンディングや「Satisfaction」でも彼の壮絶なシャウトが冴えわたっている。最後を締めくくる「Jumping Jack Flash」に至ってはバンドが一丸となって襲い掛かるような演奏が壮絶。演奏が終わってもチャーリーがまだ物足りないと言わんばかりにドラムを鳴らすほど。これほどアツい演奏だったとは…間違いなく圧倒させられることでしょう。この最高の演奏をしかも最高のクリアネスを誇るオーディエンス録音で聴けてしまう。ツアーから十年以上の歳月を経て現れた2005年ツアーの新たなるスタンダード。名演かつ名音源がここに。
Live at Toyota Center, Houston, Texas, USA 1st December 2005 TRULY PEREFCT SOUND
Disc 1 (61:53)
1. Introduction 2. Start Me Up 3. It's Only Rock'n Roll 4. She's So Cold 5. Tumbling Dice 6. Oh No, Not You Again 7. Rain Fall Down 8. Dead Flowers 9. Bitch 10. Night Time Is The Right Time 11. Band Introductions 12. Slipping Away 13. Infamy
Disc 2 (53:23)
1. Miss You 2. Rough Justice 3. Get Off Of My Cloud 4. Honky Tonk Women 5. Sympathy For The Devil 6. Brown Sugar 7. Satisfaction 8. You Can't Always Get What You Want 9. Jumping Jack Flash





























