伝説的スーパー・トリオの新たなる極上ライヴアルバムが誕生しました。その新名盤に刻まれているのは「1973年4月26日シアトル公演」。ジェフ・ベックの初来日ともなった日本公演は1973年の5月でしたので、約3週間前にあたるコンサート。その極上オーディエンス録音です。これまで知られていなかった録音の新発掘なのですが、いきなりの登場にして由緒正しき銘品。実は、かの名門JEMSがD&Dアーカイヴ・シリーズとして世に送り出したマスターなのです。「D&D」とは、70年代のシアトルで活動していた伝説的録音家コンビDave Departee&Donn Amickのこと。JEMSでは、このコンビのマスターを数十種もアーカイヴ。最近は発掘のスピードも落ちてきたようですが、本作はそんな中で一際輝く最新発掘のひとつです。さらに、新発掘にして世代も究極的。ソースとなったのは現存する最古の1stジェネ・カセット。45年に及ぶ時間の試練によって最終再生となったそうですが、ギリギリのタイミングで永久に残ることになった。これだけ時間の経過した新発掘と言えば、録音者や系統が不明でも当たり前なのですが、ここまでハッキリと分かるは珍しい。それもロック・アーカイヴ界で名門・名手と呼ばれる人々の手“だけ”を経て届いた。まさに名盤となるべくして誕生したライヴアルバムなのです。本作から流れ出るサウンドは、そんな経緯を音で証明する素晴らしさ。ほんのりと会場音響も吸い込んだオーディエンス録音には違いないのですが、その繊細さ、ディテールの鮮やかさには言葉を失う。カーマインの打音は乱打されるシンバルの1つひとつまで鮮明で、ボガートのベースはうねりながらもラインがクッキリ。もちろん、スーパー・リズム隊をからかうようなジェフの悪戯ギターも超鮮明です。更に言えば、オーディエンス・ノイズまでもが奇跡的。作為ゼロの自然な臨場感がたっぷりと味わえつつ、拍手の1粒1粒までクッキリ。しかし、そのバランスは精緻にミックスした公式作品のように見事で、演奏音の機微をまったく邪魔しないのです。それだけ繊細な上に、鳴りが極めて艶やかで美しい。1stジェネ・カセットだからこその鮮度がどこまでも瑞々しく、最終再生だったというのが信じられないほど安定している。唯一、「Sweet Sweet Surrender」の1:07で一瞬だけテープ劣化のノイズが発生しますが、それ以外にダビング痕はおろか、ヨレや歪みも見当たらない美音が延々と続くのです。本作では、そんな奇跡のマスターを更にブラッシュ・アップしました。実のところ、JEMSは発掘の真実に重きを置いてノイズリダクションもマスタリングも一切行わなかった。その奇跡の輝きに手を加えるのは躊躇したものの、残念ながら公開音源は約半音もピッチが低かった。それもまた1stジェネ・テープの真実なのでしょうが、本作ではそれよりも“現場の真実”を取りました。ピッチを正確に正し、反響を起こしている音域を緩和。より“現場で鳴っていた音”を再現してお届けすることになったのです。そんなサウンドで描かれるショウは……まさに伝説の現場。セットは間近に迫った来日公演と酷似していますが、演奏自体は名盤『LIVE IN JAPAN』よりもさらに苛烈でイキイキと躍動している。伝統のオフィシャル盤が霞んでしまうほどの名演が超極上のサウンドで綴られていくのです。儚いながらも眩しすぎる輝きをロック史に刻んだBECK, BOGERT & APPICE。あの伝説から45年後になって突如出現した驚異のライヴアルバムです。演奏の達人が紡ぎ、録音の名手が捉え、アーカイヴの名門が永久に残した“音”。音楽作品として素晴らしすぎる1枚ではありますが、それ以上に“音楽を残す”という行為の最高峰。その情熱の結晶でもあるのです。ロック・ヴィンテージが描き得る最高の新発掘ライヴアルバム。
★半音弱低いピッチを修正。(印象が変わる程の狂いを補整) ★反響している音域を緩和して聴きやすくしました。
Live at Paramount Northwest, Seattle, WA. USA 26th April 1973 (75:01)
1. Superstition 2. Livin' Alone 3. I'm So Proud 4. Lady 5. Morning Dew 6. Drum Solo/Morning Dew(reprise) 7. Sweet Sweet Surrender 8. Lose Myself With You 9. Bass and Drum Jam/Lose Myself With You 10. Black Cat Moan 11. You Shook Me/Black Cat Moan 12. Why Should I Care 13. Plynth 14. Shotgun 15. Jeff's Boogie





























