ツアー引退を宣言しておきながら、またまた今月、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでコンサートを行なったエリック・クラプトンのツアー復帰を記念した今週の「クラプトン・ウィーク」をさらに盛り上げるアイテムの登場です。スタジオ・アウトテイクものにカテゴライズされる貴重音源で、76年3月30日、クラプトンの31歳の誕生日にザ・バンド所有のシャングリ・ラ・スタジオで大勢の豪華ゲストを巻き込んで行なわれた「バースデイ・セッション」をクリアなステレオ・サウンドボード録音で収録したものです。このセッションに参加したミュージシャンは、クラプトンがこの時期にレコーディングしていたアルバム「No Reason To Cry」にも参加していた人たちで、アルバムのレコーディング中にたまたまクラプトンの誕生日を迎えた、というタイミングで行なわれたものでした。過去にもこの音源は流出しており、複数の既発盤が存在しますが、今回の当店が入手したマスターは、お馴染みイギリス在住の重鎮テーパーから提供されたロウ・ジェネレーションマスターだったのです!それだけに音の鮮度は抜群。素晴らしいステレオ・セパレートによって、ほぼ全員のプレイが決め込める興味津々のソースとなっています。1曲目を聴いていただくと、ギターが3本入っています。センターのハーフトーンは当然クラプトン、そして右チャンネルのピッキング・ハーモニクス奏法は、すぐにロビー・ロバートソンと気づかれるでしょう。左チャンネルの奥ゆかしくも的確なプレイは、クラプトン・バンドのジョージ・テリーと思われます。3曲目はまたメンバーが少し入れ替わり、右チャンネルのオブリガートでロニー・ウッドが登場します。このナンバーはビリー・プレストンのボーカルとピアノにリードされた即興ナンバーです。クラプトンは自らきっちりとソロを決めています。キーだけを決めただけのこうしたブルージーな即興ジャムでも見事に形にするのが、このツワモノたちだったわけです。4.5.はボ・ディドリーのナンバーですが、4.ではこの曲を始めようとしたところで誰かがWillie & The Hand Jiveを歌い出し、クラプトンが笑ってメゲてしまいます。気を取り直しての5.でバッチリの演奏を決め、そこでソウルフルなボーカルを乗せるのがヴァン・モリソンです。当該アルバムには彼の参加テイクは収められていませんが、裏ジャケットのThanks toクレジットに彼の名前が載っていたのは、こういう訳だったのです。6.はプレストンがかつてサポートしたレイ・チャールズのナンバーで、ザ・バンドのリック・ダンコが切ないボーカルを聞かせます。お遊びセッションとは思えない、さすがのパフォーマンスとなっているのが聴きものです。6.でもモリソンの歌は冴えます。ブルースだけにセンターチャンネルでクラプトンが活躍しています。ディスク2では、オルガンでガース・ハドソンがセンターチャンネルに加わり、ボーカルはリチャード・マニュエルがとります。2.ではプレストンはオルガンにチェンジ。センターチャンネルで彼らしい鍵盤さばきを聴かせてくれます。3.はプレストンがコード進行を教えながらの練習テイク、4.が本番です。5.は当曲の完成形に近い姿が窺えるテイクです。全体的に、聴くに堪えないダラダラしたものでは決してなく、もし「No Reason To Cry」のエクスパンデッド・エディションが将来リリースされるとすれば、この音源から数曲が編集されてボーナストラックとして収録されるのではないかと思われるようなクオリティの高いジャムです。よく聞き取れる曲間の会話も興味深いもので、よく声を掛けられているビリー・プレストンが全員から慕われる存在だったことが感じ取れます。古き良き時代の記録として、ザ・バンドマニアの方にも楽しんでいただける、なかなかと言えるでしょう。最後に音処理に関しては、半音の50%程度ランダムに狂っていたピッチを修正。このセッションが完璧なピッチのマスター・サウンドボードで聴けるのは「世界初」ということになります!
Shangri-La Studios, Malibu, CA. USA 30th March 1976 STEREO SBD
Disc 1 (46:07)
01. Won't Somebody Tell Me (instrumental) 02. Right Now (vocal: Billy Preston) 03. It's Eric's Birthday (vocal: Billy Preston & Eric Clapton) 04. Who Do You Love 1(instrumental) 05. Who Do You Love 2(vocal: Van Morrison)
06. Hard Times (vocal: Rick Danko) 07. Stormy Monday (vocal: Van Morrison)
Disc 2 (44:33)
01. What Would I Do 1(vocal: Richard Manuel) 02. Right Now 2 (vocal: Billy Preston) 03. Tried To Make The Devil Mad 1(vocal: Billy Preston) 04. Tried To Make The Devil Mad 2 (vocal: Billy Preston)05. What Would I Do 2 (vocal: Billy Preston, Van Morrison & Richard Manuel)
06. What Would I Do 3 (vocal: Richard Manuel)
Eric Clapton - Guitar, Vocal Robbie Robertson Guitar Jesse Ed Davis Guitar Ron Wood Guitar Billy Preston Keyboards Van Morrison Vocal Rick Danko - Bass, Vocal Garth Hudson Organ Richard Manuel - Piano, Vocal Levon Helm Drums George Terry Guitar Carl Radle Bass
Dick Sims Keyboards Jamie Oldaker Drums Sergio Rodriguez - Percussion
STEREO SOUNDBOARD RECORDING





























