またまたエリック・クラプトンの秘蔵ライブ音源が2つ登場します。2作一挙にのリリースとなりますが、2作ともマスター提供者は当店が信頼するイギリス在住の重鎮テーパーで、2作とも完全初公開、衝撃のマスターと言えるものです。そのうちの1作である本盤は、2ヶ月に及んだ1978年春の「スローハンド全米ツアー」から、中盤3月24日の、ノースカロライナ州シャーロット公演をサウンドバランスの良いモノラル・サウンドボード録音で収録しています。この音源は、元々はPAアウトと呼ばれる、コンサート会場のミキシング卓でチェック用に録音されたもので、かつてはEC Raritiesレーベルから「WORLD TOUR 1978」というタイトルでリリースされた既発盤がありました。ところが、それはクラプトンのブートレッグの評価サイトGeetarzでは「SB4」(本来SBなら5か6でなければなりません)という、サウンドボードの割りにはヒスノイズが多く、粗い音質ゆえに評価が中程度のものでした。恐らくジェネレーションを経てコピーされたものだったのでしょう。ところが本盤に捉えられた重鎮のマスターは既発盤よりも格段に音質が良い上に、既発盤では終盤がフェイドアウトで完全収録ではなかったCocaineが最後まで完全収録された驚きの初登場マスターだったのです(The Coreのフェイドインは変わりません)。しかしながら重鎮のテープもさすがの経年劣化でダメージ受けていました。テープ両面の冒頭は半音の約40%もピッチが低く、その後3分程度で約20%低い所に落ち着き、それ以降は約20%低いまま安定するという困った状態でした。それを当店のプロエンジニアがいつもの手腕を発揮し、完璧にピッチを修正しました。さらに高音質はそのままで、迫力アップのため、全体の音圧を上げました。これで重鎮のマスターを最良の状態でご提供できることになったわけです。ではここで、この全米ツアーがクラプトンの活動上どのような位置付けになっていたのか、この年のトピックをおさらいしてみましょう。
≪1977年11月1日:アルバム「SLOWHAND」リリース≫・1978年2月1日~4月19日:全米ツアー ←★ココ★・1978年6月23日:オランダ、ロッテルダムでのフェスティバルにボブ・ディランバンドと共に出演・1978年7月1日~7月15日:短期ヨーロッパツアー(ボブ・ディランとのフェスティバル出演を含む)
≪1978年8月~9月:アルバム「BACKLESS」のレコーディング≫
前年11月1日にリリースされたアルバム「SLOWHAND」は、第1弾シングルとしてカットされた「Lay Down Sally c/w Cocaine」が全米シングルチャート2位まで上り詰める大ヒットで勢いづき、アルバム自体も全米アルバムチャートで第2位を記録する大ヒットとなりました。その勢いを駆ってのプロモーションツアーがこの全米ツアーでした。この時点では、アルバムに参加したイヴォンヌ・エリマンはソロキャリア進出のためバンドを脱退し、マーシー・レヴィが紅一点となっていました。この布陣での2ヶ月以上に及ぶ長期ツアーだったことを見れば、ここがクラプトンの勝負どころだったと言えるでしょう。その後は断続的にツアーは継続されますが、7月で終了、すぐにクラプトンは次作「BACKLESS」のレコーディングに臨みます。そういう意味では、既に本ツアー開始時にはアメリカのファンはアルバムを購入済みで、「SLOWHAND」は大ヒット、その楽曲のライブでの披露を楽しみにしているという状況でした。従ってクラプトンにとっては「アルバムのプロモーション」というよりも、「大ヒット御礼」のツアーという様相を呈していたと言えるでしょう。そして大歓迎された本ツアーの中盤に当たっていたのが本シャーロット公演でした。このツアーからは、アメリカのFMライブ番組「キングズ・ビスケット・フラワー・アワー」で放送された2月11日、12日のサンタモニカ公演のステレオ・サウンドボード音源が有名で、ブートレッグ化もされていますが、それとはセットリストとソングオーダーが若干異なっています。初の完全収録となったCocaineでは、この日が史上最長と言えるようなロングソロを弾き(途中からワウワウ・プレイに切り替えています)、エンディングは、今では大定番となったオーディエンスの大合唱で終わるという姿からは程遠い、初期ならではの初々しい終わり方になっています(ラストコーラスを歌い終わってもまだクラプトンはタイトルコールを一人で歌っています)。全編で弾き捲っているクラプトンですが、なぜかLaylaの後奏はジョージ・テリーに任せています(サンタモニカ公演でもそうでした)。この後テリー(とマーシー)を解雇して4ピースにしてしまうクラプトンですので、ひょっとするとこの時点で既にその方針を決めており、テリーへの餞(はなむけ)がLaylaでのソロフィーチャーだったのかもしれません。ギターもボーカルも絶好調のクラプトンがここにいます。Bottle Of Red Wineも、サンタモニカほどの悪ふざけボーカルではありません。アルコール度数は低く、きちんとプレイした充実の日だったと言えるでしょう。グレードアップマスターで聴く「スローハンドツアー」の好盤が本盤です。
Live at Memorial Coliseum, Charlotte, NC. USA 24th March 1978 SBD(from Original Masters)
Disc 1 (43:44)
1. The Core 2. Worried Life Blues 3. Peaches And Diesel 4. Wonderful Tonight 5. Lay Down Sally 6. Rodeo Man 7. Fool's Paradise 8. Cocaine
Disc 2 (44:47)
1. Double Trouble 2. Badge 3. Nobody Knows You When You're Down And Out 4. Knockin' On Heaven's Door 5. Key To The Highway 6. Layla 7. Bottle Of Red Wine
Eric Clapton - Guitar, Vocals George Terry - Guitar Dick Sims – Keyboards Carl Radle - Bass Jamie Oldaker - Drums Marcy Levy - Backing Vocals
SOUNDBOARD RECORDING





























